真 夢人 日記

心理学、哲学、脳科学、宗教に関心があり、それらについて自分なりにまとめたものをこのブクロで発信していきます。

これからは高齢者が社会を引っ張ってゆく時代かも

今日(2013年10月19日)、偶然、テレビで、"ETV特集「ひとりだ でも淋しくはない〜詩人・加島祥造 90歳〜"という番組を見た。
まずは、番組紹介サイトから引用。
「翻訳家として名声を得ながら、60代で社会から逃走し、伊那谷に来た。わがままと言われようと、命に忠実に向き合ってきた。人生の晩年をどう生きるか、今もあがき続ける90歳の日々を見つめる」。
私の親世代は、多分老後は、家庭内で、孫の相手をしながら、楽隠居をして過ごすのだろうと、心ひそかに考えていたと思う。
ところが、おっとどっこい、高齢になると、家庭は核家族化して、楽隠居はさせてもらえない。何の準備もないまま、ジジババだけで放り出された。
だから、心の準備がないままぶっつけ本番で未知の老後を過ごさねばならない。それ故に、さまざまな問題を抱えて暮らすハメになってしまった。
それにひきかえ、団塊の世代(65歳の私もここに含まれる)は、そういうつらい目にあった自分達親世代を見てきたので、ある程度の心の準備をしつつ老後を迎えつつある。
独り言(親の苦労を何も引き受けずに苦しい思いをさせたことを本当に今は後悔している。ごめんね)。
それを反映してと思うが、"体力と運動能力 子ども低迷し高齢者向上"である。
「子どもはピークだった頃と比べて低い水準にとどまっている一方で、高齢者は向上し続けている」
「スポーツクラブに加入している人の割合は、女性は20代や30代は20%前後だったのに対して、70歳から74歳は44%、75歳から79歳が43%など、65歳以上はいずれも40%を超えていました。また男性も年齢が高いほど加入している人が多く、75歳から79歳では41%でした」
人生は3つの段階に区切られる。最初の段階は、社会化へ向かう時代である。そして、次は、社会にどっぷり浸かる時代。
そして、その後は、脱社会化の時代である。上述の「加島祥造」も60代前半で脱社会化を企て、自然に囲まれた伊那谷に来て、暮らしている。
私自身も、3年前(62歳頃)ほどから自然に目覚めた。まず、花の写真を撮るようになった。次に、山歩きが楽しくなってきた。
今では、週に一回ほどの割合で、山歩きに行っている。自然の中で食べる弁当は格別である。
夏には風が本当に心地よい。空気もやはり都会とは違う。山頂から、都会を眺めると、心が爽やかになる。
子育ても終わり、社会的に背負わねばならない荷物はない。身軽になれたのだ。自由を楽しめるのだ。
インドでは、人生を4つに区分した。1)「学生期」2)「家住期」3)「林住期」4)「遊行期」
「家住期」には、「働き、家庭をつくり、子供を育て」をする。「林住期」は、「森林に隠棲して修行する時期」を意味する。
「遊行期」とは、「 一定の住所をもたず乞食遊行する時期」である。
注)引用from"人生の四つの時期 | 肝養亭日乗"
日本でも、高齢者は、ようやくにして、インドの社会区分でいう、「家住期」を終えて、次の「林住期」に進めることができるようになったのかもしれない。
元仏教(今はヒンズー教)の国、インドだから、宗教的道へと進むのだろうが、日本では、「林住期」とは自分のやりたいことに自由に取り組める時期ではないだろうか。
あるいは、本来の自分を取り戻す時期なのかもしれない。あるいは、幼いころに夢見たことを実現する時期かも。あるいは、心の赴くままに暮らす時期?
これからは、活き活きとした高齢者がうつむきがちな社会を元気に引っ張ってゆく時代となるかもしれませんよ。暴走老人に手を焼かないように、はね飛ばされないように。