真 夢人 日記

心理学、哲学、脳科学、宗教に関心があり、それらについて自分なりにまとめたものをこのブクロで発信していきます。

美しい国とは

[美しい国づくり政策大綱]
国土交通省は平成15年7月に、"美しい国づくり政策大綱"を発表している。私は読んでいないが。
[美しい国づくりに向けて]
国土交通省は、その前文で、次のように述べている。


この国を魅力ある国にするために、まず、自ら襟を正し、その上で官民挙げての取り組みのきっかけを作るよう努力すべきと認識するに至った。そして、この国土を国民一人一人の資産として、我が国の美しい自然との調和を図りつつ整備し、次の世代に引き継ぐという理念の下、行政の方向を美しい国づくりに向けて大きく舵を切ることとした。
[美しい国、日本]
◎また、阿倍首相は就任してから、ビジョンとして、"美しい国"をキーワードに選んだ。"美しい国へ"という著書も書いている。またつぎのホームページで、政権構想を書いたパンフレットも配布している。→政権構想「美しい国、日本。」
[美しい日本の私]
◎"美しい日本"という言葉を聞けば、次のようなことを思い出す年配者も多いだろう。1968年、川端康成が、日本人として初めてのノーベル文学賞を受賞した。彼はノーベル賞授賞式上で、"雪月花"を中心とする、"美しい日本の私"、という題で講演(スピーチ)した。
[うまし国]
また、"美しい国"を、より昔風に表現すれば、"うまし国"である。ずっと昔(万葉集にも使われている)から、日本には"うまし"という形容詞を付けて国をキャッチコピーしてきた。
[松尾芭蕉とその俳句]
◎今日はそれらは脇に置いておいて、松尾芭蕉について考える。というよりも、彼の俳句の一つを取り上げて"美しい国"について考えたところを述べる。
[床し菫草]
山路来て何やら床し菫草


菫草(すみれそう/すがしい響きだ)。この写真は借り物。
[具体的内容と抽象的内容]
◎この句(ほとんどの句がそうであろう)は、具体的内容と抽象的内容と、ふた通りに読み取れる。
[文字通りの意味]
◎具体的とは、文字通りの意味に取る。山の峠か、頂上付近で、一休みしたとき、ふと目にした、菫草への感想である。
[人生を写し取った]
◎抽象的とは、人生を写し取ったと読む。芭蕉が40才頃の作品(野ざらし紀行)。人生50年の時代だから、今でいえば老齢期に入りかけであろう。今の時代であれば、60歳代ともいえよう。それを踏まえて読み込む。
[苦しい、つらい人生]
"山路"とは、人生の道。もう先は見えている年齢だ。山路とあるから、苦しい、つらい人生を思い浮かべる。彼の人生への感想かも。
[過ぎ越した人生を振り返る]
◎"来て"は、"行きて"(未来)に対して、過ぎ越した人生を振り返る感じである。未来は短く、過去はもう長くなってしまった。山から下(過ぎ越した過去)を見下ろしたかもしれない。
[可憐な田舎風なかわいさ]
◎"何やら床し"は、日常的な何気ないことへの感動を表す。菫草、写真でもお分かりのように、派手な花ではない。派手な都会的美しさに対して、可憐な田舎風なかわいさ。
[金さん銀さん]
◎"何やら床し"は、老いたる者や幼い者が持つかわいさへの情緒である。もうかなり前になるが、"金さん銀さん"という双子の老婦人が全国的に話題となった。お二人のかわいさに日本中が眉を細めた。
[老者や幼児に床しと声を上げる国]
◎私が希望する美しい国、うまし国は、日本中が示したような、老者や幼児に、床しと喜びの声を上げる国である。老者や幼児に、"床し"と喜びの声を上げる国作りである。これは心の美しい国作りといえる。
[民主主義とは、平等、対等]
◎私は民主主義を礼賛(私は今までこれをレイサンと読んでいた、漢字変換されないので調べたらライサンとあった)する。私の信奉する、民主主義とは、平等、対等である。
[現実世界は平等対等でない]
◎といっても、現実世界は平等、対等、でない、出来事、事柄、事態、状態があふれかえっている。一応、この事実は認める。認めはするが、できる限り、平等、対等へと持って行こうとする営み(努力)は続けるべきだと思う。
[ともに"床しい"といえる国作り]
◎強い者だけが勝つ国ではなく、強い者も、弱い者もともに、"床しい"といえる国へ向けて国作りを進めてほしい。