真 夢人 日記

心理学、哲学、脳科学、宗教に関心があり、それらについて自分なりにまとめたものをこのブクロで発信していきます。

やらしいやらせのはびこり

[やらせが話題に]
◎最近、"やらせ"が話題になった事件がいくつか発生したので、それについて考えてみた。まず最初は、内閣府(政府内の政策の企画立案の総合調整を補助)が、教育改革タウンミーティングでの、"やらせ"質問を依頼した件。
[質問を参加者に依頼]
内閣府はそれに関する調査結果をまとめた。それによれば、青森県八戸市で開いた"教育改革タウンミーティングで"、"教育基本法を見直すべきだ"とする質問を参加者に依頼した。
[文部科学省内閣府が質問案を作成]
◎それだけではなく、岐阜、松山、和歌山、別府で開いた合計7回のタウンミーティングのうち、4回で同様の事例が見つかった。文部科学省内閣府が、それぞれ質問案を作成して、各県の教育委員会へ事前に発言者の推薦を求めて、それぞれ4〜7名に質問案を渡して、それに沿った発言をするように依頼した。
[教育基本法改正案への国民的な理解]
小泉内閣時代に開かれた、教育改革に関するタウンミーティングによって、小坂憲次文科相らは、教育基本法改正案への国民的な理解を深めたと説明していた。
[理解深めたとの前提が崩壊]
◎がしかし、これまでの政府の説明は、もはや"国民的理解を深めた"との前提が崩れているので、不適当だったとの認識が示された。伊吹文科相は、"タウンミーティングで民意の広がりがあるというのは適当ではなかった"と、松本大輔氏(民主党)の質問に答える形で指摘した。
[やらせとは]
◎所で、"やらせ"とはどんなことを言うのだろうか。"Wikipedia"はこう定義する。制作者の意に沿う結果を生じさせるための人(事前の打ち合せを受けた素人や番組スタッフ、および芸能人)を用意して演技させることだと。
[やらせか八百長か]
◎プロレスにおいても、筋書きめいたものがあり、プロレスラーは、それを演じているともいえる。それが東京高裁というれっきとした裁判所でも認定された。相撲など、競技ではそれは"八百長"といって大きな問題となるのに。
[真剣勝負は命がけ]
◎真剣勝負だとして、競技を観戦している者にとっては、何だ、演技かと興ざめする。しかし、プロレスが、本気で勝負すれば、死人が出るほどの戦いになるのだという。そこがプロのレスリングのプロ(お金をもらって見せる競技)たるゆえんなのだろうか。
[ブログに商品や映画の感想]
◎三つ目はブログでの話。"口コミマーケティング"は、個人のブログに商品や映画の感想を書いてもらう形で、商品や映画をPRする。その現状が2006年11月3日のNHK"ニュースウォッチ9"で放送されたそうである。私は見ていなかったが。
[1回に数千円の収入]
◎内容は次のようなものであったらしい。企業から提供の化粧品や飲料を受け取り、それに関する上手なブログの書き方を指導も受ける。ブロガー(ブログ書き手)はこうにして、商品紹介記事を自分のブログにアップすることで、1回に数千円の収入を得られるという。
[企業のヒモ付き]
◎その放送を見て、今まで単なる中立な個人のブログだと思っていたのに、実際は企業のヒモ付きだと知った閲覧者たちは、裏切られ感を持ち、ネット上に書き込みが溢れ、当該ブログや企業ページは大炎上した。
[ブログが炎上]
◎つまり、企業から金貰ってやらせ(提灯)記事を書いてるブロガーと見なされて、ニュースに登場した女子大生のブログや企業ページにコメントが殺到した。お金の額が違うとはいえ、アフィリェィトもそれに幾分か近い。企業からの少額(数百円)報酬付きの記事依頼は今や当たり前だろう。
[記者がサンゴ礁にわざと傷]
◎次は自己演出的やらせ記事ともいえる。もうかなり前の話だが、朝日新聞で、スクープのために、記者自身の手でサンゴ礁にわざと傷を付けておきながら、このように珊瑚が心ない人々に荒らされていると紹介した。
[企業サイドの意向に沿う筋書き]
◎これは悪質な例であるが、新聞や雑誌やテレビなどが報道として、商品や店の紹介する際に、お金や便宜を受けて提供者の意向に沿う筋書きを作る、ことは今や当たり前だろう。この辺は広告・CMとの境界線ぎりぎりを歩いているともいえる。
[第三者を装う]
◎中立な第三者だと思っていた人が、実は"ヒモ付き"だった。その人がいかにも中立な第三者だという風を装って行動することがやらせである。当事者なのか第三者なのかを表示しなことに対して、怒りが向かう。やらせを表面に出せば問題はないわけである。
[報道やドキュメンタリー番組ですら]
◎捏造とまでいえなくとも、全くの報道やドキュメンタリー番組ですら有識者や通行人のコメントなどに対しても、事前に作った製作意図に合致した部分のみを切り取り、それに合致しない部分は編集加工して放送する、こうなると中立性が疑われる。
[やらせが当たり前]
◎しかしながら、もはややらせは世間にはびこっている。今や、お金をもらわずに、正味の、体験的紹介の方が極めてまれではないかと思うくらい"やらせ"が当たり前になっている。
[信用を裏切る悪質な行為]
◎とはいっても、やはり、やらせは、人の信用を裏切る悪質な行為である。それは相手を自分の有利な方に誘導していくからである。詐欺に近い行為だともいえる。世の中が安心できるのは、信頼を軸に回っているからである。その軸がおれてしまえば...