真 夢人 日記

心理学、哲学、脳科学、宗教に関心があり、それらについて自分なりにまとめたものをこのブクロで発信していきます。

森永卓郎氏の「今まさに瓦解する市場原理主義」を読んで

[瓦解する市場原理主義]
◎今回のアメリカ発世界同時多発金融危機について知りたかったが、素晴らしい教材を見付けた。それが「今まさに瓦解する市場原理主義 / SAFETY JAPAN [森永 卓郎氏] / 日経BP社」である。
[森永氏の記事の要約]
◎私は余りにも経済音痴なので、ほとんどを引用だけで筋をつけさせていただく。つまり、森永氏の記事の要約である。引用(「」で表示)としているが、少々手を入れてある、ご了解を。
[金融危機の根はもっと深い]
◎氏は、「サブプライムローンの処理が終わり、米国内の金融危機は峠を越えたと言ってもおかしくないはずだ。だが、今回の金融危機の根はもっと深いところにある」という。
[根元を探る]
◎ということで、この記事のテーマはこの「もっと深いところにある根」を探ることである。
[リーマンブラザーズ証券が経営破綻]
◎まず、表面の動きとしては、「158年の歴史を持ち、全米第4位の証券会社、米国のリーマン・ブラザーズ証券が経営破綻」した。
[米国第3位〜5位までの証券会社が消える]
◎さらに、「全米第3位のメリルリンチも、バンク・オブ・アメリカに買収された。半年前に破綻した全米第5位のべアー・スターンズを加えると、米国の第3位から5位までの証券会社が、わずか半年の間に消える」事態となっている。
[信用バブルが崩壊]
◎このようにして「米国型の金融システムが作り上げてきた信用バブルが、まさに崩壊しようとしている」。
[金融資本主義が瓦解]
◎が、大きな枠組みから見れば、「ここ30年間、世界を席巻してきた弱肉強食の新自由主義市場原理主義、行き過ぎた金融資本主義が、いままさに瓦解しようとしている」のである。
[あらゆるローンを証券化]
◎その行き過ぎた金融資本主義とは、「融資リスクを避けるため、不動産から、クレジットカード、自動車ローンに至るまで、あらゆるローンを証券化」することだった。
[大きな資金を生み出す方法]
◎具体的には、「投資家から集めた資金に、その何倍もの銀行融資を加えることで、より大きな資金を生み出す方法」「レバレッジ」は、「利益が5倍になるということは、損失も5倍になる、ひどく危険な商品」であった。
[金融危機はインチキの破綻から]
◎「今回の金融危機はそうしたインチキが破綻したことが原因」である。この商品が世界中にばらまかれていた。そして、今その商品が、世界中のいたるところで爆発しているのだ。これが"アメリカ発世界同時多発金融危機"の正体である。
[100年前の英国の二の舞]
アメリカはこれから立ち直ることができずに没落の道を歩むだろう。というのは、アメリカは「100年前の英国の二の舞」だからである。
[強大な軍事力で世界を支配]
◎「英国は、18世紀の後半に始まった産業革命によって、世界の工場になって経済が発展。その金で強大な軍事力をつくりあげ、世界を支配して植民地を各地に作ってきた」。
[ポンドが基軸通貨]
◎そのことによって、「英国の通貨であるポンドが基軸通貨になり、世界中がポンドを欲しがるようになる。そうして、ポンドの価値が高くなった」。
[金融に走りものづくりを捨てた]
◎「金はどんどん入ってくる。そこで、"それなら世界の高利貸しで生きるのが一番だ"と金融に走り、ものづくりを捨てていった」。
[軍事費で財政は赤字に転落]
◎ところが、「英国は覇権を維持するための軍事費がかさむ一方となり、財政は赤字に転落する。しかし、ものづくりを捨ててしまったものだから、赤字増大に拍車がかかる」。
[メイドインUSAは憧れの的だった]
◎所で、「米国は、1960年代まで、世界の工場だった。自動車はもちろん、テレビ、洗濯機、冷蔵庫にいたるまで、メイドインUSAは憧れの的だったのだ」。
[ものづくりをすっかり捨てた]
◎「いま米国製品で欲しいものがあるかといえば、まったくない。ものづくりをすっかり捨ててしまったためである」、イギリスと同様に。
[何から何まで英国の轍を踏む]
◎「ドルを基軸通貨として高利貸しに走ったのも、英国と同じ。軍事力を増大させることで世界を支配しようとしたのも英国とそっくり。そして、軍事費の増大が莫大な財政赤字を生んでしまった。何から何まで、英国の轍を踏んでいるのである」。
[アメリカは立ち直れない]
◎ということであれば、イギリスと同様に、アメリカももはや立ち直れないだろう。利益を生み出す実体経済が国内にはないのだから。単に、お金を右から左に動かすことだけで、利益を上げてきたのだから。
参考資料→(私のブログ)「アメリカの威信低下、没落への道」
[時代は巨大な変化のまっただ中]
◎ということを考えれば、いま世界は、時代は巨大な変化のまっただ中にある。日本は、もはやアメリカを中心に考えていたのでは、時代に取り残される。
[世界全体を見渡す広い目]
◎次に、世界の中心に立つ国はどこだろうか。EU?中国?ロシア?。世界全体を見渡す広い目を養わなければならない時期である。