真 夢人 日記

心理学、哲学、脳科学、宗教に関心があり、それらについて自分なりにまとめたものをこのブクロで発信していきます。

京都大山中伸弥教授、再生医療へのさらなる一歩

[再生医療へのさらなる一歩]
◎最近、日本でも大きな話題となった、山中伸弥教授らの研究グループが、再生医療へのさらなる一歩を進めた。障害をまた一つクリアーした。
「万能細胞のがん化、ほぼ回避 京大の山中チームまた前進」(from朝日新聞)


万能細胞(=iPS細胞=人工多能性幹細胞)を治療に応用するにあたり、大きな障害と考えられてきた細胞のがん化は、iPS細胞をつくる際に特定の遺伝子を使わなければ防げることが、京都大の山中伸弥教授らの研究グループによるマウス実験でわかった。
参考資料→(私のブログ)「再生医療へ向けた新たな一歩か」
[がんとは]
◎がん(=悪性腫瘍)とは、(from Wikipedia)

細胞は、正常な状態では細胞数をほぼ一定に保つため、分裂・増殖しすぎないような制御機構が働いている。 それに対して悪性腫瘍は、生体の細胞がコントロールを失って無制限に増殖するようになったものである。
[遺伝子の働きはスイッチ機構]
◎全ての遺伝子がそういう働きを持つわけではないが、遺伝子の大きな働きは、スイッチ機構である。ある機能を働かせるのに、あるいは、その働きを止めるにのに、遺伝子がスイッチとして使われる。
[遺伝子がさまざまな機能をコントロール]
◎そういう形で、遺伝子が、さまざまな機能をコントロールしている。細胞の働きや増殖、分裂なども、遺伝子が司る。
[細胞は階層構造]
◎細胞に関していえば、階層構造(例えば、会社組織)としてみると、わかりやすい。その内で、万能細胞は、取締役とか、専務という地位である。
[能力を封印]
◎下位の階層にある細胞ほど、働く遺伝子の数が少なく(持っているが使えない)なってゆく。能力を封印されてゆく。この遺伝子の働きを権限と見なすとわかりやすい。
[任される守備範囲が狭い]
◎皮膚細胞とか、肝細胞は、平社員である。つまり、任される守備範囲が狭い、持っている権限が少ない。それに対して、 万能細胞は、ほぼ全般的な権限を有する。
[万能細胞は増殖]
◎平社員の皮膚細胞を取り出しても、増殖しないが、専務の万能細胞は、増殖して、その後、特定の細胞(例えば、皮膚)に専門化する。
[皮膚細胞になる可能性を持つ万能細胞]
◎だから、皮膚を再生させるには、それ自身である皮膚細胞は使えず、皮膚細胞になる可能性を持つより地位の高い(より高い階層にある)万能細胞(多能性幹細胞)を増殖させる。
[無制限に増殖してがん化する]
◎しかし、時に、遺伝子が作用して、皮膚での守備範囲内で働かずに、無制限に増殖して、がん(=悪性腫瘍)化する。つまり、規律違反を犯してしまう。
[がん化阻止方法を発見]
◎今回、そのがん化を阻止する方法(具体的には、がん化させる遺伝子を特定した)を、京都大の山中伸弥教授らの研究グループが発見した。これによって、がん化する心配を抱くことなく、万能細胞を治療に用いることが出来るようになった。
[治療の成功率が高まった]
◎つまり、それだけ、治療の成功率が高まったということである。これは日本にとって、本当に大きな力となる。もしかすれば、日本を再生する最大の治療方法かもしれない。
[守り育て世界に通用する制度を早急に確立]
◎日本政府は、これを守り、育て、世界に通用する制度を早急に確立する必要がある。百億単位のお金を使ってでも、これを守り育てていかねばならない。