真 夢人 日記

心理学、哲学、脳科学、宗教に関心があり、それらについて自分なりにまとめたものをこのブクロで発信していきます。

一太郎は老いて消えゆくのであろうか

[ジャストシステムが業務提携]
◎今月(2009/04)3日、センサー大手のキーエンスが、一時代を築いたワープロソフト「一太郎」を製作するソフト開発会社「ジャストシステム」と、資本ならびに業務提携すると発表した。私にとっては、大きな驚きだった。でも、内心やっぱりなといううなづきもあった。
[連続で最終赤字を見込む]
ジャストシステムは4期連続で最終赤字を見込むなど業績は超低空飛行であった。キーエンスはジャストの増資を引き受けてそこの筆頭株主となる。
[キーエンスが販売支援と共同開発]
キーエンスは、ソフト販売の支援と、共同での商品開発などを進める方針だそうだ。多分お互いにメリットがあったから提携に踏み切ったのだろう。
[株式の約44%を取得]
キーエンスはジャスト株式の約44%を取得して、取締役3人を派遣する。が、ジャストの浮川和宣社長は続投する。いずれ社名「ジャストシステム」は消えてゆくのではないだろうか。
[ジャストシステムの閉鎖的社風]
◎私は、「ジャストシステム」の閉鎖的な社風が気がかりだった。浮川社長にとっては、「ジャストシステム」は自分が設立した会社だということでワンマン的だったのではないだろうか。あくまで想像だが。
参考資料→「ジャストシステム、浮川社長が退任 - 常務の福良氏が新社長に:経営」=from"マイコミジャーナル"

ジャストシステムは、創業者で現在社長を務める浮川和宣(うきがわかずのり)氏が代表取締役会長に退き、現常務取締役の福良伴昭(ふくらともあき)氏を社長とする人事を発表。浮川氏の妻で現在代表取締役専務の浮川初子氏は、取締役副会長になる
[辞書辞典を育てる]
◎私は以前(2008/05/07)に「辞書辞典を育てる」というブログ記事を書いた。その中で次のようなことを言った。
MS-IME に比べて、ジャストシステム社のATOKは、特に、「書き屋」にとって最善の道具だそうである。
◎同社の「一太郎」は、「ワード」にこてんぱんに打ちのめされてもはや瀕死の状態だろう。でもというか、だからというか、ジャストシステム社はATOKを最重要製品という位置づけで頑張って欲しいものである。
◎もしATOKがこけると、日本人にさんざんな不評を買っている、MS-IMEしか残らないという事態も有り得る。
◎パソコンやケータイで文書を作成するのが当たり前の現代、これは日本の言語を崩壊させかねない一大事である。文部科学省に、日本語を愛する気持ちがあるならば、ATOKを盛り上げて、日本語の言葉を大切にする、使いやすくするATOK保護政策を取って欲しいものである。
[下書き機能]
◎また、「「はてな」の「下書き機能」は有り難い」という記事も書いた。その中で次のようなことを書いた。
◎「ATOK2005」をいまだに使っているが、辞書には学習機能があるので、私が使えば使うほど、彼は日々成長続けるわけだから、「2005」でも不満はない。
[ATOKを購入しない]
◎「ATOK保護政策を取って欲しい」と願う私自身が、もはや「ATOK」を購入していない。言行不一致の典型である。
[Social IME]
◎ところで、と逃げておく。「Social IME 〜 みんなで育てる日本語入力 〜 」「“ユーザーが育てる”日本語入力ソフト - ビジネスABC」という記事やサイトがある。
[Wikipedia"の辞書版]
◎「Social IME」は、ある意味"Wikipedia"の辞書版である。辞書に単語をどんどんみんなで寄ってたかって登録してゆく。まだまだこれからの辞書という感じではあるが、将来の成長が楽しみである。
[英辞郎]
◎この英語版が、「英辞郎」である。私もこの辞書を愛用している。これも英単語や例文などをみんなで寄ってたかって登録してゆく。日々新語などが増殖してゆく。これを使うと、用例に関しては、他の辞書は量的にも新鮮さにおいてももはや及ばないだろう。
[オープンソース]
◎「オープンソース」という用語は、主にプログラムに関して使われるが、思想的には、「Social IME」や「英辞郎」も同じである。もうこの方式が主流になる時代なのだ。
[Writer]
◎「一太郎」を買うのをやめた後、私は無料のソフト"Writer"(OpenOffice.org)をインストールした。最初はとても使いづらく、こんなものを使いこなせるのだろうかと心配した。とにかく機能が豊富すぎるのだ。しかも使い方が難しい。
[すごいぞと感心]
◎しかし、最近では、いろいろな機能を試してみる内に、だんだん使いこなせるようになり、これはすごいぞと感心した。こんなこともできるんだ、という発見がたくさんある。
[一太郎が売れるわけはない]
◎これほどすごいものが、「只」なんだから、「一太郎」が売れるわけはないなと実感した。そうな印象を持ったところに、最初に紹介した、ジャストシステムキーエンスと業務提携との発表があった。
[戦後日本にとって象徴的出来事]
◎私にとってと言うか、日本の戦後成長期を共に歩んだ、「一太郎」の老いたる姿をかいま見たような気がした。私にとっても、戦後日本にとっても、象徴的な出来事かも知れない。