真 夢人 日記

心理学、哲学、脳科学、宗教に関心があり、それらについて自分なりにまとめたものをこのブクロで発信していきます。

教育基本法と愛国心

[教育基本法を巡っての議論]
◎生物は高等(違和感のある言葉ですが)になればなるほど、教育がその後の生活を大きく左右する。そういう面では、子供にどういう教育を授けるかが重要になる。今回は、教育基本法愛国心という事項を入れる入れないについて感じていることを述べたい。
[修身斉家治国平天下]
孔子の言葉に、[修身斉家治国平天下]というのがある。これは儒教の経典の一つ、[大学]に納められている。その意味は、まず最初に自分の身を正し、その後で家庭をととのえる。その上で国を治めることによって、天下を平らか(おだやか)に治めることができるというような内容である。
[上へと上がってゆく階層構造的成長過程]
◎師の言葉は階層構造を指し示している。下から順々[自分自身→家庭→(地域社会)→国家→(地域世界)→世界全体]に整えてゆくべきだという上昇志向的階層構造を。それはトップダウンではなく、ボトムアップ方式で下から上へと上がってゆく成長過程を示す。
[心の成長は心の視野の拡大]
◎これは自然な心の階層構造でもある。心の成長過程をも表している。心の成長とは心の視野の拡大順序でもある。これは私たちが愛すべき対象(の拡大)をも表している。宗教では、神が最高階層に立ち、すべてを視野に入れてすべての幸福を願って愛して(慈悲して)いる、と述べる。
[日本の応援は愛国心から来る自然な発露]
◎2006年に第一回WBC(World Baseball Classic)という野球の大会がアメリカであった。そこで日本が幸運の手助けによって、もちろん実力があってのことでもあるが、優勝を勝ち取った。そのことで日本中が沸き立った。これも愛国心から来る自然な発露である。
[苦い思い出を持つ愛国心]
◎とはいっても、愛国心と聞けば、日本人にはいまだ苦い思い出を持つ人々も多くいるだろう。愛国心と聞かされて、戦争を思い浮かべる人も大勢いるだろう。私(58歳)も愛国心という言葉から良いイメージが出てこない。直接戦争を体験したわけではないが、母からも父からも悲しい苦しい体験をさまざま聞かされてきたので。これも歴史の伝承である。
[中国韓国の抗日・反日運動]
◎また、中国の抗日運動、韓国の反日運動は自国への愛国心から来ている。中国の抗日運動を実際にテレビでご覧になられた人も多いことだろう。破壊活動がデモの道筋で行われた。これらを日本人はすばらしい愛国心の発露だと賞賛するのだろうか。自国を愛する余り、他国を攻撃する行為が愛国心から生まれ出ているけれども。日本の愛国心を高揚するなら、他国の愛国心も褒め称えるべきである。
[競争の愛と共同の愛]
◎自分を愛する人は、その愛する対象を広げてゆく努力をすべきだと思う。本当の愛は自分だけというのではなく、分け隔てなく幸せで包み込むことだと思う。幸せな人は他人を攻撃しないだろう。競争の愛(他を蹴落として手に入れる愛、これを愛と呼ぶのはどうかと思うが)ではなく、共同・協力の愛であるべきだろう。とはいえ、競争がない故の悲劇も多いが。
[過去の日本での愛国心は中国韓国の抗日・反日運動と同じ]
◎私が愛国心という言葉を嫌うのは、過去の日本での愛国心は、少し前まで繰り広げられた中国の抗日運動、韓国の反日運動的競争の愛だったからである。そのトラウマ的記憶がいまだに私の中では解消されていない。拒絶反応が出ても致し方ないだろう。
[関心領域も個々人の中で移りゆく]
◎私たちはさまざまなことを一度に達成できるものではない。自分の関心領域はそんなに広くはない。また、関心領域も個々人の中で移りゆくことが多い。さらに、今は日本では多様化の時代である。国一般も個人と同様(国家は個人の集まりだから当然といえば当然であるが)に関心領域も移りゆく。
[日本はその段階を卒業]
◎中国の抗日運動、韓国の反日運動は、個人的には、中国や韓国の国一般の平均的視野が広くないことから来るのではないかと感じている。日本の戦前がそうであったように。ある意味日本はその段階を卒業したともいえる。
[地域世界へのさまざまな発展と貢献を心がけるべき]
◎私としては、教育は、個人の視野・関心領域を少しずつ(階層構造的に)広げ、高めゆく方向を目指すべきだと思う。だから愛国心を否定するわけではないが、現在の日本はすでに愛国心を乗り越えてさらに上の段階の、地域(特にアジア地域)世界へのさまざまな発展と貢献(他国愛)を心がけるべきではないか。アジアの先頭的位置に立つ責任から。
[教育は国際舞台での活躍・貢献を後押し]
◎日本は世界に対して、経済面(トヨタを見よ)で貢献してきたし今も多大に貢献している。さらに文化(特にマンガ文化)・スポーツ(プロ野球を見よ)面でも世界を舞台に大きく羽ばたいているし、世界の発展にも寄与している。教育はこのような国際舞台での活躍・貢献を後押しすることに重点を移すべきだと思う。