真 夢人 日記

心理学、哲学、脳科学、宗教に関心があり、それらについて自分なりにまとめたものをこのブクロで発信していきます。

宇宙自身も自己実現する存在である。

私は、最近(20140/9/18)、「仏教と苦と自己実現と」という記事を書いた。
今回は、その自己実現についての続き的なことを書きたい。まずは、再度、自己実現についての定義から。
自己実現とは、「個人が自己の内に潜在している可能性を最大限に開発し実現して生きること」である。
マズローは、人間は自己実現する存在であると述べたが、実は、宇宙自身も、自己実現する存在である。
上記の定義内の個人を宇宙と言い換えると、宇宙は、自分の中に潜在する可能性を(自己)実現しながら変化し続けている。
何も存在しなかった(ビックバン時の)宇宙に、今や人間をも実現させてしまっている。ただひたすらに、変化をし続けるだけで。
注)宇宙の年齢は、約137億歳だと推定されている。宇宙は、基礎を築き、その基礎を素材として使い、より高度なものをその上に積み上げるという階層構造を形成する。例えば、アミノ酸を作り、それを基礎にタンパク質を形成する階層を、その上に積み上げる。そのために、より高度なものほど、上位に属し、後に誕生する。
つまり、宇宙(自然)も自己実現をする存在であったのだ。しかも、宇宙(自然)が実現し得なかった事柄を引き継ぐかのように、人間が自己実現を果たしつつある。
例えば、宇宙(自然)は、タンパク質を合成する潜在的能力を有しているが、人間は、宇宙(自然)が合成し得なかったような新しいタンパク質を生み出している。
宇宙(自然)の中に潜在する、可能性を実現する(現実世界に出現させる)という道を人間は歩みだしている。
この場合、「個人が自己の内に潜在している可能性を最大限に開発し実現して生きるという自己実現とは、空に手を突っ込んで、そこから、自分の潜在的可能性を最大限に実現できる素材を見つけ出し、それを自分の個性を表現できる製品に作り上げていくことである」という自己実現をも含んだ意味でだが。
つまり、宇宙の中にある素材を用いて、自分の個性を表現できる製品に作り上げていくという自己実現をも含めてであるが。
要するに、自己の内に潜在している可能性を発揮する方に重きをおくか、自分の潜在的可能性を最大限に実現できる素材に取り組む方に重きをおくかの違いがある。
宇宙は、物質が何ら存在しない段階から始めて、人間を組み立てるという、圧倒される能力を見せた。
それに比べれば、人間が独自に作り上げたものは、ほとんどないと言っても過言ではない。と言うのは、人間が作り上げたものは、ほとんどすべて自然界にあったものの模倣でしかないからだ。
太陽は、宇宙がつくり上げた、水素をヘリウムへ変換する熱核融合反応でエネルギーを生み出す原子炉である。
なお、太陽の推測年齢は約46億歳で、中年期に入っている。つまり、90億歳頃に死を迎える。
宇宙が今までに成し得たものに比べれば、人間が成したものは余りにもささやかである。科学はもっともっと謙虚であっていいのではないか。
科学の役割は、宇宙が秘めている、潜在的可能性を実証的に明らかにしていくのが役目である。宇宙が自己実現した事柄を跡づけて行くのが役目である。
そういう意味では、まだ一歩すら踏み出していないほどのレベルである。宇宙の自己実現を跡づけることが、科学の自己実現だろう。