真 夢人 日記

心理学、哲学、脳科学、宗教に関心があり、それらについて自分なりにまとめたものをこのブクロで発信していきます。

日本中を巻き込んだ大塚家具のお家騒動の意味は...

大塚家具のお家騒動が、日本中を巻き込んでの話題となった。
その理由は、1)新と旧の対立。2)男と女の対立。3)親と子の対立。4)大と小の対立。5)既得権者と新規参入者の対立。6)情の人と知の人の対立。を、端的に表しているからでもあろう。
私のもう一つのブログ、「真夢人ブログ」で、"記事「大塚家具、「お家騒動」で見落とされた本質 | 世界の(ショーバイ)商売見聞録 | 東洋経済オンライン | 新世代リーダーのためのビジネスサイト」から"、という題名で、大塚家具を取り上げた。そこから引用。
「江戸時代から築き上げた、職人、仲買人、小売店の共存方式を、破壊して新しいビジネスモデルを確立した会長。それによって、昭和時代(嫁入り時代)には大成長した。しかし、分厚かった中流階層が崩壊して、このビジネスモデルも破綻した」。
会長(父親)が確立したビジネスモデルが破綻している。そして、社長(娘)が時代に則したビジネスモデルを模索する。という、「1)新と旧の対立」、が読み取れる。
これは、日本の昭和後期に確立したビジネスモデル(高い技術を投入した家電製品中心の輸出体制)と、現在進行形の新しいビジネスモデル(文化輸出)との現在進行形の交代を思い出させる。
旧世界企業群は、リストラにつぐリストラでしのごうとしている。それに対して、新世界企業群は新しく生まれでた環境(知性と感性の融合)の中で順調に成長を続けている。
会長と社長は、父親と娘である。これは、「3)親と子の対立」、でもある。これは、別な言い方をすれば、確立した権威者、対、未熟な無名者でもある。
土の中に埋め込まれた「種」(未熟な無名者)は、「分厚い土の層」(権威者)を突き抜けて、芽を出さなければならない。
会長自身も、意思の強い、岩盤の旧体制を突き破って、新しい体制を構築した、剛の人であった。しかし、今の時代は、彼の全盛期にはなかった知価社会に突入している。
知価社会は、「感性と知性とが融合した価値」を高く評価する。アップルのiphoneは、その典型例である。デザイン、豊富なソフト(アプリ)、高い技術が、融合した芸術的な製品である。
このような知価には、女性の感性が大いに必要とされる。男が主役であった近代工業化社会から、女性の感性を要求する知価社会への遷移は、「2)男と女の対立」もからむ。
圧倒的な力(権限など)を有していた会長の中に、他(他業種、大学など)で培ってきた社長が、「4)大と小の対立」にも関わらず、大きく根を張ることができた。
これは、大株主や既得権者からの支持を受ける会長に対して、小口株主、一般株主から圧倒的な支持を取り付けた社長。これも「4)大と小の対立」とも言える。
これは、マイクロソフトとグーグルの対決を思い浮かべさせる。時代の推移によって、戦う土俵が変わってきたのだ。マイクロソフトが戦う土俵は、個別のデスクトップであったが、グーグルが戦う土俵は、ネットである。
「4)大と小の対立」で、小が勝てるのは、戦う土俵の遷移があるからである。
「5)既得権者と新規参入者」は、「1)新と旧の対立」でもある。「4)大と小の対立」でもある。既得権者は、自分の権利を守るために、規制を求める。自由を制限しがちである。独裁的になりがちである。
だから、「6)情の人と知の人の対立」になりがちである。理論で来られれば、既得権者は立場が弱くなる。それを、力に求めがちである。
会長の記者会見には、仏像に光背をつけるかのように、力を見せるかのように、広く支持されるているのを見せるかのように、幹部社員が並んだ。
参考)美貌の勝利ではない。大塚家具騒動を数字で分析してわかったこと | まぐまぐニュース!
それに対して、社長の会見は、単独であった。これは、孤立を象徴しかねないので危ない賭けでもあったろうが、強い決意をも表しているとも言えた。私は、「半沢直樹」を思い出してしまった。
注)「千万人といえども我行かん」:孟子の言葉
体制という強力な背景を背負う既得権者に、知と情熱で立ち向かう、半沢直樹。私達は、少し前にはそれに喝采を向けた、溜飲を下げた。判官びいきの国民である。
という数々の対立軸から、これは、単に親子げんかではないと感じられる。国民は、この大塚家具の親子喧嘩、お家騒動に、時代の風を感じているのかもしれない。
あるいは、時代の風が、大塚家具の親子喧嘩、お家騒動を、動かしたのかもしれない。となれば、その中に、時代の風を感じ取れるともいえよう。
この親子喧嘩、お家騒動が、国民の中に、新しい時代の匂いを吸い込ませたのかもしれないので、これからの日本の展開の分岐点とも、象徴とも、のちのち語られるかも。