真 夢人 日記

心理学、哲学、脳科学、宗教に関心があり、それらについて自分なりにまとめたものをこのブクロで発信していきます。

TPPは農業にとって黒船、産業にとっては追い風

「TPP騒動」
◎数日前(2010/10/27)、「民主のTPP騒動、鳩山・小沢系議員が大反発|時評コラム」=from"nikkei BPnet<日経BPネット>"を読んだ。「TPP」という言葉はその時初めて知った。
「反対派の中心は小沢氏」
◎でいろいろ考えてみた。それをここで述べてみたい。まずは、そのコラムからの引用。「反対派の中心は、鳩山由紀夫前首相と小沢一郎元幹事長を中心としたグループ」である。
「農村地帯に重点を置く」
◎では、なぜ小沢氏は反対するのか。それは彼が地方(農村地帯)に重点を置いているからである。民主党自民党から農民票を手に入れたので、それを失いたくないのはわかる。
「日本全体の成長発展を考えるべき」
◎でも、でもである。"日本全体の成長発展を考えるべきである"というのが私の感想である。1)自由貿易協定の締結によって、国全体の成長発展を図るか、2)締結せずに、農業を守って経済的鎖国へ進んでいくのかである。
参考資料⇒「第3の開国「TPP」を決断せよ」=from"日経ビジネスオンライン"
環太平洋戦略的経済連携協定
◎では、不締結がなぜ鎖国へとつながるのか。まずは、「TPP」(Trans-Pacific Partnership/Trans-Pacific Strategic Economic Partnership Agreement)の説明から始めたい。それは「環太平洋戦略的経済連携協定」(=from"Wikipedia")であり、自由貿易協定(FTA)である。
「4カ国が締結」
◎現在のところまだ、「ニュージーランドシンガポール、チリ、ブルネイの4カ国が結んでいる」にすぎない。だがしかし、「4加盟国につづき、オーストラリア、ペルー、アメリカ、ベトナムが参加を表明し」た。
「参加表明国は徐々に増える」
◎さらに、「マレーシアもラウンドに参加予定であることを表明した。コロンビアとカナダも参加の意向を明らかにしている」。このように、参加表明国は徐々に増えている。
「高関税国を敬遠」
◎では、これらの国々がその協定を締結をしたらどうなるか。そうなれば、高い関税をかける国との貿易は敬遠される。自分にだけ都合のいい主張をする国は仲間はずれにあうだろう。今の中国の態度を見れば明白だろう。
参考資料⇒「【私はこうみる TPP参加】蚊帳の外なら大きな損失 早稲田大学大学院・浦田秀次郎教授」=from"MSN産経ニュース"
「関税は完全撤廃」
◎この協定では、自分の都合のいいようには関税をかけられないのだ。関税は完全撤廃である。取り残されれば、あらゆる商品は輸出されないし輸入されない可能性は大きい。
村八分状態に置かれかねない」
◎もしそうなれば、国内産だけで自国の需要に応じられればいいが、日本では特にそうでない場合が多い。つまり、村八分状態に置かれかねないのだ。
参考資料⇒「不参加なら世界で孤立=TPPで経団連会長」=from"時事ドットコム"
「日本はババ抜き」
◎貿易国日本はババ抜きのように相手にしたくない国とみなされかねない。そうなれば、国そのものが立ちいかなくなる可能性は極めて大である。
民主党の存在意義は改革」
◎話は変わるが、野党は攻めの姿勢が必要である、命である。民主党は、野党時代の攻めの姿勢を評価されて、政権交代を果たした。民主党の存在意義は改革である。
「改革をしない民主党に魅力はない」
◎国民が民主党に与えたのは、自民党では不可能な改革を変わってやって欲しいという願いからであった。改革をしない民主党に魅力は全くない。
事業仕分けに関心の理由」
◎「事業仕分け」にあれほどの関心が集まり、評価を受けたのを忘れてはならない。だのに、民主党は政権与党になって、余りにも守りの姿勢が強すぎる。菅首相の言動にもそれがありありである。
「鳩山氏に人気は改革の明言ゆえ」
◎初代民主党首相の鳩山氏にあれだけ人気があったのは、改革を明言したからである。とはいえ、明言した改革は実はとても困難であるとわかったので、言説が変節していったという弱腰であったが。
明治維新期でも凄まじい抵抗」
◎改革は死に物狂いで進めなければやり遂げられない。明治維新期でも抵抗勢力が凄まじかった。それでも成し遂げられた。それを「龍馬伝」(NHKドラマ)は伝えている。
「TPPは農業にとって黒船」
◎「TPP」は、農業にとって黒船である。そう解釈すべきである。世界に対応する制度づくりか、さもなくば、崩壊か。農業がこのまま鎖国を続けるのか、大改革を断行して世界に打って出るのか。
「リセットして成長」
◎日本は、近年、リセットして大きく成長してきた。一回目の明治維新(政治改革)はその大成功の事例である。二回目の第二次世界大戦の敗北(経済改革)は、その後に経済成長をもたらした。
参考資料⇒(私のブログ記事)「明治維新と第2次世界大戦敗戦と数々の組織改革との因果関係」
鎖国政策の維持は衰退路」
◎農業(第一次産業)は、このまま鎖国政策を維持しても、衰退路を歩み続けるだけである。これは日本全体にとっても悲劇である。危機は最大のチャンスである。
「先端産業にとって強力な追い風」
◎逆に、「TPP」は、先端産業にとっては、相手国が関税を取っ払うので強力な追い風である。農業(第一次産業)のために、協定の締結をしないならば、日本を牽引する先端産業の未来を阻むことになる。
参考資料⇒「TPP不参加で基幹産業の損失10・5兆円」=from"MSN産経ニュース"
「農産物の自由化」
◎農産物の自由化は、消費者にとっては、大きな恩恵をもたらす。例えば、アメリカのカリフォルニア米は5キロ1000円から1500円、タイ米は500円から1000円で消費者の手に入るようになる。
「棲み分け理論」
◎日本の米がこれに対抗しようとしても不可能である。私はこれについて、日本の「今西錦司」の、「棲み分け理論」を思い出す。そこから引用。

種社会は様々な契機によって分裂し、別の種社会を形成するようになる。分裂した種社会はそれぞれ「棲み分け」ることによって、可能ならば競争を避けつつ、適切な環境に移動することができたとき、生物個体と種社会はそれぞれ自己完結的・自立的な働きを示す。その結果生じる生理・生態・形態の変化が進化である
「適切な環境に移動して共存」
◎「棲み分け理論」でいうように、カリフォルニア米とタイ米と日本米は、全無(all or nothing)の「競争を避けつつ、適切な環境に移動」して、共存できるのではないかと思う。
「締結に向けて行動を開始すべき」
◎ということで、私は、「TPP」(環太平洋戦略的経済連携協定)は、積極的に締結に向けて、行動を開始すべきだと思う。これは日本を再浮上する機会ともなり得る最後のチャンスかも知れない。
「農業改革を強力に推進すべき」
◎今から、その時に備えて、農業改革を強力に推し進めていくべきである。村八分になってから、体制が整っていないままに、協定に締結すれば、農業は壊滅状態になろう。黒船来襲と見て、国全体が対応すべきである。今回の「TPP」はそれほどの重大性と意義を持つ。