[Tomorrow]
◎TBS 日曜劇場｢Tomorrow｣が最終回(2008/9/7)を迎えた。この回では、医師森山航平(竹野内豊)と看護師田中愛子(菅野美穂)が、閉鎖された市民病院を再開する核として活動する。
[一つにまとまる]
◎離れ行く、去りゆく院長、副市長、医師、看護師、医療スタッフなどが、地域での大事故による大勢のけが人を前にして、次々あつまり、一つにまとまり始める。
[病院のオープン化]
◎治療･処置が一段落した時点で、医師森山が市民病院を再開する方法として、病院のオープン化を提案する。具体的には市民病院の持つ高度医療施設を個人開業医に開放する。
[開放的病院への変身]
◎さらには病院内にボランティアを受け入れる。つまり、専属医療チームだけの鎖国的病院経営から、個人開業医を含む開放的病院への変身である。
[プラットホーム化]
◎これは、IT用語で言えば、｢プラットホーム化｣であろうか。例えば、今まで百科事典は、その国の権威者(学者など)が執筆した。それに対して、｢Wikipedia｣は、誰でも執筆OKとした。
[社会の成熟＝信頼性]
◎最初はそのような百科事典の信頼性への疑問が強く投げかけられた。所が、いざ始めてみると、市販の百科事典にも劣らぬほどの信頼性があることが分かった。これなどは、社会の成熟によるところが大きいだろう。
参考資料→(私のブログ)｢心を熟成させる｣
[Wikipedia]
◎その｢Wikipedia｣は、市販の百科事典のように、知識･情報の提供ではなく、誰でも書き込み可能な百科事典サイト(プラットホーム)を提供した。つまり、集会所、みんなが活動できる場である。
[ソフトが動作する基盤]
◎IT用語の｢プラットホーム｣の元々の意味は、アプリケーションソフトを動作させる際の｢基盤｣となるOSの種類や環境を意味している。 その基盤の上でさまざまなソフトが動作する。さまざまなソフトが動作する基盤。
[学校をプラットホームに]
◎私は、それをもっともっと一般化して、例えば、先生や生徒や保護者などが教育、学習する基盤となる場所、具体的には、｢学校｣を｢プラットホーム｣と呼びたい。
[楽天市場]
◎ネット世界を見れば、例えば、楽天は、個人や商店や企業などが、ものを商う場(｢楽天市場｣)を｢プラットホーム｣として提供する。
[誰でも商売人]
◎これによって、本当に誰でも、商売人になることができるようになった。鎖国的な市場から、開放的な市場へと変身させた。また、どこに住もうと才覚があれば商売できるようになった。
[特定人･専門化だけの鎖国]
◎先ほどのドラマでの｢病院のオープン化｣とは、このような特定人･専門化だけの鎖国から誰でもOKの開国への｢プラットホーム｣として、市民病院を位置づけよということである。
[誰でもOKの開国]
◎このような、特定人･専門化だけの鎖国から誰でもOKの開国への｢プラットホーム｣を目指すことがいまではさまざまな分野で求められていると思う。
参考資料→(私のブログ)｢合併の背景に大学間競争の厳しさ｣
参考資料→(私のブログ)｢大学が基幹機能の役割を担う時代｣
[地域への開かれた基幹機能]
◎私は、地方大学はもっとももっと開かれて、その地域への開かれた基幹機能として、｢プラットホーム｣として、の自覚を持つべきだと思う。大学自身のためにも、地域のためにも。
[高校も中学も小学校も保育所も]
◎それは、ただ大学のレベルだけではなく、高校も、中学も、小学校も、保育所もかくあるべきだと思う。
[複雑系]
◎科学の世界でも、余りにも専門化が進んで、横のつながりが切れて、｢たこつぼ化｣が進んでいる。それへの反省から｢複雑系｣という新しい動きが起こっている。
[プラットホームの提供を最優先]
◎同じように、横のつながりを大切にしないで中央ばかりに目をやる地方は、地方の活性化のために、道作りを中心にするのではなく、基幹機能、｢プラットホーム｣を提供することを最優先すべきではないか。
[道州制]
◎それは小さな規模ではできないので、合併をするという観点からも、道州制に踏み切るべきだ。｢クロスオーバー｣をもたらすためにも。
[医療活動を統括する基幹機能]
◎道州制では、医師(個人開業医も含めて)がどこかの病院(個人開業医は自分の医院)だけに所属するのではなく、その地域の医療活動を統括する基幹機能、｢プラットホーム｣に所属する。
[次の時代の基本構造]
◎特定の組織、個人にだけ依存するのではなく、多くのものが持ち寄り、寄り合い、分け合いながら、それを基幹機能、｢プラットホーム｣として作用させる。これが次の時代の基本構造かも知れない。
