真 夢人 日記

心理学、哲学、脳科学、宗教に関心があり、それらについて自分なりにまとめたものをこのブクロで発信していきます。

母の愛

[僕の歩く道]
◎今日(12/12日)、テレビドラマ"僕の歩く道"を見た。風呂から上がった"りな"が母親の背中をもみ、その手を優しく包み込むように握る母親。その母親に甘えかかるように寄り添うりな。二人の間の心が通い合う沈黙。その(すまないと思う)母親と(心をあずけて甘える)りなの気持ちを思うと涙が溢れてきた。
[大竹輝明の妹りな]
◎ドラマ"僕の歩く道"での自閉症の主人公、"大竹輝明"の妹("りな")は、母の関心と愛情がほとんど兄輝明に注がれるのを淋しい気持ちで耐えていた。母親は彼を育てるので精一杯だった。
[兄秀治も耐えねばならない]
◎輝明には、上に兄("秀治")がいる。兄も障害を持つ弟輝明のことで耐えねばならないことがさまざまあった。彼の(自分の家庭を守りたいと思う)妻からのつらい苦しい言葉や、幼い頃の学校でのつらい仕打ちなどなど。
[感謝の言葉]
◎このような障害者がいない場合でも、"あなたはお兄ちゃんなんだから"、"お前はお姉ちゃんだろ"ということで、子ども達がずいぶんと我慢させられる風景にお目にかかる。こんな場合、"お姉ちゃん偉いな、ありがとうね"とか、"さすがお兄さん、強いんだな"とほめたり、感謝の言葉をかけると、"我慢する"という気持ちよりも、"誇らしさ"の方を強く意識するようだ。
[記憶が積み重なる]
◎そしてそれが記憶として積み重なってゆく。我慢する"気持ちが積み上がってゆけば、いずれそれが耐えきれないほどの大きさになって、爆発する。爆発したときに、周りがそれまでの気持ちに気がつく。それでも気がつかない人々も多いが。
[心のこもった言葉]
◎たとえ、ほめたり、感謝したりの言葉を与えても、それに心がこもっていず、口先だけであれば、子どもがもの心着いた頃には、手痛いしっぺ返しを喰らう。手厳しい反抗に遭遇する羽目になる。良い子であればあるほど、反転した場合には、親は手に負えないほどの反抗に直面せねばならないことが多い。
[親の愛情は自分への関心]
◎子どもにとって、親の愛情の大きな部分は自分への関心である。子ども達がこのように親に声をかける場面に出会す。"ねえ、ねえ、お父さん、見て見て!!"。"ねえ、お母さん、早くこっち来て!!!"。子どもは親からの関心を引くためなら、おどけて見せたり、悪さをしてみたりと、あの手この手を繰り出す。それほどに親の関心が子どもの命なのだ。
[親から温かい関心の目]
◎親の愛情に包まれるとは、親から温かい関心の目が注がれていることである。幼い赤ん坊ですら、親から顔をのぞき込まれると、にこにこ笑い、もう少し大きくなると、げらげら笑う。愛情薄い子どもは無表情になりがちだ。時には、死に至ることもある。さほどに、親の愛情は幼子にとって命をはぐくむ温かいミルクなのだ。
[精神的余裕がない]
◎輝明の母親は、彼の世話に追われて、二人の兄妹に注ぐ精神的余裕はなかった。それどころか、どちらかといえば、自分で背負いきれない部分を二人の兄妹に頼ることも多々あった。彼ら二人はけなげにもその役割を果たしてきた。親を思う気持ちから。
[気持ちは分かってほしい]
◎二人は、母親の苦労が分かるだけに、自分たちの気持ちを抑えて、母親に応えようと頑張ってきた。でも、でも、そうであってもやはり、その気持ちは分かってほしい。その気持ちに共感してほしい。親から返ってくるものの無さに寂しさがつのる。
[入り交じった複雑な気持ち]
◎これは現実の場面にもよくあることなのだが、母親が輝明の世話からいくぶん解放されたときに、二人は母親に反抗を始めた。実はこの反抗は甘えの気持ちが混じっている。もちろん、今までの母親へのいら立ちも含まれているが。甘えといら立ちの入り交じった複雑な気持ち。
[気持ちを代弁]
◎兄(秀治)は母親に向かって、いら立ちの気持ちを込めて、妹の今の気持ちを代弁する。それを聞いた母親は今までを振り返り、あらためて、娘のことを思いやる、すまないことをしたと。そこから最初に紹介した母親と"りな"の場面へと続く。
[居場所がない]
◎また、輝明の幼なじみ河原都古も、母親からの愛情を余り受けられなかった。今回、夫とのことで、淋しい苦しい中で、母親に頼ろうとするが、母親からまたもや冷たくあしらわれる。自分を温かくくるんでくれる居場所がないと感じる。居場所探しをする。行き着いた所が輝明。
[母親は子どもとともに]
◎子どもにとって、母親は特別な存在である。子どもが、悲しいとき、つらいとき、苦しいとき、うれしいとき、楽しいとき、ともに悲しみ、ともに苦しみ、ともに喜んでくれるのが、最高の愛情である。母親は"子どもとともに"という存在である。
[涙が溢れる]
◎私たちは、たとえそれが母親でなくても、相手が自分の苦しい気持ち、悲しい気持ちを分かってくれたとき、涙が溢れる。閉ざしていた気持ちの扉がせきを切ったように開かれた瞬間である。これによって、心がそのような苦しみ悲しみ(の圧力)から解放される。
[母親は子どもへの最高の癒し手]
◎母親は子どもへの最高の癒し手である。悲しみ、苦しみ、つらさ、寂しさで、子どもの心が閉ざされているときに、そのような温かい心に共感されると、心が癒され、心が開き、心が解放され、感情が洗われる。心は明るいときに開き、暗いときには閉ざす。母親は子どもへの太陽である。
[共感]
◎共感するとは、"それはずいぶんとつらかったでしょうね"、"あなたはさぞや淋しかったんでしょうね"、と相手の気持ちを思いやることである。ぴたりと共感した言葉は相手の心の扉を開く鍵(keyword)となる。そして相手は涙とともに気持ちが解放され癒される。
[ドラマを見る理由]
◎私たちがドラマを見る一つの理由はそこにある。また、中高年の女性が、韓国ドラマを見る理由もそこにあるのではないかと思う。今の日本のドラマにはない、中高年の女性が共感できる内容がそこに描かれている。すばらしいドラマは数多くの人の心の扉を開く力がある。