真 夢人 日記

心理学、哲学、脳科学、宗教に関心があり、それらについて自分なりにまとめたものをこのブクロで発信していきます。

成功とか失敗とかはなんなのか

[失敗とは何か]
◎私は以前(2007/04/13)「失敗とは何か」という記事を書いた。そこで「失敗」について定義した。その部分を引用する。

失敗とは、もはやそれに対して、先へ進むことを完全にあきらめたことを意味する。だから、それでもなおかつ先へ進む意志があるならば、それは単なる試行錯誤でしかない。失敗のない試行錯誤は存在し得ない。
[試行錯誤]
◎人は、白黒がはっきりしない内の「試行錯誤」を繰り返しながら、物事を進めてゆく。そこでは数多くの失敗が生まれてくる。失敗とは、つまり、試行錯誤の内で、もはや役には立たないと諦めたものである。
注)野田首相は母校・早稲田大学での講演で、「失敗の最大の要因は自分が諦めるときだ。自分が諦めない限り失敗はない。成功の要諦は成功するまで、続けることにある。粘り強い心を持ちながら1つ1つヤマを乗り越えていきたい」と決意を述べた。引用from原発は「政治的」に既に終わった|上久保誠人のクリティカル・アナリティクス|ダイヤモンド・オンライン
[再度成功と失敗を取り上げる]
◎そのことについて、2年半過ぎた今の知識をも交えて、またさらに考えを進めてみたいと感じて、再度、「成功と失敗」を取り上げてみた。さて、このテーマは成功するか失敗するか。
[宇宙には基本原理が]
◎私は、宇宙には基本原理があって、その原理の元に宇宙は、動いているというか、変転している、感じている。それでさまざまな事柄をその視点から見たいと願っている。
[進化論]
◎と言うことで、「成功と失敗」を「進化論」の視点からも見てみる。「進化論」は、「適者生存」(fromWikipedia)という言葉を使う。
[適者生存]
◎それは、「最も環境に適した形質をもつ個体が生存の機会を保障される」という。環境に「適したものが、生存する」という。
[自然淘汰]
◎また、「進化論」の「自然淘汰」とは「ある生物に生じた変化が、生物の置かれた環境下で有利となるなら、その変化は残る」という機械的なプロセスである(from"はてなキーワード")。
[自然選択]
◎同じような意味を表す「自然選択」(fromWikipedia)は「厳しい自然環境が、生物に無目的に起きる変異(突然変異)を選別し、進化に方向性を与える」ことである。
[環境]
◎「適者生存」、「自然淘汰」、「自然選択」に共通して使われる言葉は、「環境」である。環境(自然)が、淘汰し、選択した結果、適者だけを生存させる。
[有利]
◎「自然淘汰」の定義の中で、(環境下で)「有利」という言葉が使われているが、何を持って「有利」というのであろうか。
[生存の機会を保障]
◎「有利」とは、「生存の機会を保障」し、「生存させる」方向へと進める条件である。「有利」とは、「生存し続けさせる」条件を持つことである。
[成功=適応が生き残り]
◎一般的な言い方をすれば、環境へと「成功」(適応)したものが「生き残り」、「失敗」したものが「退場」する方向へと進む。
[生存=報酬]
◎それは別の言い方をすれば、成功には、生存という「報酬」が与えられ、失敗には、退場という「罰」が下されることによってなされる、選別される。
[失敗は消滅]
◎それ故に、宇宙には、成功だけが生き残り、失敗は消滅してゆく。それによって、宇宙はあたかも設計図があるかのように、秩序だったきれいな形を持つ。「進化に方向性を与える」ことになる。
[宇宙は進化する]
◎「成功」=「生き残り」、「失敗」=「退場」という選別の結果、ランダム(完全不規則/無目的)に、物事が発生しても、結果としては宇宙は進化する方向へと進む。
[突然変異]
◎進化論では、「ランダム(完全不規則/無目的)に発生する物事」を突然変異という。それが環境の中で、ためされ(試行錯誤)て、「適者生存」、「自然淘汰」、「自然選択」というフィルターによって少数者が生き残る。
[進化が進む]
◎生き残ったもの=成功だけで成り立ち、それまで(過去)の成功者も後から来た成功者(彼も環境の一部である)に失敗者として追い落とされ退場させられるので、進化が進んでゆく。
[使用頻度]
◎脳内において作られていく神経ネットワークの場合も、頻繁に使われるという「使用頻度」(適者生存、自然淘汰、自然選択)によって、成功か失敗かに振り分けられる。
[有用性が高い]
◎そして、成功が生き残り、失敗が退場する。当然、環境の中で有用性の高い(有利な)ものは、頻繁に使われるという「使用頻度」が高くなる、言い換えれば、「生存し続けさせる」。
[ドーパミン]
◎特に、我々は、脳内に「ドーパミン」という快楽(「報酬」)系のホルモン(厳密には神経伝達物質)があるという。それが、「この事柄はあなたにとって成功ですよ」とわめき立てる。
[次もの意欲が使用頻度を上げる]
◎それによって、次にもやってみようという意欲へとつながる。これが「使用頻度」を上げる。私は以前、脳は成功と失敗をどう見分けるのか不思議に思っていた。
[選別が見分ける基準]
◎環境からの「成功」=「生き残り」、「失敗」=「退場」という選別が見分ける基準だということが、今これを書きながら悟った。
[失敗を繰り返せば成功か]
◎でも、失敗を繰り返せば、それが成功と見なされることはないのだろうかとも不安がよぎった。これはすごい逆説である。よく聞くのが、同じ過ちを繰り返すことが意外にも多いことも事実なのだから、その可能性も高い。