真 夢人 日記

心理学、哲学、脳科学、宗教に関心があり、それらについて自分なりにまとめたものをこのブクロで発信していきます。

証拠品改ざんと信頼の無限後退

「押収資料改ざん事件」
◎今社会を騒がせる「大阪地検特捜部の押収資料改ざん事件」は、警察、検察、裁判などの権力側に、今後甚大なる悪影響を及ぼすだろうと感じられる。
「過去の時代を思い出させる」
◎そうでなくても、無実の人間を罪に落とし入れようとした恐ろしさは、過去の時代を思い出させて、背筋が寒くなる。私は、両親や妻の両親や親戚などからもいろいろと聞かされてきたので、実感として恐ろしさが込み上げてくる。
足利事件
「足利事件」(=from"Wikipedia")では、菅家さんと、「遺留物のDNA型が一致しないことが2009年5月の再鑑定により判明し」、再審で無罪となった。これも完全なる冤罪事件である。この場合は証拠品が冤罪を証明した。
「改革(民主化、透明化など)の要求」
◎これらの一連のことを見渡すと、時代は、検察・警察・裁判の大きな変革、改革(民主化、透明化など)を要求しているのではないかと思わざるをえない。
参考資料⇒「警部補らの告訴状提出「取り調べで暴言、暴行」」(2010/10/08)=from"47NEWS"
地震の発生機序」
◎ある組織に、時代とのきしみが大きくなりすぎると、突然大きな一連の事件が起こり、改革を要求するのではないか。私はそれに関して地震の発生機序を思い浮かべる。
「時代に追いつく」
◎時代とある組織との齟齬(そご)や乖離が、徐々に大きくなって、もはや支え切れない、耐え切れない段階になると、一気に一連の大きな出来事(地震)が発生して、時代に追いつくのではないか。
参考資料⇒「時代精神」=from"Wikipedia"
「環境との齟齬や乖離が大きすぎ」
◎これは、今まで、組織内の内々のことで済まされていた出来事が、時代・環境との齟齬や乖離が大きすぎて、内部でささえきれずに、一気にマグマが噴出したともみなせるのではないか。
「社会を見ていく視点」
◎そんな思いで、社会を見ていくのも面白い。例えば、少し前には、食品業界に数々の事件が発生し、その結果、さまざまな民主化が食品業界にも行政機関(「消費者庁」=from"Wikipedia"など)にも持ち込まれた。
「時代の主題、課題、要請」
◎このような視点で社会を見ていくと、その時々の時代の「主題、課題、要請」などが見えてくるような気がする。単なる気のせいであろうか。人間も年々で、自分に課せられた「主題、課題、要請」があるように思える。
「信用と信頼」
◎ということで、今日は、「大阪地検特捜部の押収資料改ざん事件」を取り上げたい。その内でも、特に、「信用」とか「信頼」とかに関して述べてみたい。
「信用を信頼しますか」
◎私は以前(2006/10/20)このブログで「信用を信頼しますか」という記事を書いた。長いがそこから引用する。
「信用力・保証力」
◎「メモ用紙に手書きの"1万円"と、造幣局印刷の"1万円"札との差は何だろう」。「この差は"信用力"の差である。"保証力"の差である」。
「同じ価値で人から人へと評価」
◎「手書きメモ用紙の"1万円"を受け取っても次ぎに"1万円"として使えないが、造幣局印刷の"1万円"札は、次にも"1万円"として通用する。"1万円"は、同じ価値で人から人へと評価されてゆく」。評価が共有されている。
「権力、権威、後ろ盾」
◎「造幣局印刷の"1万円"札を印刷するのに、数百円しかかからないだろう。その、数百円しかかかっていない、"1万円"札を、1万円として通用させる力が"権力"であり、"権威"であり、"後ろ盾"である」。
「築かれた信用の上に立って仕事」
◎「もうすでに築かれている信用の上に立って仕事をする人と、今から築き上げるべく信用作りをしながら仕事をしている人の差は実に大きい。土台が完成してその上に建て増そうとする人と、今から土台作りに励む人との差である」。
「肯定・否定・疑問」
◎4段に渡って引用したが、「土台」という点で、「肯定・否定・疑問」を考えると、「肯定」は土台作り成立である。その土台を元に上へと積み上げる。「否定」は現にある土台の破壊である。「疑問」は土台の点検である。
「あった信用が壊れた場合」
◎なかった信用は今から作り出すだけでよい(これとてとても大変な作業である)が、あった信用が壊れた場合には、単に「今から信用を作り出すだけ」ではない。
「ガラクタを取り除く作業から」
◎建設前に、壊れたガラクタを取り除く作業からはじめなければならない。作り出す以前の甚大なる作業が待っている。それは下手をすると「無限後退」に陥るからだ。
「証拠品は土台・信頼(信用)」
◎警察、検察、裁判においては、「証拠品」は「土台」「信頼(信用)」である。裁判においては、「証拠(品)」を巡って、「肯定・否定・疑問」が展開される。
「改ざんは信頼(信用)の崩壊」
◎「証拠品(自供も含めて)」が中心に位置すると言ってもいいくらいである。捕まえる側が「証拠品」をねつ造・偽造・改ざんしたのでは、「土台」「信頼(信用)」の崩壊である。
参考資料⇒「朝鮮総連事件:前田検事を告発 緒方被告、偽証容疑で」=from"毎日jp - 毎日新聞のニュース"
「床が突然開いて奈落の底に」
◎例えて言えば、自分が立っていた床が突然開いて奈落の底に真っ逆さまに落ちいく心境である。これからは、警察、検察、裁判は、任務を果たして行くのが本当に苦しくなるだろう。
「疑問・否定を突きつけられる」
◎「証拠品」を提示しても、それに対して、「疑問」や「否定」を常に突きつけられる可能性が出てきてしまったのだから。
「補強する証拠を提示」
◎そうすると、「証拠品」を補強する証拠を提示しなければならない。すると、その「補強証拠」の信頼性が問われてしまう。
無限後退
◎そうなれば、「補強証拠」を補強するための「補強証拠」を提示しなければならなくなる。このように、延々と「無限後退」に陥ってしまう。
「暗黙の信頼・信用があった」
◎今までは、「証拠品」に対する暗黙の信頼・信用があったので、「補強証拠提示」のようなことがなかったし、する必要もなかったし、たとえしてもその要求は通らなかっただろう。
「神話を崩れ去らせた事件」
◎今回の「検事による証拠品改ざん事件」は、今までの「証拠品」は「神聖なもの」という神話をガラガラと崩れ去させた事件である。と考えると、この事件の影響は極めて甚大であると言えそうだ。