真 夢人 日記

心理学、哲学、脳科学、宗教に関心があり、それらについて自分なりにまとめたものをこのブクロで発信していきます。

日本は無菌保育室になっていないか

[いじめ問題で沸き返える]
◎今、日本中はいじめ問題で沸き返っている。とはいえ、イジメは今始まったことではない。昔から、ずっと昔から、おそらく生命の誕生以来から始まっていただろう。
[自然界では強いが弱いに勝つ]
◎自然界では、強いものが弱いものに勝つ、いじめる。それへの対処方法を考え出す、生み出すことが進化につながっていった。ある意味で、強いものが弱いものを鍛えているともいえる。
[さまざまな報道で提示]
◎最近、テレビ番組や、新聞報道で、あるいは国会の場で、イジメの討論、議論、意見提示、などなどがなされてきた。
[教育再生会議は緊急提言]
◎政府の教育再生会議は、いじめに関して緊急提言をまとめた。いじめは絶対許されない。傍観行為も許されない。相談体制の充実。家庭の責任。など95年の報告書と重なる部分も多い。10年前と同じことを言うのは、いじめ対処の困難さから来るのだろう。おそらく今後も同じ提言を出し続けるだろう。
[管理が強くなる]
◎この提言を始め、テレビや新聞を見ていて、聞いていて、感じるのは、どんどん管理が強くなってゆくなあ、ということである。子どもをほったらかして大人がワイワイガヤガヤやっているという印象である。
[子どもの生の声を]
◎子ども自身は、イジメについての、それらの番組や、新聞報道についてどういう感想を持っているのだろうか。子どもの生の声をもっともっと引き出す方向へ向けてほしい。
[ボトムアップ式の感想]
◎仕方ないことかもしれないが、トップダウン式の意見であり見方である。子ども達自身からの、つまりボトムアップ式の感想、意見、提言をどんどん取り上げてゆく体制作りができないものかと思う。
[結論は昔に出ている]
◎気になっていたのは、大人の、専門家の意見がどんどん出されてゆく。しかも、大人側が、"家庭が悪い"、"教師が悪い"という話に終わっていることも多い。正直言って、このような結論はもうとっくの昔に出ているのだ。
[露地栽培]
◎農業で、露地栽培と温室栽培とがある。露地栽培とは、作物を自然の気象条件のもとで栽培することをいう。これだと、日照、降雨、風、霜などの自然の影響を直接もろにうける。しかし、無霜期間(5〜11月まで)はどんな野菜も露地栽培ができる。
[温室栽培]
◎温室栽培とは、ガラス室やビニールハウスなどの厳しい自然からの保護条件下で栽培する施設栽培である。これだと、年がら年中栽培できる。虫など害虫、害生物の被害に遭うことも少ない。一見、いいことだらけではないかと思える。
[昔の食べ物はおいしかった]
◎多くの者がいう、昔の食べ物はおいしかったと。私自身も本当にそう思う。今の食べ物は味が薄い、淡泊だ。それは昔は露地栽培であったからだ。
[魚や肉類まで温室栽培]
◎今や多くの食べ物、野菜や果物に限らず、魚(栽培漁業)や肉類に至るまで、温室栽培的に育てられている。形や色、大きさなどはすばらしいが、おいしさや味などの点で劣ることが多い。とはいえ、安く手に入るようになった。感謝、感謝。
[品質改良]
◎もちろん、品質改良や育て方などによって、昔のものよりも良くなったものもあろうかとは思うが。それは米などにいえる。おいしくなって災害に強くなった。
[子ども達の体力は落ちている]
◎日本の子ども達は、体力はどんどんと落ちている。つまり、ひ弱になっている。知力も同様に降下気味である。日本の子ども達全体が、やはり温室栽培的に育てられているのではないかと思える。中国の一人っ子政策によって、甘やかされて肥満児が多くなったという報道を見たことがある。
[子どもを守る体制作り]
◎とはいえ、2001年に大阪府池田市で起こった小学校乱入無差別殺傷事件である"大教大附属池田小児童殺傷事件"が起きれば、子どもを守るという体制作りが行われる、守りという意識が強くなるのは当然だろう。特に子どもを亡くした親にとっては。
[子ども達はひ弱に]
◎私は、"守る"ことと"鍛える"ことの両方が必要ではないかと思う。"守る"ことに余りにも重点が、比重がかかりすぎれば、子ども達はひ弱になって行く。これが悪循環を生む結果となる。
[負担(ストレス)を与える]
◎"鍛える"とは、心を、体を強くすることである、露地栽培することである。ある程度の負担(ストレス)を与えることによって、それを跳ね返すために、返って前よりも強くなる。筋肉がそうであるように。
[弱さ強さのレベルあり]
◎しかしながら、未熟児で生まれた赤ん坊は、保育器で厳重な保護の下で育てなければ、生存が危ないであろう。そのようなレベルであれば、鍛えるという段階には達していない。ひたすら守ることを実行せねばならない。
[予防接種]
◎しかし、予防接種という考え方もある。予防接種は、感染症を予防する目的でワクチンを体に注射投与する。ワクチンとは、弱毒化した病原体または死菌などであり、免疫記憶の形成を促すことで、対抗手段を手に入れることで、本格的な感染を防ぐ。
[対処方法を身につけてゆく]
◎これは鍛えるという考え方である。ストレスを感じるくらいの体験、経験を積むことによって、対処方法を身につけてゆく、心身が鍛えられてゆく。交通安全教育と同じように、いじめ対処教育も有効かもしれない。
[対処方法のデータベース化]
◎もちろん、今目の前のいじめを放っておいて心身を鍛えましょうではいけないが。イジメへの有効な、実証済みの対処方法が全国から数多く集められ、それがデータベース化されてすべての学校で閲覧できるようにするのも一方法であろう。