真 夢人 日記

心理学、哲学、脳科学、宗教に関心があり、それらについて自分なりにまとめたものをこのブクロで発信していきます。

ガラパゴス化した日本に必要なものは、本物の民主化

1)警察は、四人を誤認逮捕した、と茶々を入れたくなるような、大失態をさらけ出した。漫画みたいなドタバタの展開が繰り広げられている。
2)真犯人は、自身の姿を隠して、高みから、余裕を見せながら、そのようなバカを演じる警察を見下ろしながら、高笑いをしている状況であろう。
3)警察の方は、早々と、犯人のでっち上げをしながら、収束へと追い込んで行きたかったのだろう。もちろん、警察は、無邪気にも、自分たちが犯人をでっち上げているともつゆ知らずに。
4)だが、真犯人は、余りにもやすやすと無実の者を有罪に落とし込んでいく警察の行動を見て、いたたまれなくなって、犯行声明を出したと想像される。
5)テレビでの一連の事件の解説を見ていると、警察や検察が、冤罪の大量生産をしているのではと勘ぐりたくなるような、捜査方式である。警察は、見たいものだけを見ている。
6)これは、警察や検察の体制、体質の古さからくるのだろう。あるいは、官僚体質であろうか。また、未だに自白偏重に過ぎる。
参考1)"「この人痴漢です」だけで有罪の時代は終わった - 真 夢人 日記"
参考2)"無実の人はこうして「犯人」にされた 「冤罪生む構造」を弁護士が暴く (1/2) : J-CASTモノウォッチ"
参考3)"SKの社会を語る:"官僚制の功罪""から引用"
①訓練された無能…規則に固執するあまり状況の変化に対応できない。②最低許容行動…処罰を免れるため必要最低限の行動しか取らない。③顧客の不満足…顧客のニーズに対応した行動は取らない。④目標置換…規則に従うこと自体が目標となる。⑤個人的成長の否定…効率を重視するあまりコストのかかる「個人の成長」を軽視する。⑥革新の阻害…既存体系を変える変革を容認しない"
7)これ(自白偏重)を許容する裁判所も体質が古いからだろう。一人の人間を寄ってたかって、締め上げる取り調べが、嘘の自白を呼び込むのだろう。裁判官ももっと専門知識を磨くべきだ。少なくとも、専門家の知恵を借りるべきだ。
8)民主警察を期待する時代精神は、科学捜査を求めている。現場の刑事、警官と同列に、背後でそれを支える、科学的手法を使う、鑑識課や科捜研をもっともっと重要視するべきであろう。ちなみに、私は、「科捜研の女 - Wikipedia」の大ファンである。
9)警察の体制が古いまま(例えば、自白偏重)なのに、犯罪の方はどんどん進化している。立法の責任でもあるのだろうが、行政機関の一つである警察が、それに全く追いつけないでいる。
10)犯罪者の方は、警察の捜査方法の裏をかくような、出し抜くような、手段を、どんどん編み出している。犯罪者は、とても研究念心(警察の能力を凌駕する犯罪者がいっぱい)である。また、立法の不備を突く犯罪も後から後から出てくる。
11)権力を持つものに批判的目を向けるべき、マスメディアもそれに劣らないくらい時代遅れである。記者クラブに象徴されるように、お上には逆らわない体質が濃厚である。批判精神がなさすぎる。プロ意識がなさすぎる。
参考)「記者クラブ」 -from Wikipediaから引用。
①"加盟社以外に記者会見を開放しないなど独占的活動によって、記者クラブ以外のジャーナリストによる取材活動が差別されている" ②"取材対象側から情報提供を安定して受ける結果、横並び意識になり、また記者の能力低下も懸念されている" ③"クラブのその排他性から「情報カルテル」「談合」「護送船団方式」と表現される" ④"ニューヨーク・タイムズ東京支局長のファクラーは、「記者クラブは官僚機構と一体となり、その意向を無批判に伝え、国民をコントロールする役割を担ってきた。記者クラブと権力との馴れ合いが生まれており、その最大の被害者は日本の民主主義と日本国民である。」と述べている"
12)マスメディアといえば、読売新聞が、大誤報をしでかした。たとえ先端科学の知識であっても、きちんとした裏付けを取って、確認すべきだろう。
13)原因は、単に、記者の能力不足だけではないだろう。これだけ大きな内容だから、何人もの人間によるチェックが入っているはずだ。それでもこんな大チョンボをしでかすとは、スクープを焦りすぎたか。
14)これなども、マスメディアの金属疲労ではないだろうか。警察が、犯人逮捕を焦りすぎたのと同じ意識かもしれない。新聞業界の衰退が透けて見える出来事である。
15)警察、マスメディア以外でも、日本のお家芸、家電業界も、「おごる平家は久しからずや」である。多分、過去の栄光にいつまでもしがみついていたためだろう。そんな時代はとっくに流れ去ったのに。過信が時代を見る目を曇らせたのだろう。
16)つまり、日本全体が、過去の栄光にしがみつき、大きな流れから切り離されて、ガラパゴス化していったのだろう。日本全体が、行政、司法、立法の三権ともどもその体制が、時代遅れになってしまった。
17)歴史を遡れば、黒船に対して、諸外国から切り離してガラパゴス化した徳川体制では、対処できないことが明らかになった。もちろん、ガラパゴス化によって、世界を感嘆させるような文化を産んではいるが。
注)「ガラパゴス化」自体が悪いわけではない。ただ、周り、世界に通用する知識、技術ではないために、世界で通用している、進化している、知識、技術、経験を持ち合わせないことになる。その結果、その分野に関しては、遅れを取ることになる。グローバル化している現代、世界展開しなければならない現代では、それは致命傷にもなりかねない。
18)それに業を煮やした若い武士層が、新しい体制を模索した。そして、外国の体制を学んだ知識層から新しい風を吸い込んでいった。「敵を知り、己を知れば、百戦危うからず」(孫子の兵法)である。
19)黒船来航(1853年)から明治元年(1868年)まで、期間は、たった15年である。政治体制の大転換がこの短期間内に行われた。
20)でも、日本人の心情はまだまだ封建的な気風が強い。明治維新でもそれは払拭できなかった。結果、今、必要なことは、明治維新級の再度の体制改革、否、革命に近いほどのものである。
注)「封建的」とは、「上下関係を重視し、個人の自由や権利を認めない」態度である。結果、組織・システムの中で、個人が完全埋没してしまいがちである。結果、個性の強いもの、高い才能を持つものが、疎外されがちである。
21)だが、はっきりしていることは、官僚の操り人形に成り下がっている、主従関係の逆転した民主党では、ましてや古い体質に返り咲きたい自民党では、新しい時代の到来がまったく期待できない。
22)日本が向かうべき先は、本当の民主化、心情面での民主化である。その前に体制としても、中央集権体制から地方分権化がある。付け焼刃的に、形式的民主化は、形作られた。でも、そこに魂は全く込められていない。
参考)「民主化するタイ、しない日本」。このページには、私が知りたかったことが、いっぱい書かれてある。特に、官僚機構については、私が想像していた通りのことが述べてあって、うんやっぱりと納得できた。
23)でも、これだけ、政治の貧困、政治家能力の貧困がはなはだしい政界では、革命、改革は不可能に近い。その理由の一つは、政治家の世襲化によるものだろう。世襲化はそのままがいいという現状維持を求める。
注)「そのままの現状維持」では、周りが進化していくので、結果的には、置いてけぼりを食らって、時代遅れと成り果てる。
24)国民からすれば、政治家になって欲しい人が立候補しない。人材不足が激烈である。国民が政治に期待しないのは、これが主な原因である。
25)ただ一縷の望みとして、日本維新の会がある。私は、橋本市長に期待するのだが、彼の保守的思考に、不安もある。蓋を開けてみれば、古い日本に返り咲いただけに終わるかもしれない。
注)日本維新の会は、政党を作りたいがために、現役の政治家を集めた。しかし、彼らは、残念ながら、未来を託せるような人物たちからは程遠い。これが、日本維新の会の人気、支持率を下げさせてしまった。
26)最近、NHKで、吉田茂を取り上げていた。私は見なかったのだが、彼のような、全身全霊で、日本の未来を方向づける人物が現れてくれるのを期待する。