真 夢人 日記

心理学、哲学、脳科学、宗教に関心があり、それらについて自分なりにまとめたものをこのブクロで発信していきます。

目標設定教育をすべき時代である

「目標設定教育」
◎きょうのテーマ(主題)に、「目標設定教育」という言葉を使ったが、これを見られた方は、愛国教育のような、国から個人への押し付け的指導を感じられたかも知れない。
「無為に時間を過ごす」
◎そのような誤解を生むかもしれないのに、なぜこの提案をするかといえば、今の若者は、目標や課題を見いだせないで、無為に時間を過ごしていると見える姿を頻繁に見聞きするからである。
「親の跡を継ぐという目標」
◎一昔前(昭和時代)までは、「親の跡を継ぐ」という目標が、親から社会から無言(時には大声)の圧力で与えられることが多かった。
発展途上国の人々には目標ははっきり」
◎また、発展途上国の人々には、目標ははっきりしている。以前の日本もそうであったが、先進諸国が見本であり手本である。
「意欲的で活き活き」
◎だから、そのような国の人達は、実に意欲的で活き活きしている。上に立つ日本の高齢者から、発展途上国の人々の強い意欲に対して、苛立を交えた賞讃が投げかけられる。
「先進諸国は手本を持たない」
発展途上国に引きかえ、先進諸国は、手本を持っていない。マラソンでは、先頭は、時間やエネルギー配分を自分で考えながら計算しながら走らねばならず、精神的(脳的)疲労も背負わなければならず不利である。
「ついてゆく走り方は楽」
◎先頭集団に交じってそれについてゆく走り方が気分的に精神的に楽である。政治世界で言えば、与党は国を動かさねばならないが、野党は与党批判をしていれば済むので、課題や目標設定は楽である。
「目標を持ちづらい」
◎このように、前を行く者、上を歩む者を持たない場合には、目標を持ちづらい。今の日本や先進諸国はそのような現状にある。それは「けん怠」を生みがちである。
「倦怠感」
◎精神的「倦怠感」とは、「物事に飽きて嫌になること、飽き飽きすること」である。人間には「前頭前野」が発達しているので、同じことの繰り返しは、「倦怠感」を生み出す。
「刹那的・動物的な生き方」
◎さらには、目標を持たないと、刹那的に、時には動物的な生き方になってしまう。刹那的・動物的な生き方とは、ボトムアップ的に、その時その時に湧き上がる欲求の充足を満たすだけの生き方である。
「刻々の欲求に生きる」
◎動物は、内部や外部から発せられる刻々の課題・欲求(空腹、敵の来襲、眠気、子孫を残す)をこなす。人間のように、自ら課題を選び出して、それを目標として生きることはない。
前頭前野主体」
◎「目標を持つ」とは、前頭前野主体によるトップダウン的行動や思考をすることである。前頭前野は新しい課題に向かうと活発に働く。
「社会的に認知された課題がない」
◎今の高齢者は、退職後、子育て後の課題、目標に対して、社会的に認知された(コンセンサスを得られた)課題を示されていなかった。その結果、生き生きとした老後を送れていない人々が沢山いる。
「経験した不幸をなくす課題」
◎では、個人個人はどのようにして課題・目標を見つけているのだろうか。目標を見出すきっかけとして、自分の周りに起こった不幸を経験し、それをなくすことを一生(人生)の課題にした人がたくさんいる。
「生きる意味を見失った」
◎例えば、私は以前(2008/11/15)「母の死で生きる意味を見失ったドイツ人が」という記事を書いた。そこから引用。

ネルケさんは、7歳で経験した母の死によって、生きることの意味に悩んだそうである。その意味への解答を求めて日本の禅宗(坐禅)にたどり着いた。
「仕事で大きな挫折を体験」
◎お恥ずかしい話であるが、私が、自分の中に目標を見出したのは、職に就いて、その仕事で、大きな挫折を体験した時(30歳頃)である。
「単純な動機で就職」
◎選んだ仕事(職業)も、成り行きであった。身近にいた尊敬できる人が就いていた職業がやり甲斐のあるものに見えたという単純な動機であった。
「真剣な継続的な努力の無さ」
◎経験した挫折から、自分の至らなさ、自分の甘さ、自分の仕事への真剣な継続的な努力の無さを、痛感した。仕事に対する自分の甘い考えを思い知らされた。
「一生の課題が生まれ出た」
◎その時に、自分の中に、一生の課題が生まれ出た。私にとっての一生の課題は、「人はどのように成長するのだろうか」である。
「仕事に人生に向かう決意」
◎「人の成長の一時期に付き合って、私が、少しでもその成長を促進できればという気持ちで、仕事に人生に向かおう」と決意した。
「課題範囲が広がる」
◎「人の成長の道筋」はあるのだろうかと、本を読み進めるうちに、課題範囲が、人から生物、物質、宇宙へとドンドンと広がっていった。
「挫折、不幸から課題や目標」
◎そのような私の例を含めて、今まで上げた例のように、つまずき、挫折、不幸、などなどを経験し、そこから課題や目標を見出した人もとても多い。
「一括した国民全体への課題・目標」
発展途上国のようには、一括して国民全体に課題・目標を示し得ない日本において、今の教育の最大の課題は、個人個人に、それぞれに合った、人生を通した課題を見出す手助けをすることである。
「授業時間を無為に過ごす」
◎学生・学習者で、学ぶ意義・意味を見出せないで、学びに意欲を全く持てないで授業時間を無為に過ごす者が、実にたくさんいる。
「学級崩壊すら来たす」
◎その結果、学級崩壊すら来たす教室もままある。また、大学においてすら、学ぶ課題を自ら見つけ出せていない学生の多さには今更ながら驚かせられる。
「知的財産を持つことは必要不可欠」
◎資源の乏しい日本にとっては、知的財産を持つことは、必要不可欠な事柄である。日本の再上昇を目指すためにも、「目標設定教育」を重要課題として欲しい。