真 夢人 日記

心理学、哲学、脳科学、宗教に関心があり、それらについて自分なりにまとめたものをこのブクロで発信していきます。

死者は灰になるだけでなく金にもなります

[遺灰貴金属ビジネス]
◎最近、「遺灰貴金属ビジネス「合法」その調査結果の意外な根拠:朝ズバッ!」(from:J-CAST テレビウォッチ/2009/01/13)という記事を読んだ。

公営火葬場の遺灰から回収された歯などの貴金属類。それらを遺族に知らせぬまま、売却し、年に数百万〜の収益をあげている
注)朝日新聞デジタル:遺体から皮膚や骨…闇取引 調査報道NPOが取材 - 社会
[遺灰をペンダントに練り込む]
◎先の記事のような、遺灰から貴金属を回収する露骨なビジネス(商行為)ではないが、遺灰をペンダントに練り込むとか、遺骨からダイアモンドを作るというビジネスもある。
[遺灰、宇宙葬に]
◎あるいは、「「スタートレック」創作者の夫妻の遺灰、宇宙葬に」(fromReuters/2009/01/27)というような、遺骨、遺灰を墓に埋葬しないという風習も徐々に市民権を得つつある。
[千の風になって]
◎この記事を読んで、私は「千の風になって」「千の風になって (秋川雅史)」(fromWikipedia)を思い出した。
[お墓に私はいません]
◎その歌詞の中でも、私は、「私のお墓の前で/泣かないでください/そこに私はいません/眠ってなんかいません」という部分にとても心惹かれる。「そうなんだよね」と相づちを打ちたくなる。
[死の心の準備]
◎私ももう還暦に到達した。そろそろ死の準備、少なくとも、心の準備をしなければと感じる。還暦という言葉がそうさせるのかもしれないが、体力の衰え、身体の衰えをいろんな機会に感じさせられる。
[伏流水]
◎私は、「千の風になって」が「紅白歌合戦」で二回も歌われるには、先で述べたような「伏流水」(fromWikipedia)があってのことだと思える。
[自然の中に帰りたいという本能的願い]
◎再び地上に出てくる水(伏流水)のように、人々の心の底を流れていた、余りにも人工化した文化への違和感が表面化し始めたのではないかとも思える。人類の(集合)無意識(ユングの用語)が持っている「自然の中に帰りたい」という本能的願いが再び地上に出て来たのではないか。
[墓には入りたくないな]
◎私個人の話に戻るが、私もできれば「墓には入りたくないな」と思っていた。そんな折に、「そこに私はいません/眠ってなんかいません」という歌詞に巡り会って、心強くした。決心が付いたといってもいいかもしれない。
[写真を飾って見て欲しい]
◎形式を重んじて、年に一回か二回墓参りしてくれるよりも、普段から写真か何かを飾って、機会があるごとに見て欲しいと思う。私自身のことでいえば、最早数年に一回ほどしか墓参りをしていない。
[身近なところにいるよと語りかけたい]
◎子供たちから遠く離れた墓に入れられるよりも、そして、そこにしか我々(妻と私)がいないとして、わざわざ足を運んで墓参りしてくれるよりも、身近なところにいつもいるよと語りかけたいなと願う。
[心(魂)を優先して欲しい]
◎更に、私は、肉体よりも心(本心では魂)を優先して欲しいし、自分でも優先したいと思っている。ので、肉体部分の名残りである遺骨や遺灰を大切にするのには抵抗がある。墓参りは肉体重視ともうつりかねない。
[お互いを差し出し合って循環]
◎人間も自然の一部なので、死ねば自然に帰して欲しい、と私は願う。人間を余りにも特別扱いにするのに違和感を覚える。自然はお互いを差し出し合うことによって循環し、成り立ち、永続する。
[自然を忘れてしまった]
◎人間は人間を特別視する余り、自然を忘れてしまった。そのツケが今や我々に津波のように、襲いかかろうとしている。そして、もう次から次へとその影響が現れ、我々を不安な気持ちに追い立てている。
[お金をかけるほど心が消え去る]
◎そんな意味からも、例えば、葬式に数百万円もかけることに、強い不快を感じる。お金をかければかけるほどに、心がそこから消え去るように見える。そんなわけで、せめて自分だけは質素にそっと旅たたせて欲しいと願う。
[死なせない今の医療に疑問]
◎また、なかなか死なせない今の医療の方向にも疑問を感じる。そのような思いから、私は「尊厳死」のカードを持とうと思った。が、そこの協会の趣旨に少々同意しかねたので、加入しなかった。
[無理矢理生きさせる治療]
◎そうであっても、やはり人工にまみれた、機械に無理矢理生きさせられているような治療は悲しい。そのような果てに来る病院死はゴメン被りたい。是が非でも「尊厳死」を望みたい。
[できるだけ自然でありたい]
◎私のこれらの考えや希望を総合すると、「できるだけ自然でありたい」という気持ちから来ているように思う。
[近年日本では自然葬を望む風潮]
◎そう言えば、昔は「鳥葬」(fromWikipedia)などの「自然葬」(fromWikipedia)も当たり前に行われていた。
「近年日本では自然葬を望む風潮が強くなってきているが、それは自然へ帰りたいという思いが増えている他にも、核家族化や少子化によりこれまでの家系を重んじた墓の管理体制が維持できなくなってきているなどの社会的な原因もあるようだ。」
[人類に忍び寄る気持ち]
◎これを読んで、「できるだけ自然でありたい」という気持ちは、私個人の思いだけではなく、人類にヒタヒタと忍び寄ってきている気持ちではないかと思えてきた。
[人類は自然からは遠く離れすぎ]
◎遺灰ビジネスの話から遠くに来てしまったが、私たち人類も、自然からは遠く離れてしまいすぎているのではないかと感じた一日であった。