真 夢人 日記

心理学、哲学、脳科学、宗教に関心があり、それらについて自分なりにまとめたものをこのブクロで発信していきます。

課長ザルと平社員ザルとストレスと

[ストレスを貯め込む内向性]
◎内向的だった私はストレスをよく貯め込んで、胃を悪くしていた。でも、ストレスという言葉をよく耳にするわりには、分かっているようで分からない用語ですね。
[変化を引き起こそうとする力・エネルギー]
◎「ストレス」は、ごく一般論でいえば、変化を引き起こそうとする力・エネルギーとでもいえるものです。つまり、ストレス自身は中性的(良い悪いの別がない)なものなのです。ある意味、それをどちらの方に向けて流すかによって、良し悪しが分かれるような気もする。
参考資料→「ストレスは“悪者”ではない:NBonline(日経ビジネス オンライン)」
[解消しようとする意欲が湧く]
◎私たちはストレスを感じるから、それを解消しようとする意欲が湧いてきます。だから、生きるということは、ストレスを解消する方向へと反応することでもある。つまり、楽を求めさせる力がストレス。
[喜びもストレス]
◎でも、喜び(の原因)もストレスなわけです。例えば、試験に合格するなどもストレスです。これは良いストレスです。だから、この場合は解消する必要がないわけですけれども。
[快適な温度の中が楽]
◎暑い、寒いは、できるなら解消したいですね。快適な温度の中にいた方が楽ですから。だから、これらは悪いストレスかも知れませんね。でも、禅坊主は、「心頭滅却すれば火もます涼し」とのたまう。
[解消反応できない場合も]
◎しかし、いつもいつもストレスを解消できる方向へと反応できるわけがありませんよね。
参考資料→(私のブログ)「あなたは心の整理をどうつけていますか」
参考資料→(私のブログ)「老いらくの恋と前頭連合野」
参考資料→(私のブログ)「ストレスが貯まる」
[ストレスが人を鍛える]
◎さらには、「日本は無菌保育室になっていないか」(私のブログ)の中で述べたのですが、ストレスが人を鍛える役割をもしている。だからストレスが少なすぎるのも考えものだ。ストレスの少なすぎは甘やかしである。
[大きすぎストレスは耐えきれない]
◎とはいえ、ストレスが大きすぎれば、多すぎれば、体が、心が、精神が、神経が耐えきれなくなってしまう。その結果、人を病気や、神経障害や、自殺へと追いやる。
[課長ザルと平社員ザル]
◎ここに興味深い実験結果(かなり昔のもの)がある。二匹の猿(一匹は課長の役割、もう一匹に平社員の役割を負わせる??)を実験する。課長ザルと平社員ザルを実験台の前に並べて座らせる。
[課長ザルだけが問題を解く]
◎そして、課長ザルだけに問題を解かせる。正解すれば、餌を両方に与え、不正解ならば、両方に弱い電流(ちくっと針で刺す程度)を流す。
[解けない問題を挟む]
◎所が、問題の中に、考えても正解を導けない罠(一か八かの当てもの式でしか答えようがない)問題を挟んでおく。
[問題が解けないと悩む]
◎人間ではもちろんですが、ニホンザルでも自分が解けるレベルの問題が解けないと悩む。反省するサルもいてることだし。そのような実験を何ヶ月か繰り返す。
[課長ザルの胃に潰瘍が]
◎そして、かわいそうなのですが、彼らを解剖して胃を調べる。そうすると、課長ザルの胃には潰瘍ができている。なのに、平社員ザルの胃は綺麗なもの。同じストレス(弱い電流)を受けても、結果が異なることをこの実験結果は示す。
[責任感が精神的ストレス]
◎つまり、弱い電流というストレスよりも、そのストレスを受ける原因が自分にあるという「責任感」が、つまり、問題を解けないことによる弱い電流というストレスを避けることができないという責任感(不甲斐なさ?)が精神的ストレスとなっていると考えられる。
[ザルは仲間への責任感]
ニホンザルは社会的動物なので、上下関係があり、彼らはそれを常に強く意識している。だから、他の仲間への責任感というものも生じてくる。例えば、敵が近づけば、群れを守るという責務を負う。
[平社員ザルに潰瘍ができない]
◎一方、課長ザルと同じストレス(弱い電流)を受けた平社員ザルに潰瘍ができなかったのはどうしてでしょうか。誰しも経験済みなので、もうおわかりだろうが。
[なるようにしかならないケセラセラ精神]
◎私も経験するのですが、リーダーとか責任者でなければ、精神的に本当に楽です。何かあっても、上司に回せばいいのですから。たぶん、あの平社員ザルも、なるようにしかならない(ケセラセラ精神)という達観、居直りの精神状態にあったのでしょう。
[責任感を限定]
◎課長ザルのような事態にならないためには、自分が背負える範囲内に、責任感を限定してゆく態度が必要ではないかと思う。必要以上に、責任を抱え込むと身動きが取れなくなる。
[責任範囲を切り分ける]
◎そのためには、常日頃から、周囲に宣言をしておく、話し合いをしておく、組織全体できちんと責任分担を決めておく必要があるのではないかと思う。責任を、パイを切り分けるように、それぞれの持ち分の責任範囲を切り分けておくことが必須ですよね。
[無責任体制を解消する手段]
◎逆にこれが、無責任体制を解消する手段でもある。例えば、役所のように誰が責任者かを明確にしないで、責任者を辿ってゆくと、途中でどんどん霞のようにかすんで来るという曖昧模糊体制もある。