真 夢人 日記

心理学、哲学、脳科学、宗教に関心があり、それらについて自分なりにまとめたものをこのブクロで発信していきます。

信用を信頼しますか

[手書きの1万円!!]
◎今、私があなたにメモ用紙に手書きで"1万円"と書いて渡したとする。あなたはありがとうといって受け取るだろうか。私はまったく無名の凡人なので、"1万円"と手書きしたメモ用紙には一円ほどの価値もないだろう。
[いりません]
◎たぶん、あなたは、"いならい"、だろう。逆に、たぶん私に対して、"私をバカにするのか、からかうのか"と憤慨することだろう。
[造幣局印刷の本間物1万円]
◎所が、私があなたに、何らかの返礼としてではなく、造幣局印刷の本間物の、"1万円"札を渡せば、あなたはありがとうといって受け取るだろう。けげんな顔をするかもしれないが。このお金をもらういわれはないと。えっ、絶対そんなことしないって!!
[その差は何だろう?]
◎で、メモ用紙に手書きの"1万円"と、造幣局印刷の"1万円"札との差は何だろう。もちろん、紙質の差はあるだろう。たとえ、そのメモ用紙が1枚100円で、1万円札が50円の紙であっても同じことだろう。
[判断の根拠は何?]
◎紙質の差でも、手書きと印刷の差でもなく、この態度の差はどこから来るのだろうか。その背後にある差は何なんだろうか。たぶん、じっくり考えて出てきた態度の差ではないだろう。判断の根拠は何なのだろう。
[信用力保証力の差]
◎この差は"信用力"の差である。"保証力"の差である。私があなたが渡した手書きメモ用紙の"1万円"をレストランで、食事後渡しても、笑われるか、バカにされるか、警察を呼ばれるかのいずれかであろう。
[お札はお礼をさせる]
◎しかし、造幣局印刷の"1万円"札を渡せば、頭を下げて、"ありがとうございました"、とお礼を言ってくれる。お札(サツ)はお礼(レイ)をさせる力がある。旅館の仲居さんに、千円サツでチップをあげると、ていねいな合札が帰ってくる。あっ、感じが違った。いや、漢字が違った。
[人から人へと評価]
◎あらためて問うが、この差は何だろうか。手書きメモ用紙の"1万円"を受け取っても次ぎに"1万円"として使えないが、造幣局印刷の"1万円"札は、次にも"1万円"として通用する。"1万円"は、同じ価値で人から人へと評価されてゆく。
[価値ありと認定]
◎これが信用である。これは"1万円"の価値があると、認められることである。実際にその価値があるかないかは別として。
[通用させる権力]
◎事実、造幣局印刷の"1万円"札を印刷するのに、数百円しかかからないだろう。その、数百円しかかかっていない、"1万円"札を、1万円として通用させる力が"権力"であり、"権威"であり、"後ろ盾"である。
[後ろ盾で相手を信用]
◎あの人が言うのだから間違いない、あの人が言うのだからそうなのだろう、あの人が言うのだからそうしておこう、である。美術品なども、そういう面が大きいだろう。だから、証明書が大声で物をいう。証明書という後ろ盾が相手を信用させる。
[数百円の紙が1万円]
◎だから、みんなが一致すれば、たとえ、コスト数百円の紙も"1万円"として通用する。みんなで担げば何でも通用するのである。昔は貝殻がその役目を担った。貝が買いますである。
[評価は他人が下す]
◎信用は、互いの信頼であり、与えられ決定された(事実を伴うかどうかは別として)評価である。お金を能力とか、愛情とかに置き換えて考えても面白いかもしれないですね。評価は他人が下すものである。それが正しいかどうかは関係がない。
[私自身は"2千円"札]
◎あなたは、お札にたとえれば、いくらですか。私自身は、たぶん、"2千円"札だろうと思う。そんなに価値があると評価するのか。と返ってきそうだが。
[金庫で永久凍土]
◎いえいえ、"2千円"札は、世の中に存在はしていても、まったく通用していないお札である。たぶん、どこかの金庫で永久凍土となってしまうのだろう。"2千円"札を考えたのはどこのどいつだ。無駄金だったじゃないか。
[築いた信用とこれから気付く信用]
◎このようなことから考えて、もうすでに築かれている信用の上に立って仕事をする人と、今から築き上げるべく信用作りをしながら仕事をしている人の差は実に大きい。土台が完成してその上に建て増そうとする人と、今から土台作りに励む人との差である。
[丸投げ完成品]
◎ある下請け企業の社長さんの嘆き。有名ブランドの製品を丸ごと下請けしているその企業では、完成品をその大企業に渡すと、その大企業は自社ブランドとしてロゴマークを貼り付けて、2万円上乗せして販売する。
[ブランド力の差]
◎そこで、下請け企業は、その製品に自社のロゴマークを付けて、同じ製品の横に並べたが、2万円上乗せした有名ブランド製品は、どんどん売れるのに、同じ製品の我が社ブランドはまったく売れなかった。これは製品・性能の差ではなく、ブランド力の差である。
[信用をめぐって世界は動く]
◎この"信用"をめぐって、世界は動いているのかもしれませんよ。私の言葉を信用しますか。