真 夢人 日記

心理学、哲学、脳科学、宗教に関心があり、それらについて自分なりにまとめたものをこのブクロで発信していきます。

メタ認知って、何なのだろうか?

実行機能、認知機能、メタ認知機能。
AIは、ある意味、メタ認知機能を担っているように思う。
では、メタ認知って、何なのだろうか?
メタ認知とは、自分の認知活動を客観的にとらえる、つまり、自らの認知を更に上位からモニターする認知行為である。
産まれたばかりの赤ん坊は、実行機能のみとも言える。しばらくすると、認知機能が働くようになって、知識、感覚をどんどん吸収するようになる。2~3歳になれば、実行機能がかなり確立して、自分の実行機能を使うことを主張し始める。これを、第一反抗期と呼ぶ。
更に成長して、認知機能が確立するようになると、次は、自分の認知機能を使うことを主張し始める。これを第二反抗期と呼ぶ。親の意見(認知)を拒否し始める。
所が、自分の認知機能が正常に働いているかどうかが気になる。その認知機能の働きを更に上位からモニターするのが、メタ認知機能である。そう!自分のメタ認知機能の誕生である。がそれは機能するには余りにも幼すぎる。
若者達は、メタ認知機能を外に求めて、さ迷う。思想に溺れることも多い。本を貪るかも知れない。教祖にしがみつくかも知れない。占いに傾倒するかも知れない。ママ友餓死事件はその犠牲者であろう。
宗教は、本来、人間の実行機能や認知機能をメタ認知する役割であった。しかし、人間は、自分自身の中に、メタ認知機能を確立して来た。
親が、子供達のメタ認知機能になっていたように。そして、子供達が親から自立するそうに。
日本人は、自分自身の中にメタ認知機能を育てるよりも、集団や組織をメタ認知機能として頂く傾向が強い。
今、SNSが極めて隆盛を誇っている。このSNSは、自分を認知評価してほしいという承認欲求を充たす役割をかなり担っている。
で、このような承認欲求とは、外部に、メタ認知機能を求めていることを意味する。
このような承認欲求を満足させる手段としてのSNSが衰退して行くことが、依存的承認欲求を克服して、自立的承認欲求を確立したことを意味する。
自立的承認欲求とは、自分の実行機能や認知機能に対して、自分のメタ認知機能を使って、評価することである。他者からの評価を必要とはしないことである。
この段階に至って、初めて、自分の内部から沸き起こる欲求に従って、実行機能を行使することが、自己実現行為だと言える。それまでは、他者の評価や思惑や指示に従って動く、他者実現に過ぎない行為である。
少なくとも、純粋な自己実現行為ではない。
注)自分の内部から沸き起こる欲求にだけ従って、実行機能を行使する行為を「わがまま」という。そこには、メタ認知機能が全く機能していない。
話は変わって、今や科学技術が全盛の時代であるが、それを否定するような出来事が、世界で頻繁するように成って来た。
今回のコロナウイルス騒動は、その典型的出来事である。これは、科学技術という、実行機能や認知機能に対して、メタ認知機能が存在しないからだろうと思う。科学技術がわがままに陥っても是正する機能が不在である。
昔から、科学技術に対する、メタ認知機能は、哲学であった。
だが、もはや、科学技術に対する反としての哲学が不在である。そのような哲学の出来が待ち望まれる。

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