真 夢人 日記

心理学、哲学、脳科学、宗教に関心があり、それらについて自分なりにまとめたものをこのブクロで発信していきます。

100分de名著 「金子みすゞ詩集」 第2回目を視聴しての感想

一回目は、メディアについて、考えた。金子みすゞの時代は、雑誌がメディアだった。今は、インターネットがメディアである。
今回の二回目は、視点について考えた。小説もそうだが、詩や歌(短歌、俳句も含めて)の命は、視点だ、と感じる。
例えば、石川啄木の「我を愛する歌」の冒頭は、「東海の小島の磯の白砂にわれ泣なきぬれて蟹とたはむる」である。
この冒頭部分は、ジェットコースターで、高くて広いテッペン(東海)から地上スレスレ(われと蟹)まで落ちて行く感覚を味わう。
この視点とりには、脳科学的に言えば、右脳、特に、頭頂連合野の右脳側が優位的に司る。
所が、言語は、逆で左脳が優位的に司る。だから、言葉を視聴しながら、視点とりも行うには、じっくり時間をかけて、脳の左右両方を存分に働かせながら味わう必要がある。
別の例を挙げると、歴史を見て行くには、時間の幅を視野に納めなければならない。例えば、歴史絵巻物を広げて行くように。であっても、縦軸の時間幅だけではなく、横軸の空間(地政学的な意味において)をも視野に収める必要があるが。ここでも、右脳左脳を同時並列的に働かせる必要がある。
本を読む、話を聴く、特にゆっくりじっくり読む聴くことの効用の一つが、この視点とりや視野の広がりを獲得出来ることである。先人達から様々な視点とりを取得し、しかも、それらを自ら(脳)の中に統合した上で、高見から俯瞰することができる、つまりネットワーク思考が出来る能力を身につけたいものである。
注)ネットワーク思考とは、これまでの1つ1つの部品に着目して研究を進めてきた還元主義から、部品相互の関わり方も含めて全体の機能をとらえる思考方式。

脳ネットワーク

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