真 夢人 日記

心理学、哲学、脳科学、宗教に関心があり、それらについて自分なりにまとめたものをこのブクロで発信していきます。

構造改革特区はどういう得があるのか

[サイバー大学の立ち上げ]
ソフトバンクなどが出資する日本サイバー教育研究所(本社=福岡県福岡市)はインターネットで全授業を行う4年制通信制大学、"サイバー大学"の立ち上げを発表した。この大学は文部科学省から正式認可されている。
[世界に開かれた大学]
◎この日本初の本格的ネット大学は2007年4月に開校する。パソコンとブロードバンド回線があれば、国内外問わずどこからでも受講できる。世界に開かれた大学になる。もはや海を越えて行ったり、来たりしなくても、つまり、留学しなくても外国のネット大学で学べるのだ。
[授業を好きな時にどこでも受講]
◎この大学は、学長にエジプト考古学者の"吉村作治"氏を迎える。全授業は、画像や音声を、好きな時に授業をどこでも受講再生できるオンデマンド方式を取る。ドラえもんのどこでもドアである。大阪にいて真夜中でも、福岡のその大学の門はくぐれる。
[4年制大学と同じ学士資格を取得]
◎この大学では、入学時に学力試験は行わず、願書や志望動機などを書類選考の形で実施される。社会人にとって広い門とはいえ、卒業時には、通常の4年制大学と同じ学士資格を取得できる。
[全国初の完全ネット通信教育制大学]
◎すべてをネットを介して行われ、スクーリング(実学校へ通っての面接指導・対面での講義)はまったく実施しない全国初の完全ネット通信教育制大学となる。
[構造改革特区]
◎この大学は、2003年4月1日に法施行された、(構造改革特別区域法)"構造改革特区"を活用し設立される。構造改革特区とは、従来法規制等の関係で事業化が不可能な事業を、特別に行うことが認可される地域をいう。
[特色のある町づくり]
構造改革特区制度の更なる説明。この制度は、経済・教育・農業・社会福祉などの分野で、地方自治体や民間事業者等が自発的に立案して、地域を限定して、地域の特性(個性)に応じて規制を撤廃・緩和することによって、特色のある町づくりや民間事業者のビジネス機会拡大を推進する。
[地域経済の活性化]
◎これによって、地域特性がさらに顕在化する。その特性に応じた産業の集積や新規産業の創出などが地域経済の活性化をもたらすと期待される。といっても、政府からは全くの財政支援がない。ただ全国一律の規制を撤廃・緩和してもらえるだけなのだが。
[全国一律地方自治に風穴]
◎地域経済活性化の目的のために、特区内容が必要と認定されれば、全国一律だった地方自治に風穴(すきま風程度か)を開けられる。また、特区で実施された政策で大きな効果が得られると、それは全国展開の道が開かれる。その結果、それが規制緩和の更なる呼び水(好循環)にもなる。
[厚い規制の壁に地方から風穴]
◎こうして、構造改革特区は、厚い規制の壁に地方から風穴をこじ開ける。地方の創意工夫によって、新産業の創出や経済活性化が図れる。つまり、地方から起こす、改革の実験、改革の風である。
[国と地方との関係転換]
◎このように、構造改革特区は、その厚い規制のカベを破る可能性を秘める。今までの国が政策決定し、地方が従うという、従来型の国と地方との関係や意識を、根本から転換する。特区を求めて多くの事案が集まったのも、地方分権社会への突破口と、地方が期待したからだ。
[地域から国を変える]
小泉首相(当時)は、"地域から国を変えようとする姿勢を支援していく"と述べた。特区を突破口に、地方が元気になることを期待した。
[一層の規制緩和を進めるべき]
◎とはいえ、"これでは、特区といってもあまり変わらない"という、担当者の嘆きは、多くの自治体関係者に共感される。規制のカベは、まだまだぶち壊すに厚過ぎるといわざるをえない。地方の自立・分権に向け、国はさらに一層の規制緩和を進めるべきだ。
[抵抗勢力]
◎しかし、規制緩和に反対する抵抗勢力、役所や、既得権にしがみつくキセイ(既成・寄生・奇声・規制)業界団体などの風圧が強い。その中で成功させるには、自治体のやる気・本気度と、政府の後押しが必要不可欠だ。
[中国の経済特区の成功]
小泉内閣で、規制緩和政策として構造改革特区が採用・実施された背景には、中国の経済特区が、改革開放による、今見るように大々的な経済発展の呼び水となったことがヒントとしてあった。
[外国からの資本誘致]
◎その中国の経済特区であるが、中国では、国内産業の振興を図るとともに、外国からの資本誘致を推進するために、改革開放に転じた。
[優遇措置が施行]
◎1980年に、広東省福建省のいくつかの地域を"経済特区"に指定した。これらの特区では、政府の資金によって重点的にインフラが整備され、企業へ課す所得税の減税などの優遇措置が施行された。
[改革開放が全国的に拡大]
◎中国のこのような経済特区は、社会主義体制の下で資本主義的経営を認めるという実験であった。しかし、特区の成功を見て、改革開放が全国的に拡大された。更に現在、中国経済は全面的開放の段階に入った。
[地域社会の荒廃は先進国共通]
◎1990年代以降、日本では、長引く景気低迷と国際化の重なる大波から、企業は本格的に生産拠点を海外にシフトさせた。地域経済社会は伝統産業や製造業に依存してきたので、そのダメージは深刻だ。とはいえ、工業が衰退した結果が引き起こす地域社会の荒廃は先進国共通の悩みである。
[個性尊重し生かされる時代]
◎今はもうは"どこでもドア"時代である。つまり、時間と場所と方法を問わない、完全自由時代。個性に合わせた方式を選べる時代になってきた。今までは、個人が集団に合わせる時代であったが、これからは個人個人の個性が尊重され、生かされる時代へと大きくうねっている。これは国規模でも同じことがいえる。アイデアさえすばらしければ地方も、国の方針に合わせなくとも、繁栄する。