真 夢人 日記

心理学、哲学、脳科学、宗教に関心があり、それらについて自分なりにまとめたものをこのブクロで発信していきます。

老いらくの恋と前頭連合野

[60歳手前に着いた]
◎私は、今60歳手前にたどり着いた。現在から過去を振り返ると、あっという間だったなという感想になるが、20歳代の時には、60歳なんて、はるか彼方の雲の上という印象だった。
[仲むつまじい夫婦に少々の嫌悪感]
◎数年前までは、50歳代60歳代の夫婦(?)が、手をつないで仲むつまじくかたらいながら、あるいは肩を寄せ合いながら、恋人のように並んで歩く姿を見て、少々の嫌悪感を覚えた。また老いらくの恋という言葉にも、いやらしさを感じていた。
[自然に愛情表現を示す]
◎所が、今この年になって、それも悪くはないなと、感じ始めた。おかしなことに、妻の方でも、以前よりも自然に愛情表現を示すようになった。私にとって、それはうれしくもある。
[感情がじわっと表にしみ出す]
◎もしかすれば、私たちは、さまざまな感情の内で、表現したいとは思いながらも、出来ずにいた感情が、じわっと表にしみ出してきているのかもしれない。それが今になってほんわかとした感情表現が出来るようになってきたのだろう。
[前頭連合野は下位機能を抑制]
◎話題を変えるが、脳は層構造になっている。つまり、古い脳の上に新しい脳が乗っかるという風に、何層にも積み上がっている。その内の最高機関(最上位)である、前頭連合野(前頭前野)は、すべての下位の機能を抑制する働きを持つ。
[働きが少しずつ衰える]
◎私たち夫婦は、その働きが少しずつ衰え始めているのだろう。その結果、下位機能が抑制されずに、表出する。もはや歳でもあるし、その感情表出の仕方も穏やかなのだろう。
[酒が入ると人が変わる]
◎話が少しそれるが、お酒が入ると、人(性格・人格)が変わる方がおられる。私は体質的に、お酒が飲めないので、酔うとはどういうことか実感、実体験がない。他人が酔っぱらうのを見ていると、多かれ少なかれ人が変わる。
[低姿勢の人も酒が入ると大声でわめく]
◎例えば、極端な人の場合には、普段はとてもおとなしくて、誰にでも頭をぺこぺこ下げる低姿勢の人が、いったんお酒が入ると、大声でわめき、近くにいる人を雑言罵倒する。あるいは、誰彼となく、食ってかかる。皆さんも、身近にそんな人を一人や二人ご存じだろう。
[酒が入り貯蔵庫の感情が噴出]
◎これはさまざまな機会に、雑言罵倒したい気持ちが湧き上がっても、それを強く抑圧していて、表現しないままに心の底に貯まっていたのだろうと想像される。たまりに貯まったときに、お酒が入り、貯蔵庫の感情が噴出する。
[酒は下位機能を麻痺させ始める]
◎お酒が入って、その抑制が、栓のふたがずれたのだ。お酒は、まず最初に、前頭連合野(前頭前野)の機能を麻痺させる。そして、水が下へと流れるように、次々に、下位機能を麻痺させ始める。
[次々と下位機能を麻痺させる]
◎まずは、陽気になったり、ふさぎ込んだり、といつもよりも感情が主導権を取る。次には、ろれつが回らなくなる。足下がおぼつかなくなる。もっと進むと、記憶が飛んでしまう。極端な場合には、生命機能さえ停止しかねない。
[酒はストレスや感情の開放に一役買う]
◎そういう点から見れば、お酒は、ストレスや感情の開放に一役買っているような気もする。自制心が完全にはずれてしまうまで飲むのはどうかと思うが、貯まっていたストレスや感情の開放を手助けする程度のお酒は、心身の健康にも良いのかもしれない。
[今までの生き方が分かる]
◎歳がいって、 前頭連合野の抑制機能が衰えたときに、下位にあったどんなものが表面に浮き出てくるかで、その人の今までの生き方が分かるようにも思える。それまでの生き方が見えてくる。
[クソじじいと罵倒される老後は過ごしたくない]
◎私は、翁と呼ばれるような年寄りになりたいものである。間違っても、クソじじいと罵倒される老後は過ごしたくない。今からでも心すべき。