真 夢人 日記

心理学、哲学、脳科学、宗教に関心があり、それらについて自分なりにまとめたものをこのブクロで発信していきます。

不正組織の中にいるか、外に飛び出すか

[大分県の教員採用不正事件]
◎もう十日ほどに渡って、連日連夜、大分県の教員採用不正事件が、世間を賑わわせている。
[組織的犯罪]
◎県教委の元幹部は、「私一人だけでも毎年十数人分の口利きを受け、うち2、3人を意図的に合格させていた」と述べたと、西日本新聞(2008/07/12付)に載っている。たまたまとはとうていいえない組織的犯罪である。
[人々がそこに群がっていた]
◎さまざまな報道から判断すると、県議会議員や、教育長、教育委員会幹部、教育関係者などさまざまな肩書きを持つ人々がそこに群がっていたと想像される。
[昔から慣習的な教員不正採用]
◎これは、相当昔から慣習的な教員不正採用が行われていたと思える。つまり、もうシステム化・制度化されていたといえる。
[個人の力ではどうすることもできない]
◎いったんシステムが完成すると、個人の力ではどうすることもできないことが多い。河の流れに逆らうか、それに流されてゆくか。
[不正行為は役職の仕事]
◎逆らうということは、そのシステムからはじき出されるということである。不正行為は役職が果たすべき一つの仕事となって組み込まれてしまっていたのだから。
[不正採用が蔓延]
◎今回発覚した不正でも、口利き料を払わなければ、合格させてもらえないとまで思うほどに、不正採用が蔓延していたのだろうと感じる。特に渦中の人は内部にいた人物であったのだから。
[汚れ役をせざるを得ない]
◎不正、汚い行為だと分かってはいても、組織内に留まる限りは、その汚れ役をせざるを得ない。不正(採用)が組織の仕事の一部化しているかぎりは。
[停まらない自動化]
◎この事件に限らず、これまでに発覚してきた、諸々(建築、食品、検査などなど)の偽装や、談合や、裏金作りや、汚れた政治資金づくりなども、一度制度化、システム化してしまうと、組織の仕事の一部化して、もはや停まらない自動化が始まる。
[一個人は単なる歯車]
◎そして、その中の一員は、単なる歯車なので、自分だけが停まるわけにはいかない。しかも、習慣化すると、不正だとの罪悪感も薄れ、行為が惰性化(無意識化)してしまう。そして、それが次から付きへと引き継がれてゆく。
[貧乏くじを引いた]
◎そういう面では、不正発覚した彼らは貧乏くじを引いてしまった、ババをつかまされたのだと、いう一抹の哀れさを誘う。不正という河の流れに入ってしまったが故に。とはいえ、それでも、そこから抜け出すという選択肢は残されていたはずであるが。
[ひっきりなしに暴かれ続ける]
◎ところで、何故なのだろうか。今現在、このような偽装、談合、裏金作り、汚れた行為が、次から付きへとひっきりなしに暴かれ続けているのは。
[内部告発]
◎これらのほとんどが内部告発だと考えられる。とはいっても、かなり信憑性のある、証言や証拠などが無ければ動けないだろうから中枢に近い人物からの告発だろう。
[取り締まる側が動かない]
◎しかし、内部告発は以前からあっただろうから 不正行為が今までにも暴かれてもよかっただろうに。発覚が少なかったのは、取り締まる側がそう簡単には動かなかったからだろう。
[その怠慢がまた内部告発]
◎でも、今や取り締まる側が動かないと、その怠慢がまた内部告発などによって、暴かれる時代となった。つまり、取り締まる側が動かなければ、そのことが報道でさんざん叩かれる。
[厚生労働省、保健所の鈍感さに報道や世論が憤慨]
◎今まで役所の腰は本当に重かった、眠れる牛の如く。しかし、その腰の重さが、報道によって、せんど叩かれた。例えば、命にかかわる仕事をしているというのに、厚生労働省、保健所などの腰の重さ、鈍感さに、報道や世論が憤慨した。
[取り締まる側のフットワークが軽くなった]
◎結果、取り締まる側のフットワークが軽くなった。さらには、告発手段の多様化も功を奏していると思う。新聞、テレビ、雑誌、ネット(掲示板など)、ブログ、取締機関などなど。告発を取り上げる体制がずいぶんと整ってきた。
[倒産を見るという危機意識]
◎また、食品偽装など、不正をした側が、真摯に反省して(少なくとも見かけ上は)、不正防止体制をきちんと構築しないと、倒産(役所であれば、組織再編)の憂き目を見るという危機意識も高まってきた。
[テレビにどう映ったかが問われる時代]
◎その結果、責任者の「テレビ写り」が、その企業・役所の存亡を決するといっても言い過ぎではないと思えるほどに、テレビにどう映ったかが問われる時代にもなった。