真 夢人 日記

心理学、哲学、脳科学、宗教に関心があり、それらについて自分なりにまとめたものをこのブクロで発信していきます。

従来のビジネスモデルがまったく通用しない、知価社会への突入

効率から摩擦へと転換する。ある行為が、効率だとの評価は、メリット(長所)が摩擦(短所)よりも上回っているということである。摩擦とは、その逆を意味する。
大量生産、大量消費では、「規模の経済」が有効である。まずは、定義から。「規模の経済とは、生産規模や生産量を高めるほど、固定費が分散されて製品単位当りの平均コストが減少し、競争上有利になるという効果」。引用from"規模の経済 - マーケティングWiki 〜マーケティング用語集〜"
規模の経済といえば、私は、このブログ内で、「規模の経済による利点と不経済」、という記事を書いた。そこから引用。
トヨタ-大企業病とは規模が大きすぎるために、情報共有化によって行われるべき上下や横間の連携が失われてゆく(自立化する、各部署が独立化する)という摩擦も同時に拡大していったのだろう。その結果、各部署を通底して、全体を見る、森を見るという意識が希薄になる」
規模の経済(効率)によって、「部署間の連携が失われていきがち」(摩擦)である。
私が持つもう一つのブログ(真夢人ブログ)で、記事「マクドナルド、落日のバーガー帝国 世界で包囲網」から、という記事を取り上げた。そこから引用。
1)「成熟市場でライバルの挑戦を受ける局面に入ると、強みだった大量調達・販売のフードチェーンは変化に機敏に対応しにくい硬直的なシステムという弱みに変わりつつある」
2)「食材を安定調達できるか、誰でも同じように調理できるかを考慮すると、開発の選択肢は狭まってしまう」
規模の経済(効率)によって、「変化に機敏に対応しにくい硬直的なシステム」(摩擦)になりがちである。
別な企業「しまむら」を紹介。「岐路に立つしまむら、デフレ勝者の賞味期限 | 週刊東洋経済(ビジネス) | 東洋経済オンライン | 新世代リーダーのためのビジネスサイト」。そこから引用。
1)「商品仕入れが基本のしまむらは、取引先への発注は半年以上前。原価を抑える全量買い取りで、柔軟な商品変更が難しい」
2)「アイテム数を増やし価格を下げれば売れる、という慢心があったのではないか」
大量仕入れ(全量買い取り)で、低価格を売りにするしまむら。規模の経済が有効であるという判断である。規模の経済を求めることによる、発注から販売までの長いタイムラグ(半年以上)、商品変更の困難性によって、岐路に立たされている。
別な例として、カメラは今や動画機能を盛り込むのが当たり前である。カメラに、高性能の動画機能を盛り込めば、より売れる可能性が高くなる。しかし、同じ企業内で、ビデオカメラを製造していれば、その部門から、それではうちの製品が売れなくなるとクレームが来る可能性が高い。
となれば、ビデオカメラ部門が納得する(魅力のない、見栄えのしない)性能に抑えなければならない。自己規制を強いられる。つまり、企業規模が大きくなればなるほど、企業内に敵(企業内競合:摩擦)が増えてくるのだ。
これらは、企業内での問題発生であるが、次に、市場環境そのものが大きく変化しつつあるという話題を取り上げたい。
「マクドナルド、イオンがハマった落とし穴 「ボリュームゾーン不況」とは何か?いま、この国の経済が大きく変わろうとしている | 経済の死角 | 現代ビジネス [講談社]」から引用を4つ。
1)「いま経営者たちは新しい問題に頭を抱える。たとえヒット商品を生み出しても、その寿命が極端に短期化しているため、従来のビジネスモデルがまったく通用しなくなってきている」
2)「日本マクドナルド。いままさに「ボリュームゾーン(最も需要が豊富なマス市場)不況」に足を取られ、苦境にもがいている」
3)「ヒット商品が生まれれば巨大工場を作って大量生産して大儲けできるような時代はもうありえない」
4)「総合スーパーは規模の経済を追って、量販品を大量により安く売るビジネスモデルですが、これでは『ボリュームゾーン不況』の罠にはまってしまう」
もう規模の経済が通用する時代ではないことがお分かりだろう。大企業にとっては受難の時代を迎えつつある。特色ある、機敏に動ける、個人、中小企業には、楽しみな時代でもある。
先進国では、時代は、大量生産、大量消費から、数ある中から、つまみ食い的に次から次へと少しずつ食べてゆく、ビュッフェ形式(お料理がテーブルにまとめて載せられ、ゲストが料理を取りに行くという食べ放題形式の食事スタイル。好きな料理を好きなだけ食べられる)、バイキング形式へと、遷移しつつある。
堺屋太一氏は、これが行われる社会を、知価社会と呼んでいる。この知価社会に対応した、新しいビジネスモデルが求められている。
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