真 夢人 日記

心理学、哲学、脳科学、宗教に関心があり、それらについて自分なりにまとめたものをこのブクロで発信していきます。

小保方氏と、相棒と、組織と。

stap細胞事件から、私は、「相棒」を思い出した。相棒とは、何年もシリーズ化されて、続いている、水谷豊主演のテレビドラマである。
相棒は、警察という組織内で、自由電子のような存在である、特命係の杉下右京(小松左京をもじっていると思う)が、時には、組織をも揺るがすような事件の解決を図るという内容である。
参考)「物質内を自由に動き回れる電子。金属などが持っており、電気が流れるときにはこの自由電子が物体の中を移動している」引用from"自由電子とは 【 free electron 】 - 意味/解説/説明/定義 : IT用語辞典"
あるいは、「お宮さん」も、ある意味、同じ趣旨の番組である。渡瀬恒彦が演じる「お宮さん」は、資料整理係で、組織内では、右京と同じように、自由電子的存在である。
遺留捜査も、いくぶんか、そのような趣がある。
理研も、小保方氏のような研究者を自由電子のように、組織内でかなり自由を与えていたのかもしれない。
参考)「若手に自由」野依・理研に傷 STAP問題(真相深層):日本経済新聞(2014/4/16)
人は、上へと昇るほどに、組織の維持を重視する。しかし、逆に、人は下へと降るほどに、個人を重視する。
個人を重視すると言っても、はっきりした個性(能力)を持たないならば、組織の歯車として狭い場所を死守せざるをえないだろうが。そうでなければ、すぐに取り替えられてしまうだろうから。
注)組織の中で、不要になった歯車は、窓際に集められて、腐るのを待たれた。
日本の大学では、東の東大は、官僚(組織維持)的発想をもち、西の京大は、職人的発想を持つ。だから、ノーベル賞級の研究成果は、京大の方が勝っている。
発展には、進化には、右京のような、お宮さんのような、存在が不可欠である。ある意味、突然変異的な(組織内で浮いている)存在である。大きな進展を望むならば、そのような存在の活躍が必須である。
しかし、エジブトの革命でも明らかになったが、官僚(組織維持)的発想がそれを引き継がなければ、革命は成功しない。ただ壊しただけに終わる。
参考)Yahoo!ニュース - エジプト革命3年 再建進まず(2014年2月11日(火) 掲載)
突然変異を組織の中に位置づける官僚(組織維持)的発想が不可欠である。民主党があえなく崩壊したのもそれが原因である。
織田信長の後には、豊臣秀吉徳川家康が控えていたから、革命が成功した。
明治維新が成功したのは、武士階層が、新しい官僚層として、横滑りしたからである。
何がいいたいかといえば、小保方氏は、優れた職人的発想の持ち主ではあるが、官僚的な発想が本当に乏しいのだろう。
研究成果は、職人的発想が有利であるが、小保方氏は、それを、規則に則り発表するという官僚的な発想が未熟なのだろう。
本当ならば、若い研究者が発見した成果を、官僚的な経験を持つ先輩が、指導して、つつがなく、発表へと誘導するのが、基本だろう。
それを考えると、理研という組織は、全く、組織として未完成な、未熟な状態にあるのだろう。
参考1)【STAP細胞】笹井氏会見に識者「理研、機能してない」「このままでは夢の細胞」 +(1/2ページ) - MSN産経ニュース
そこから引用。「企業のガバナンスに詳しい企業コンサルタント大関暁夫氏
 これまでのいきさつを見ても、理化学研究所は単なる科学者の集まりになっていて、組織としてまったく機能していない。」
参考2)(1/2) 元毎日新聞主筆の「STAP細胞」記事が波紋 「科学論文として不正かどうかは視野の狭い研究者の内輪話」 : J-CASTニュース
上記記事について、私が言いたかったことと同じことを言っている。これは、科学界と実社会との分裂だろうか。論理と実践という言葉があるが、論理世界と実践社会との乖離が大きくなりすぎた結果だろうか。