真 夢人 日記

心理学、哲学、脳科学、宗教に関心があり、それらについて自分なりにまとめたものをこのブクロで発信していきます。

再生医療へ向けた新たな一歩か

この記事は以前にこのブログに掲載したものだが、削除してしまったので、再掲したい。
[堅い高度医療の話]
◎今回はとても堅い高度医療についての話である。最近とてつもなくすばらしい研究成果が日本の医学界で生まれたのでそれについて話したい。
[韓国人教授による論文ねつ造が発覚]
◎ その前に、韓国で再生医療への期待を抱かせるような研究成果を得たとの発表があったことについて言及したい。それが教授によるねつ造だと発覚して大問題に発展したことがあった。
韓国は(昭和時代の日本のように)日本に追いつけ追い越せの意識が強いから、日本に世界に勝ったと韓国では国中が沸き立ったが、結局は威信丸つぶれで終わった。これはそれに匹敵するほど大きな関心事である。
[臓器や組織を再生できるかも]
◎まだまだ遠い未来の話だろうけれども、その研究成果が将来的に、心臓移植、肝臓移植、骨髄移植などの移植をせずに、本人の健康な細胞から、悪化した臓器や組織を新品に生まれ変わらせることができるかもしれないのだ。
[数兆個の細胞を持つ人間は一個の細胞からスタート]
◎人間は、もちろん動物も、一個の受精卵が限りなくともいえるくらいに分裂(分割)を繰り返して数兆個の細胞の固まりである人間になる。しかしすべての人間はたった一個の細胞からスタートする。
[生殖細胞と体細胞へと機能的に分化]
◎一個の細胞は大きく分けて、生殖細胞と体細胞へと機能的に分かれる。生殖細胞は次世代を生み出す細胞(その細胞から新しい命が誕生する)である。それに対して、体細胞は、名前の如く体を構成するもろもろの細胞へと変化してゆく。
[幹細胞は分裂・増殖を行う]
◎分割して間もない頃に出来る、幹細胞は、未分化の(まだ将来が決定していない)細胞であり、成熟を伴わない分裂・増殖を行うという特徴を持つ。
[分裂するごとに機能的に特殊化]
◎細胞は分裂するごとに、機能的に特殊化(専門化・限定化)してゆく。高度に特殊化した細胞(例えば皮膚細胞)はもはや分裂して増殖することはできない。
[可能性を秘めた若い細胞]
◎逆から言えば、分裂して間もない頃は、特殊化せずに、何にでもなれる(皮膚細胞、肝臓細胞、血液細胞などなど)可能性を秘めた若い(??)細胞のままである。
[万能細胞]
◎そのためにそのような細胞を(将来何にでも成れる)万能細胞とも呼ばれる。それらの細胞は心臓にあれば心臓の細胞になり、皮膚にあれば皮膚細胞へと分化し特殊化する。
[京都大学再生医療研究チーム]
◎今回京都大学再生医療研究チームが、体細胞(かなり分化の進んだ特殊細胞)に遺伝子操作を加えて、それが再度増殖の出来る幹細胞的な状態へと引き戻すことに成功した。
[細胞の階層的種類]
◎ 細胞の階層的種類を理解するために、高校野球のトーナメント形式の試合表を思い浮かべてほしい。表の一番下は試合が組まれて全チームが並んだ階層である。最高位は、優勝校である。今年は早稲田実業(東京)がその場所に登り詰めた。その高校の出身者である、王監督はさぞかし喜んだことだろう。病気への最大の薬かもしれない。
[優勝校の位置は受精卵]
◎話を細胞に戻す。細胞で言えば、優勝校の位置は、(母親の子宮内の)受精卵である。全チームが並んだ一番下は、個々の特殊化した(専門化した)体細胞である。最も特殊化が進んだ(能力が最も限定された)レベルである。
[万能細胞や幹細胞は上位の位置]
◎発揮できる能力をたくさん持つ万能細胞や幹細胞はトーナメント表でいえばかなり上位の位置であろうか。
[現段階はマウスでの成功]
◎ 研究成果に話を戻すが、現段階は、マウスでの成功であり、それが直ちに人間にも通用するかは未知数(人間がそのような遺伝子を持つかはまだ確定されていない)である。まだその段階へは歩を進めていない。これからクリアしなければならないハードルはかなりあるだろうと予想される。
[倫理的問題をクリア]
◎もし人間にも適用できれば、倫理的見地(胎児になる前の胚を破壊するので)からストップがかかっている、ES細胞を使用しなくても済む。これは倫理的問題をクリアできる方法である。
[拒絶反応の心配もない]
◎また、他人の細胞を使わなくてもいいので、拒絶反応の心配もない。失敗の可能性がずいぶんと軽減される。もしこれが実際に人間にも適用できるとなれば、計り知れないほどの医療的進歩へとつながる。
[医療的進歩の光と陰]
◎医療的進歩は、それを待ち望む人々には、未来に光を持ち込む天使のようなものであろう。しかし、一歩間違えば、クローン人間の誕生のように、どす黒い暗雲が我々の頭上に重くのしかかるかもしれない。
[常に関心を向けよう]
◎内容的に難しい話だけれども、常に関心を持っておく必要があるだろう。先手を打たなければ、後手では王手詰めである。