真 夢人 日記

心理学、哲学、脳科学、宗教に関心があり、それらについて自分なりにまとめたものをこのブクロで発信していきます。

外圧による行政改革

[同和行政の不祥事]
◎同和行政をめぐる不祥事が、大阪市奈良市京都市で頻発している。いじめでもそうだが一カ所で火の手が上がると、次から次へと飛び火してゆく。これはおそらくメディア側が同じことが外にもないかと探すからでもあろう。
[煙が火として]
◎さらには、今まで内部でくすぶっていた煙が火として目につき始めた、つまり、内部告発があちらからもこちらからも連続するからではないかと思う。それがさらに、内部でくすぶっていたものを外部の目にさらす勇気をもたらすのだろう。循環作用である。
[巨大台風が居座った大阪市]
◎今日は、同和行政がらみの不祥事・事件を取り上げたい。まず、大荒れで巨大台風が依然居座ったままの、大阪市は巨額の負債を抱え、バブル期に群発した負の遺産の処理は未だ終えていない。さらに長年続いた同和行政のゆがみも放置されたままだった。
[総額320億円の税金を注ぎ込む]
◎具体的には、一民間病院である、"芦原病院"(大阪市浪速区)に、大阪市はこれまで、総額320億円もの税金を注ぎ込んだ。名目としては、特別貸付金で、中身は補助金、貸付金、赤字補てんであった。これらの貸し付けた130億円には何の担保も取らず、未だ一円も返済も受けていない。
[頭を下げ続ける桝本京都市長]
◎次ぎに、京都市では、今年度に懲戒処分をした21人のうち13人(62%弱)は環境局職員だった。また、逮捕者9人のうち7人までもが同局職員であった。"張り子の虎"のように頭を下げ続ける、桝本京都市長は"環境局の解体的な出直しを図る"と語った。借り物の写真です。
[優先雇用]
◎その後、桝本京都市長は、環境局職員の採用については、"同和行政の大きな柱として""優先雇用""をしてきた。甘い採用をしていたのは事実で、不祥事の要因の一つだ"と発言した。
[病気休暇中に他の活動]
◎さらに、奈良市の場合には、環境清美部の元(懲戒免職された)職員が、長期間にわたり、病気休暇を繰り返し、その間病気休暇中であるにもかかわらず自らの営業活動と、解放同盟幹部としての活動はしていた。過去5年間に長期病欠を繰り返した市職員は、9人で、この内6人は収集課であった。
[同和行政への見直し]
◎昭和44年7月10日に施行された、時限立法だった、一連の同和対策事業特別措置法が4年前に失効し、国からの財政的裏付けがなくなったにもかかわらず、自治体では継続し続けた。そのような同和行政への見直しがようやく着手されようとしている。
[自浄機能を持ち合わせない]
自治体は、不祥事が発覚しなければ是正しようとしない。個人が引き起こした事件や不祥事あっても、単に個人だけの問題としてかたづけられるものではない。そのような事実を見過ごしてきた、黙認してきた自治体は、組織(職場)として、システムとして、不正を正す、排除する、改善する意識と行動の力、自浄機能を持ち合わせていないという問題がある。
[総すくみの恐怖]
◎これが民間の場合であれば、大きな不祥事を起こすと、まず銀行から真っ先に手を引かれ、株価低迷の恐怖から株主によってそっぽを向かれ、不信感を植え付けられたとして消費者からも見放される。総すくみの恐怖を味わう。
[血のにじむような努力]
◎また、大阪市がやったような、放漫経営であれば、倒産が待ち構えている。企業では、それを避けるためには、繰り返しの人員削減や徹底した経費削減などの血のにじむような努力を当然するだろう。事実、そのような削減によって、バブル後の不況からはい上がり景気回復につなげた。
[納税者の責任]
◎所が、自治体には変わらざるを得ないという必然性がなかった。競争相手もいないし経営という意識もない。これは残念ながら、我々納税者の責任でもあるのだが、自治体に対する納税者は、いまだ企業に対する株主(出資者)が持つ権利意識を持っていない。
[民営化、民間委託]
◎民間企業であれば、経営努力を怠れば競争相手に負けて市場から蹴り出される。そうした競争が自治体にはない。自治体同士は競争相手ではない。これへの対策としては、事務などの民営化、民間委託による、人件費の削減であろうか。
[変革を促す原動力は情報公開]
◎しかし、自治体へ変革を促す、惹起させる最大の原動力は、情報公開であろう。これは未だささやかではあるが、オンブズマンとして機能している。しかしこの場合には、情報の是非判断する能力を持つ人物が必要である。
[内部告発は自浄機能]
◎情報公開と似ているが、強制的情報公開、つまり悪事、不正、不祥事などの内部告発である。これはガンの手術にたとえられよう。見えない内部に隠れたガン細胞を摘出する手術。だから、内部告発はその組織にも必要な自浄機能であるといえる。
[職員へ厳罰]
◎さらにもう一つが、職員への厳しい罰則である。それぞれ一人一人のすべき役割(義務)、とその責任の所在をはっきりさせる。部下が役割を果たさなかったら、上司に報告する義務を負わせる。その報告を受けた上司はしかるべき処理をする。
[部下から上司に責任が上がる]
◎それを怠った場合には、部下から上司にその責任が上がってゆくという階層構造にする。部下に取らすべき責任を取らせなかったら、それは上司の責任として明確化する。そうすることによって、報告は上へ上へと上がってゆくはずである。