真 夢人 日記

心理学、哲学、脳科学、宗教に関心があり、それらについて自分なりにまとめたものをこのブクロで発信していきます。

ヒトの皮膚から人工多能性幹細胞を作ることに成功

今日(2007/11/22)の分をここに追加する。
[人工多能性幹細胞の作成に成功]
◎日米それぞれの研究チームが、皮膚細胞を幹細胞に変える遺伝子を用いて、ヒトの皮膚から人工多能性幹細胞を作ることに成功したと、2007/11/20日に発表した。

注)前回の記事では、マウスでの成功であったが、今回は人間での成功である。
[胚性幹細胞(ES細胞)]
◎倫理的に問題とされるヒトの受精卵や卵子を使用する、胚性幹細胞(ES細胞)は人体に含まれる220種類の細胞いずれにも成長することができる。それだと、クローン人間を作れてしまうので、倫理問題から使えない。
[倫理問題を回避できる]
◎それに引き替え、胚性幹細胞ほど普遍性を持たず、階層がそれよりも下に位置する、未分化状態の人工多能性幹細胞では、疾患の治療に利用できる。
それ以外にも、胚細胞の使用によって発生する倫理問題(ヒトの受精卵や卵子を使用することは規制されている)を回避できるので、新薬の開発や病因の解明研究に用いることが出来る。
[治療用細胞としての利用]
人工多能性幹細胞の場合、患者自身の遺伝子を使いその患者に拒絶反応なく移植できる細胞を作り出せるため、治療用細胞として利用が可能となる。
[治療研究における急速な進展が見込まれる]
◎今回開発された新しい技術は、人工多能性幹細胞を大量培養できる道を開いた。それによって、がん、アルツハイマーパーキンソン病、糖尿病、関節炎、脊髄損傷、脳梗塞、やけど、心臓病など、広範囲の疾患治療の研究において、急速な進展が期待できるだろう。
[ノーベル賞を越える成果]
◎これらが実現できるならば、ノーベル賞所ではないほどの成果である。人類の大きな曲がり角にさしかかったともいえるかもしれない。良い意味でも、悪い意味でも。