真 夢人 日記

心理学、哲学、脳科学、宗教に関心があり、それらについて自分なりにまとめたものをこのブクロで発信していきます。

明治維新と第2次世界大戦敗戦と数々の組織改革との因果関係

「武士階級(藩)による権力争い」
NHK大河ドラマ龍馬伝」を見ていて思うのは、「明治維新」は、下級武士が多く活躍したとはいえども、やはり依然として、武士階級(藩)による権力争いという面もあるということである。
幕藩体制の崩壊」
◎「明治維新」によって、江戸時代の「幕藩体制」が崩壊した。その幕藩体制とは、

江戸幕府を全ての武士の頂点とし、最高の統治機関としながらも、各大名がそれぞれの領地においてある程度独立した統治機構(藩)
「全国統一の呪縛」
◎所で、私は以前(2006/11/16)「全国統一の呪縛はいつまで続く」という記事を書いた。そこでの表現を使いながら、ある程度独立した形の全国統一への道筋を手短に述べる。
「戦国時代」
室町時代は、指導権争い、家督相続争いなどで、上層部、支配層がまことに不安定であった。明応の政変(クーデター)によってその不安定な幕府体制(中央政権)が崩壊して"戦国時代"に突入した。
織田信長豊臣秀吉
◎その戦国時代から、独立勢力を次々に叩きつぶし全国を廃墟にしたのが織田信長である。そこへ、矢継ぎ早に、全国統一的制度を持ち込んだのが豊臣秀吉である。
徳川家康
◎だから、軍事的に統一したのは、織田信長で、制度的に統一したのは豊臣秀吉で、その制度を持続させたのが徳川家康である。
「潘が半独立」
◎しかし、この全国統一は上に述べたように、完全な統一というよりは、潘が半独立した、アメリカの州のような潘連合国のような感じであった。
「藩による権力争いの再来」
◎この結果、黒船来襲以降、国内は再び、徳川幕府を含めた藩による権力争いの様相を呈し始めた。それを憂いて統一へと駒を進めようとしたのが坂本竜馬である。
「大政の奉還」
◎彼は、そのような誰が権力を持つかという権力争いを避けるために、最大権力者といえる将軍徳川慶善に朝廷へ大政を奉還させる方向を模索した。つまり、どの潘にも権力を持たせない政治体制を。
「中央集権的統一国家体制」
◎これによって、政治権力を再び手に入れた天皇を頂点とする、実(じつ)を伴った中央集権的統一国家体制が成立し、新しい時代が幕を開けた。
「近代化=西洋化」
◎このようにして、日本は、「近代化」への道を歩み出した。実のところ、近代化とは、実際には、西洋の、知識、制度、技術などを導入する、「西洋化」であった。
「欧米列強と肩をならべる国家づくり」
◎かくて、明治政府は、1854年の黒船来襲以来、恐れおののいた欧米列強と肩をならべる国家を築きあげることを、最大の目標とした。
「能力本位で人材を抜擢」
◎所で、幕末動乱期に、なぜ薩摩藩長州藩はあれほど活躍できたのだろうか。それは旧来の身分制をゆるめて、身分・家柄にとらわれず、実力・能力本位で人材を抜擢したからである。余談だが、残念なことに、日本の会社や組織はこれができないので成長へと向かわない。
「活躍する人々がぞくぞく誕生」
◎このように、広く皆の意見を聞いて藩の方針を決めようとした。では、なぜ、あれほどに活躍する人々が誕生したのだろうか。
「吉田松蔭による松下村塾
◎それは、吉田松蔭によるところが極めて大きい。彼が萩の自宅で開校した松下村塾は、武士や町民など身分の隔てなく塾生を受け入れた。塾生には、高杉晋作伊藤博文山県有朋などがいる。
「数々の伏線が用意」
◎このように、「明治維新」完成までには、数々の伏線が用意されていた。それらの内一つでも欠けていれば、「明治維新」成就に至らなかったかも知れない。
「第2次世界大戦敗戦後」
◎話を大きく飛ばせて、第2次世界大戦敗戦後、日本は、再び、「近代化」への道を歩み出した。上で述べたが、近代化とは、またしても西洋化であった。
明治維新の再来」
◎つまり、第2次世界大戦敗戦は、「明治維新」の再来ともいえる。明治維新へは、主に武士階級が主導した。もしかすれば、武士階級主導であったが故に、何度も戦争へと突き進んだのかも知れない。
注)「明治維新ですが、僕の私見ですが、維新はまだ完了していない。日本の社会のあらゆる階層の組織のあり方や、意識のあり方は未だ幕藩体制です。「自由で自立した市民」と言う概念が民主主義の基本的国民像なのですが、「不自由で誰かに隷属した市民」が日本人の国際的イメージでもあります。真の民主主義を誕生せしめるに至らなかったことが、明治維新がまだ完了していない、と僕が述べる理由です」引用from「BIGLOBEなんでも相談室」
「国民主体の国づくり」
◎それに対して、敗戦によって、全体主義的思想は完全一掃されて、国民(一般市民)が主体となった国づくりへと向かった。中心思想は民主主義である。
「中央集権体制の残存」
◎しかし、それであっても、明治政府によって形成された中央集権的統一国家体制が、敗戦以降も、依然として残されたままであった。
「お上意識が抜けていない」
◎この明治時代から残っていた、中央に集権した政治権力を、国民の上に位置すると見る「お上意識」が依然として国民から抜けていなかった。そのような事情から、自民党政府を「お上」と見る意識が自民党に長期独裁を許した。
民主党がそれらを崩壊へ」
◎それを崩したのが民主党であった。もちろん、その伏線として、社会党が存在した。でも、万年野党根性に飽き足らない気持ちが政権奪還を目指す政党(民主党)へと最終的に脱皮した。
「国民を代表・代弁する政党」
民主党は、権益を持つものを擁護する政党に変質してしまった自民党に代わって、国民を代表、代弁する正真正銘の政党だとみなされた(事実かどうかは別として)。
注)このように見ると、一回で完成された形を望むのは、余りにも欲張りすぎるのだろう。どんなに素晴らしい革命もやはり、不完全な形に終わるものなのだろう。
「小沢氏が嫌われるのは」
◎そのような期待から国民は政権交代民主党にプレゼントした。それなのに、民主党の中心人物小沢氏が嫌われるのは、国民を代表・代弁する政治家と見えないからだ。
「非民主的組織が次々と問題を起こす」
◎そして、ここ十年くらいまえから、国民を代表・代弁していない非民主的組織(民間企業も含めて)が、次々と問題を起こして、改革を迫られ続けている、小沢氏も含めて。
「検事による証拠品改ざん事件」
◎そのような流れから見ると、今回の検察内の検事による証拠品改ざん事件も、社会が、時代精神がもたらした、改革を促すシグナルではなかったのかと思える。