真 夢人 日記

心理学、哲学、脳科学、宗教に関心があり、それらについて自分なりにまとめたものをこのブクロで発信していきます。

中国のノーベル平和賞受賞から思うこと

「中国が話題に上る」
◎最近何かにつけて中国が話題に上る。例えば、日本国中が大騒ぎした、「中国漁船・尖閣領海内接触:中国人船長、釈放決定「日中関係考慮」処分保留で帰国へ」[=from"毎日jp(毎日新聞)"]のように。
ノーベル平和賞
◎そこへさらなる話題が提供された。それは、"毎日jp"が「ノーベル平和賞:中国の劉暁波氏に…服役中の民主活動家」(2010/10/09)と題する記事中で、「中国の民主活動家で作家の劉暁波氏(54)に10年ノーベル平和賞を授与すると発表した」と報じている。
「中国が世界の中心へと飛躍」
◎これらは、世界中で大きな話題となったが、それは中国が世界の中心へと飛躍したからでもある。中国にとっては、それは嬉しいとともに警戒心が一層強まる状況に入ったということである。
「氏がなぜ服役中なのか」
◎そこで、今日は、ノーベル平和賞受賞者の民主活動家「劉暁波」氏がなぜ服役中なのか、なぜ中国は覇権主義的行動をとるのかについて思ったことを述べてみたい。
共産党一党独裁的国家体制」
◎中国は、ご存知のように、「共産党一党独裁」的国家体制を取っている。所で、共産主義(諸国)の末路は、ソ連(ロシア)や東欧の共産主義の崩壊の経路を見れば明らかだろう。とすれば、中国の警戒心もうなずける。
注)「ソビエト連邦」(from"Wikipedia")は、「世界初の社会主義国で、ソビエト連邦共産党一党独裁国家であるが、同時に軍事大国としても有名であり、第二次世界大戦後にはアメリカ合衆国と双璧を成す超大国であった。1991年末に解体され、構成国は独立した」という結末を迎えた。
ソ連をなぞるように後追い」
◎私には、中国が、いろんな意味で、「ソビエト連邦」を、好むと好まざるとに関わらず、なぞるように後追いしているように感じる。つまり、「ソビエト連邦」が中国にとって手本的存在であった。
「パンのみにて生くるにあらず」
◎でも、ソ連は崩壊してしまった。崩壊の理由は、キリストの言葉、「人はパンのみにて生くるにあらず」「(人は物質的な満足だけを目的として生きるものではなく、精神的な満足を得るためにこそ生きるべきである)」=from"ことわざデータバンク"で言い表せられるように思う。
「欲求階層説と個人と国家」
◎それに関連させて述べると、私は以前(2007/05/09)、「欲求階層説と個人と国家」という記事を書いた。そこから引用する。

その欲求階層は、低い段階から、1)生理的欲求→2)安全欲求→3)社会的欲求→4)自我の欲求→5)自己実現欲求と、順次高い段階へと上昇する。
「より高い精神的満足を求める」
◎人は、他の動物と違って、パンを求める段階を味わい尽くすと、欲求は、次のより高い精神的満足を求める段階へと上昇する。共産主義はパンの問題は解決できても精神的満足には答えを持ち合わせない。
民主化という形で外化」
◎所が、登る階段を閉ざされると、欲求不満が潮が満ちるように溢れてくる。その心の中にある「欲求不満」は、社会に向けては、政治体制として「民主化」という形で、外化しようとする。それをWikipediaから引用する。
民主化は本質的に人々が自分自身を統治するという新しい政体の導入であり、後者の画期性は本格的な代議制の導入
一党独裁体制をとったから崩壊」
◎つまり、ソ連などは国家体制が共産主義だから崩壊したという以上に、一党独裁体制をとったから崩壊したと考えられる。「自我の欲求」とは自分を自分自身で律する欲求である。
共産主義の弱点」
◎私は以前(2010/08/21)「依存から自立へだけではうまくいかない自律分散」という記事を書いた。そこから引用する。
共産主義の弱点は、強い中央集権体制を持たねばならないことである。それは、各要素(国民)を無力な依存関係に置くことになりがちである。日本の中央政府地方自治体との関係のように。日本はそういう意味ではかなりの社会主義国である。
「様々な政治体制(思想)を許せば」
◎しかし、ひとつの主義「共産主義」を堅持するためには一党(共産党)独裁体制を是が非でもとらなければならない。民主化によって様々な政治体制(思想)を許せば、共産主義を実践できない。
民主化活動家の弾圧」
◎逆から言えば、民主主義(民主化)を受け入れれば、共産党一党独裁の継続は不可能になる。となれば、取れる手段は、「民主化」活動(家)の弾圧のみである。
「勝つか負けるかの覇権的関係」
◎だが、それをすれば、民主国家からは批難されるし、実際に批難され続けてきた。そうすると、中国は、諸外国(特に民主国家)とは友好的関係を結ばず(否結べず)、勝つか負けるかの覇権的関係で臨むほかない。「民主化活動(家)の弾圧のみである」の外交的拡大版である。
「中国の孤立化」
◎となれば、中国の「孤立化」(一党独裁の国際的拡大版)が待っている。以前の米ソの冷戦時代が、中国と民主国家群との間で形成される懸念もある。
「諸外国の腰の引けた反応」
◎しかし、今回のノーベル平和賞受賞に対する諸外国の腰の引けた反応に見られるように、覇権主義をとる中国からの経済的反撃を恐れて、強い攻撃には出られないのが現状である、反中国の中心国アメリカでさえ強気にはもはや出られないでいる。
「経済一辺倒では」
◎しかし、中国が、このまま経済一辺倒では、もし景気の長期下降入りすれば、ソビエト連邦共和国が経験したように、国家統一の瓦解が待っているだろう。瓦解は国内においても、モンゴルなど多民族周辺諸国との関係においても。
「統制力が弱体化」
◎そのことに関して、"Yahoo!知恵袋"の「ソ連とロシアの違いを簡単に説明してほしい」から引用する。
現ロシアとその周辺民族共和国をきびしく統制した時代がソビエト連邦共和国です。そして、ゴルバチョフ政権になって、計画経済の矛盾を是正するためにペレストロイカ(改革)・グラスノスチ(情報公開)を推進すると共に、民族共和国の共産党離脱により、モスクワの統制力が弱体化し、1990年の冷戦崩壊で、ソ連の崩壊と民族共和国の独立で、現在のロシアになりました
覇権主義的外交姿勢は変わらない」
ソ連がしたように、弾圧的な強力な政治的統制力を行使し続けていかないならば、あるいは経済低迷が到来すれば、中国の現状の国家体制は崩壊するだろう。となれば、これからも経済最優先の覇権主義的な外交姿勢は変わらないと見なければならない。