真 夢人 日記

心理学、哲学、脳科学、宗教に関心があり、それらについて自分なりにまとめたものをこのブクロで発信していきます。

フィールドワーク(野外調査)て何なんだ?

[現地調査]
◎今日は唐突な話題をひとつ。それはさまざまな問題を解きほぐすひとつの手段ではないかと思う。
では。フィールドワーク(野外調査)とは、研究室外(机上外)で行う調査活動である。事実を丹念に観察し、そこから真実をみちびくという現地調査である。あるいは、生活の場で、そこの住民と生活の現実を共にする立場で、観察や聞き取りによって、問題を明確化していく研究方法である。
[文献中心の研究]
◎この方法は、室内や図書館での文献中心による研究に対する用語である。しかし、文献中心とはいえども、事実を丹念に観察し、そこから真実をみちびくという点では、同じことをしているともいえそうだ、場所の違いはあっても。
[法則を抽出発想]
◎現地調査で最大に重要なことは、観察された諸事実を、偏見や先入観や前例に"とらわれず"に分析し、事実を越えた真実(法則)を抽出発想することを目的とする、ということである。しかし、この"とらわれず"が実に難しい。
[現地で見聞き]
◎とはいえ、"百聞は一見にしかず"のように、実際に現地で見聞きして出て来た成果は絶大である。不二家パロマリンナイ事件などは、上層部が、十分なフィールドワーク(野外調査)をしない、命じないで、断片的に上がってきた書類だけで結論を出したことが、ここまで重大事件に発展した一因ではないだろうか。
[観察記録をもとに文章化]
◎話を戻す。観察記録はそれをもとに文章化される必要がある。観察や聞き取りをもとに問題を明確化しなければならない。とはいえ、真実を抽出発想することはとても大変だ。文化人類学川喜田二郎氏は、氏の経験を元にして、"発想法"、"続発想法"を出版して、編み出した"KJ法"を提示した。
[現場主義]
◎暮らしや職場などそれぞれの現場から問題を探ることは、単に学者だけでなく、新聞など報道記者、教師、看護師、警察官などなど現場を持つ職業者ならば、現地調査から結論を導き出す"現場主義"を取るべきではないだろうか。
[東国原宮崎県知事]
◎ということで、東国原宮崎県知事を取り上げる。日本国中が今彼の行動を注視している。私のイメージでは、知事とは、知事室にデンと座って、口で役人に指示を出す役割である。我々は今彼が一般庶民、県民の立場でモノを見て行動する(現場主義を取る)のかどうかを見守っている。
[政治家杉村太蔵]
◎同じことが、衆議院議員、政治家杉村太蔵氏の誕生時にもいえた。彼があれほど注目されたのは、国会議員一般(お偉い先生)とは違う行動を取って、一般国民を低い目線で見てくれるのではないかとの無意識的な期待があったのではないかと思う。そのことによって、もしかしたら政治の流れが変わるのではないかと。しかし自民党はそのことが分かっていない。
[踊る大捜査線]
◎それを"踊る大捜査線"でいえば、流れの最高潮での青島刑事のセリフ、流行語にもなった、"事件は会議室で起きてるんじゃない。現場で起きてるんだ!!"ということになる。現場と会議室。
[鵜の目鷹の目]
◎別な言い方をすれば、鵜の目(現場の眼)鷹の目(会議室の眼)。知事に不都合な情報が上がって来なくなっても現場を見ていない限り分からない。上がって来る資料だけで判断をすれば、官僚・役人にとっては扱いやすい上司ということになるのだが。そうなれば"裸の王様"に変身。衣装を付ける官僚・役人の思うままになってしまう。
[ボトムアップからトップダウンへ]
◎やってほしいのは、現場で採取した事実を上に伝達(ボトムアップ)して、そこから結論を導き出し、それを下に命令や指示という形で通達(トップダウン)する。それは学問的には、帰納法であり、演繹法である。操り人形にならないためには、現場百回である。
[当事者と観察者]
◎また、次には逆さまの視点から提示する。事件の渦中にある当事者(第一者と第二者)と観察者(第三者)。囚われがちな"当事者ととらわれずの観察者。当事者は目の前の事件や出来事に巻き込まれて冷静に判断できなくなってしまうことも多々ある。見えているのに見えない状態ともなりがちである。
[父親と母親と子ども]
◎ここで、具体例として、ある家庭での父親と母親と子どもを取り上げる。お母さんは子どもがテレビを見て勉強しないという状況では、お母さんも子どもも当事者である。その子どもの様子に、お母さんはイライラして子どもに怒鳴り散らしてしまいがちである。
[冷静な鷹の眼で裁判官の役目]
◎そこで必要なのが、お父さんの鷹の目である。観察者(第三者)として、子どもと母親から等距離に立って、フィールドワークしてとらわれのない判断を下す。つまり、子どもと母親の言葉を鵜呑みにしないで、冷静な一段鷹の眼で裁判官の役目を取らねばならない。
[母親と父親の役割分担]
◎しかし、奥さんは、父親(夫)に向かって、"何とかいってやってください"と当事者として振る舞わせようとする。事件に巻き込もうとする。昔は、母親と父親の役割分担が明確であった。つまり、母親はあくまで当事者の立場で行動し、父親は一段高い観察者の立場に立ち続けられた。
[公平な判断]
◎この方法が存外うまくいく場合が多い。やはり、事件が起きれば、仲裁的な存在が必要である。仲裁者だと思うから、当事者同士はその判断に納得する、あるいは納得せざるを得ない。しかし、父親が母親の立場に立っていると知れば、子どもは父親の言動を公平な判断とは見ない。
[政治家・警察官・教師]
◎これは、政治家や警察官や教師や役人など現場に立ち会って、どちらかといえば、それについて判断し行動を起こさねばならない立場にある者が心せねばならない事柄である。自分はどちらかの立場に立つか旗色を鮮明にするか、あくまで真っ白なままでい続けるのか。