真 夢人 日記

心理学、哲学、脳科学、宗教に関心があり、それらについて自分なりにまとめたものをこのブクロで発信していきます。

今回の北朝鮮のミサイル発射でかんじたこと

[ミサイルを発射]
◎前々から予告されていたことだが、北朝鮮が、2009/04/05に、「人工衛星」の打ち上げという名目で、長距離弾道ミサイルテポドン2」を発射した。これに関して感じたことを書きたい。
[お祭り騒ぎ]
◎まず、メディアに関して。この数日間、日本のメディアは蜂の巣をつついたかのように、あるいは、蟻の巣にカブトムシが進入したかのように、上や下への大騒ぎであった。一面だけを見れば、お祭り騒ぎを思い浮かべる。あたかも、はしゃいでいるかのようにさえ感じた。
参考資料→「騒ぎの表層、米軍や韓国軍の落ち着いた対応と、(支持率がすでにまともな体をなしていない)麻生太郎政権の対応など、表面的な「空騒ぎ」」
[国民は落ち着いていた]
◎役所やメディアに比べて、国民の方は意外に、落ち着いていたのではないか。というよりも、私に関していえば、役所やメディアの騒ぎっぷりを楽しんだ、観客席から。
[アメリカは日本に原子爆弾を2発]
◎外国からの兵器の打ち込みという点を歴史的視点からすれば、アメリカは日本に原子爆弾を2発も落下させている。それに対する抗議が、これほどの騒ぎで行われてはいない。
[ミサイル一本にこれほどの騒ぎ]
◎だのに、ミサイル一本にこれほどまでの騒ぎや抗議はどういう神経なのだろうか。私には、政府やメディアの空騒ぎが不自然にさえ感じられる。何か意図でもあるのだろうか。
参考資料→「「テポドン2号」は日本に何を残したか / SAFETY JAPAN [花岡 信昭氏]」from"日経BP社"
参考資料→「オバマに向けた北朝鮮の “物騒なラブコール” | 時評コラム」from"nikkei BPnet 〈日経BPネット〉"
[北朝鮮には吠えまくる]
原子爆弾を2発も落下させたアメリカに対しては、右に向けといえばいつまでも右を見続け、左を向けといわれれば左を見続ける日本が、北朝鮮にはこれほどまでに吠えまくる、息巻く。
[強すぎる相手、弱い相手]
◎私には、強すぎる相手には、殴られようと蹴られようと、バシリでも何でもするが、弱い相手と見れば、吠えまくる犬のような光景として目に映る。悲しい限りである。
[日本人の性質]
◎これが日本人の昔からの性質なのさ、といわれれば、そうだなとうなづかざるを得ない。が、この性質には寂しいモノがある。昔々、黒船が来た騒ぎを思い出してしまう。もちろん、実際に見聞したわけではないが。
[合意なく散会]
◎ミサイル発射を受けて、国連安全保障理事会は5日午後、日本の要請によって非公開の緊急会合を開いた。ただし各国の立場の相違が浮き彫りになったもようで、合意を見ることもなく散会した。なんだか、町内会の寄り合いを想像してしまう。
[大騒ぎは日本一国だけ]
◎これなどを見て感じるのは、大騒ぎしているのは、日本一国だけなのではないのかとの印象だ。出来事の世界にとっての重大度を認識できているのかと、鼎の軽重を問われかねない。
参考資料→「アメリカの対外政策における北朝鮮問題の優先順位は高くなく、アメリカのメディアのこの問題に対する関心も、アフガンやイラン問題に比べればはるかに低い。」
[仲間を募れなかった政府]
◎仲間を募ることができなかった政府は、ということで、5日、ミサイル発射を強行した北朝鮮に対する追加制裁を単独でも行う方針を固めた。
[追加制裁効果は限定的]
◎が、この追加制裁については、「既に輸入全面禁止などを実施しており、効果は限定的」だとの見方が官僚の中でも強くある。日本との貿易は北朝鮮とっては微々たるモノなのだろう。空見得である。
[アメリカに頼って宣言]
◎そこで日本は、米国と足並みをそろえて、「核兵器の運搬手段になりうるミサイル技術を使う以上、衛星打ち上げであっても明白な決議違反」と、またまたアメリカに頼って、宣言した。
[核抑止論]
◎それでも強行するのは、北朝鮮イスラエル、インド、パキスタンなどの国が、核戦略が自国の安全保障につながるという「核抑止論」が有効だと信じているからだ。それをもはやアメリカや世界は止められない。
[主義主張は尻尾を巻いて引き下がる]
アメリカはインドには承認さえしている。これは思想よりも経済を優先させるからである。アメリカの経済にとって、有利となれば、主義主張は尻尾を巻いて引き下がる。
[核兵器を視野に入れて]
◎などなどのことを考えてゆくと、ミサイルよりも何百倍も、何千倍も、何万倍も恐ろしい核兵器を視野に入れて、今回の出来事を見ていくべきだろう。
[北朝鮮にだけ焦点を当てすぎ]
北朝鮮は日本にとって近い国であり、生々しい恐怖感があるせいなのだろうが、北朝鮮にだけ焦点を当てすぎるのではないか。日本には、いかに世界という視野でものを見る大国意識が欠如しているかを物語る。
[騒ぐほど立場が逆転]
◎逆に、北朝鮮はそれを高みの見物しているかも知れない。となれば、逆効果以外の何ものでもない。北朝鮮に日本の実情を知らせているようなモノである。騒げば騒ぐほど、立場が見事に逆転する。
[メディアは視野狭窄]
◎そういう点では、メディアは視野狭窄に陥っているかに見える。日本から世界を見るという視点ではなく、世界から日本を眺めるという位置づけもほしい。今回のミサイル発射を、歴史的な視点とか、世界的な視野での位置づけをきちんとする態度がほしい。