真 夢人 日記

心理学、哲学、脳科学、宗教に関心があり、それらについて自分なりにまとめたものをこのブクロで発信していきます。

日本の最重要事項が外交となった日

「漁船と巡視船との衝突事件」
◎2010年9月7日に尖閣諸島沖で起きた「中国のトロール漁船と海上保安庁の巡視船との衝突事件」を見て、中国は積極的に「覇権主義」に向かうのかと、恐怖に近い不安が胸をよぎった。
「覇権を唱えない」
◎ところが、中国側の立場を表明するかのように、「温家宝首相、「中国は開放に有利な政策を堅持」」という記事が、"中国国際放送局"から発表された。それは次のように言う。

中国の温家宝首相は2010-09-30に、「中国は平和発展という方針を堅持し、中国の発展は如何なる国家の利益も損ねず、如何なる相手の脅威にもならない。中国は強国になっても覇権を唱えない」と改めて訴えました。
「外国からの思わぬ強い反応」
◎これは、「尖閣諸島沖の漁船衝突事件」での、中国の対応に対する、外国からの思わぬ強い反応を気遣って、急きょ、「中国は強国になっても覇権を唱えない」と述べたのだろうと思われる。
「なぜ漁船衝突事件を起こしたか」
◎では、なぜ今回、中国は日本に対して、「漁船衝突事件」を起こしたのだろう。そして、なぜこれほどまでに強硬な姿勢(態度)を取り続けるのだろうか。
「内憂を外患に置き換える」
◎まず、私が思ったのは、外に敵を作ることによって内へ向かう目を外らせるという、内憂を外患に置き換える、国内の不満を、外国に敵を作り出して、そちらに向かわせる為ではないかと。
参考資料⇒「「尖閣問題」の歴史を知らない民主党の罪」=from"nikkei BPnet 〈日経BPネット〉"。このコラムを読んで中国の態度が納得できた。さすがは博識の大前研一氏である。
「周到に準備」
◎中国は、今回の事件を起こす前に、かなり周到に準備をしていたのではないかと思わせる。事件を有利に終わらせる手はずは整えたようだ。
日中共同声明
◎所で、胡錦濤中華人民共和国主席は、2008年5月7日に、日本政府の招待に応じ、国賓として日本を公式訪問し「「戦略的互恵関係」の包括的推進に関する日中共同声明」=from"外務省"を出している。
「単なる目眩ましか」
◎これはいったい何だったのだろうか。日本に向けた単なる目眩ましに過ぎなかったのだろうか。中国はこの関係をかなぐり捨てたのは、GNPで日本を追い越した、世界2位の座についたという優越的な意識が強く働いたからか。
「ロシアと手を結んだ中国」
◎中国が打った手は、日本にとって目の上のたんこぶである北方領土で、日本と対立するロシアと手を結んだことだ。「中露首脳会談:戦後65年で共同声明 「日本の中国侵入」言及、尖閣・北方で連携」=from"毎日jp(毎日新聞)"
「ロシアとは対立関係にある」
◎中国とてロシアとは国境を接しいざこざが発生しているので、ロシアとは対立関係にあるはずである。しかし、それでもなおかつロシアと手を組んだということは、目先の目的のために、長期戦のロシアとは一時休戦協定を結んだということであろう。
薩長同盟
◎あるいは、共同の敵である幕府に対抗するために敵同士である薩摩と長州が結んだ薩長同盟のように、日本との領土問題に対して、共通する問題を持つ中国とロシアとが同盟を結んだのかも知れない。
「オーストラリアとも手を結んだ」
◎中国は2010-09-17に、オーストラリアとも手を結んだ。これは「衝突事件」で、オーストラリアを敵に回さないために、手を打ったのだろう。
参考資料⇒「温首相、ギラード豪首相と電話会談」=from"中国国際放送局"
「台湾とも手を結ぶかも」
◎そうなれば、中国は長年の敵である台湾とも一時的に手を結ぶかも知れない。「沖縄尖閣諸島の周辺海域に14日未明、台湾の尖閣諸島領有権を主張する同国活動家2人を乗せた抗議船が現れた」そうである。
参考資料⇒「台湾漁船、尖閣で抗議活動 領海には入らず」=from"MSN産経ニュース"
「日本の周辺諸国と手を結ぶ中国」
◎このように、中国は、日本の周辺諸国と手を結ぶことによって、日本を孤立化へ追い込んで、積極的に攻撃を仕掛けてくるのだろう。戦争前の常套手段である。
参考資料⇒「尖閣問題の処理で日本孤立化」=from"イザ!"
「日本を孤立化に追い込む」
◎では、なぜ日本を孤立化に追い込んで攻撃を仕掛けてくるのだろうか。まず考えられるのが、日本は強いものに対して徹底的に下手に出て、嵐が收まるのを待つ外交戦術を取るからである。良い言い方をすれば、争いを好まない。
「苦痛から逃げない犬」
◎私は以前(2008/10/21)、「日本人は苦痛から逃げない犬」という記事を書いた。そこから引用。
檻に入れられた犬に軽い電気ショックを与える。その時、入り口が開かないようにしておく。その結果、犬はそのショックから逃げるすべがなくなる。それを繰り返すと、犬はそのショックから逃げようとはしなくなる。最初は、暴れたり、檻に体当たりしていたのに、次第にショック後も身じろぎしなくなる。そうなった後で、犬にもはっきり分かるように、ドアを開けておきながら、電気ショックを与える。犬はドアが開いているのを知っていながらも、もはや逃げようとはしない。
「鎮まるのをだだ持つ日本」
◎日本の態度は、「苦痛から逃げない犬」のように、電気ショック(相手の怒り)が鎮まるのをだだ持つという風に見える。安易に船長を釈放してしまったことからもそれが伺える。
「領有権争いを繰り広げる」
◎所で、南シナ海では、南沙諸島をめぐって中国とベトナム、台湾、マレーシア、フィリピン、ブルネイが領有権争いを繰り広げている。
「積極的に同盟関係を結べ」
◎日本は、中国に対抗するために、中国と対向する、ベトナム、台湾、マレーシア、フィリピン、ブルネイなどと、積極的に同盟関係を結んでいくという手もあるのではないか。
「屈服も妥協もしない中国」
◎中国の温家宝首相は9月23日、国連総会での演説の中で、国家主権や領土保全について「屈服も妥協もしない」と語っている。となれば、これからも何かにつけて強気に出て来るだろう。
「中国は一方的に得をしていない」
◎だが、今回の件で、中国が一方的に得をしたわけではない。今回の事件で、諸外国は、中国をやっぱり覇権主義の国だとの印象を受けだだろうと思われる。
参考資料⇒「中国が暗黙に示してしまった「チャイナリスク」」=from"日経ビジネスオンライン"
「損をするのはむしろ中国」
◎さらに、このような見方をする人もいる。「「レアアース輸出禁止」で損をするのはむしろ中国である」=from"The Wall Street Journal, Japan Online Edition - WSJ.com"という記事から引用。
最近、中国の対外強硬姿勢が目立つが、今回の事件は、普天間基地問題の迷走で、日米安全保障条約の根幹が揺らいでいないかを「テスト」する意味合いもあったのであろう。
「反応を見る社会実験」
◎さらには、中国が強硬手段を取ると、日本や諸外国はどういう反応を見せるかの、社会実験だったのかも知れない。特にアメリカの出方(日本を取るか中国を取るか)を見たかったのかも知れない。