真 夢人 日記

心理学、哲学、脳科学、宗教に関心があり、それらについて自分なりにまとめたものをこのブクロで発信していきます。

市町村合併から道州制へ

[道州制に移行]
◎今日提示するのは、大前研一氏が、コラムに書いた"道州制に移行しなくてはいけない真の理由"に触発されて書いた記事である。氏の意見のなぞり書きのようなものであるが。
[合併とは]
◎この前に、大学間の合併を書いたが、合併は、企業などに関連してよく使われ、二つの企業が一つに統合されることである。大きい方が小さい方を呑み込む場合もあるし、対等合併もあるし、最近話題になったのが、小さい方が相手の資産を担保に入れての、大きい方を丸呑みする合併である。
[市町村合併]
◎今回は、自治体の合併である。日本では、"市町村合併"がさかんに行われた時期が過去に2回あった。最初の"明治の大合併"では、7万以上あった市町村が約1万5000に激減した。つまり、五分の一ほどになったわけである。
[昭和の大合併]
◎次に行われた、"昭和の大合併"では、それがさらに約3400にまで減少した。これまた三分の一以下に減少している。最初の7万から実に二十分の一への激烈減少である。
[平成の大合併]
◎2003年4月時点で、約3200あった市町村数は、2006年4月現在で1820に減少した。これが現在進行形の3度目のブームで、"平成の大合併"と呼ばれている。これまた、7万からは五十分の一である。
[合併を繰り返す]
◎では、なぜこうも次から次へと合併を繰り返してゆくのだろう。その目的は何なのだろうか。これには大きく分けて三つの目的ある。
[お金の節約]
◎1)第一が、お金の節約になる。合併によって、建物の数が減り、維持費が少なくなり、人件費も削れる。しかし不思議にも、議員の数は減らないようだけれども。
[使えるお金が増える]
◎2)第二は、合併によって使えるお金が増えることになり、駅前開発やごみ処理場建設や空港建設やさまざまな施設の建設、ダム建設(建設関係が多いなあ)など大きな仕事ができるようになる。
[地方交付税が減る]
◎3)第三は、うれしい話ではないが、国は市町村に配給してきた"地方交付税"を減らす方向にある。収入の多くを国から下りてくる交付税に頼ってきた小さな市町村はそれによって立ちゆかなくなる。
[道州制構想]
◎市町村の上の段階(階層)は都道府県である。全国にある47都道府県をこれまた合併によって11の道州に減らそうという、府県制を廃止して、新たに創設する道州制構想がすでに1950年代から提唱されている。
[地方分権政治への転換]
◎その道州制の目的は、中央集権政治(東京からのトップダウン政治)から、地方分権政治への転換である。その地方分権の目的は、地方の独自色を鮮明に出せるようにすることである。独自性を出すためにはそれなりの規模(特に予算面で)が必要だ。
[州は半独立主権国家]
◎この道州制に近いものが、アメリカの"州制度"である。アメリカは連邦制国家であり、州は実質的には半独立の主権国家である。
[地域主義]
◎それに似た考えとして、地域主義がある。これは地域を単位にして全体社会を再組織化しようという考え方である。市町村自治体を重視しその意思決定を尊重する。
[大きな事案はその上が担当]
◎市町村自治体間の利害調整が必要な場合、つまり、より広域的視点からの処理が必要なことは都道府県が担当する。さらに、都道府県間の利害調整が必要な事案や都道府県を超えた段階の処理が必要な事柄は国にゆだねる。
[下の事柄は下に権限移譲]
◎要するに、都道府県はしなければならないことだけ都道府県が受け持ち、国は国でなければできないことだけ担当する。自分より下の事柄は下に全面的に権限移譲する。
[新幹線の駅の建設]
◎今、滋賀県では、新幹線の駅の建設をめぐってもめている。県レベルでは反対を表明しているが、その下に位置する市レベルでは推進を表明している(とはいえ、まだら模様だが)。この場合、階層構造的には、もちろん市よりも県の方が上に位置する。
[どう解決へ導くか]
◎私がこの事案に興味があるのは、上(県)と下(市町村)とで賛成反対が衝突した場合、どう解決へ導くかが今回問われている。それについては沖縄の基地問題でも同じことがいえる。しかし、保守系知事が誕生したので今までよりはスムーズに事が運びそうだが。
[納得づくの話し合い解決]
滋賀県知事嘉田由紀子氏は、上から一方的に、つまりトップダウン的に解決を図ることを避けようとしている。あくまで納得づくの話し合い解決へと持ち込みたい考えである。
[終焉した中央集権国家]
◎話を戻す。大前研一氏は言う、日本は、もはや中央集権国家としては終わってしまった国だと。発展途上では、国が音頭を取り、リードして引っ張ってゆく体制がうまく行く。
[地域ごとに違う特色・方針]
◎しかし、もはや今までのような右肩上がりの発展は、望み薄である以上、これからは地域ごとに統治機関を持って、新たな活力を引き出すには、北海道や九州など、地域ごとに違う特色、違う方針を打ち出していく必要がある。中央の指示とお金を待つのではなく。
[自立的に活路を求めて行く]
◎もはや東京中心ではなくそれぞれの道州が独自に決めていく問題となる。そのためには、立法権・徴税権を道州に譲り渡し、自立的に活路を求めて行くことができるようにしなくてはいけないと、彼は言う。