真 夢人 日記

心理学、哲学、脳科学、宗教に関心があり、それらについて自分なりにまとめたものをこのブクロで発信していきます。

国民にそっぽを向く阿倍首相

[森永卓郎]
◎今日は、森永卓郎氏のコラム、""政府税調は官邸の言いなりに成り下がった""を読んでの感想を是非とも書きたいと思った。
[彼のコラムをなぞる]
◎しかし、私は経済については全くの無知(音痴)なので、彼のコラムを単になぞるだけに終わりそうである、お許し願いたい(見苦しい言い訳であるが)。
[政府税調]
◎政府税調(政府税制調査会)は、経済界・労働界・消費者など国民各層から幅広く意見を聞き、公平・中立な税制を検討・提言する。
[中立的な立場]
◎中立的な立場で審議した結果から、年度毎に"年度答申"をまとめ、3年間の審議の結果から"中期答申"として提言する。
[官邸主導へ方向転換]
◎政府税調は、少なくとも建前は中立的立場である。しかし、今回新しい会長に、"新自由主義"を信奉する内閣府の方針、官邸の意を受けた、"本間正明"氏が就任したことで、新しい政府税調は、中立性が踏みにじられ、官邸主導へと大きく方向転換した。
[小泉政権下の民間議員]
◎本間氏は、小泉政権下において、竹中平蔵氏と並んで経済面での頭脳集団だった。経済財政諮問会議の学者側の民間議員で、同じく民間議員だった吉川洋氏も新たな政府税調の委員となった。彼らは中立的立場とは全く言い難い。
[会長が結論を叫ぶ]
◎本間氏は会長に選出される直前から、来年からの企業に有利な税制、①減価償却の拡充と、②法人税率引き下げを公言している。政府税調で議論を始める前から、会長が結論を叫ぶ、アドバルーンを上げる。
[事務局が内閣府に移る]
◎政府税調のもう一つの方向転換は、今回から内閣府が案を作る。政府税調を担当する事務局が、税の専門家財務省から素人の内閣府へと移された。事務局の仕事は税制のたたき台を作るという重要な任務だから、この移行は大きな変更をもたらす。政府税調の会議では、事務局が用意した資料が、税制論議に直に影響を与える。
[官邸の統制下に置く]
◎一連の方向転換は、今後の税制論議は、すべて官邸の統制下に置くという意思表明である。もはや御用審議会を通り越え、"なんでも官邸言いなり審議会"に成り下がる。
[企業減税と消費税増税]
◎本間会長は、"企業活力を高めるためには、企業減税が不可欠"という立場を取る。しかし、一般国民に対しては、①定率減税全廃、さらに、参議院選挙で与党が勝てば、②消費税が引き上げられるだろう。政府税調は官邸のご用聞きなのだから、反対意見は起きようがない。
[消費税率の引き上げ幅増大も]
◎大幅な企業減税が実施されると、その減収分を補うために、消費税率の引き上げ幅が、より大きくなる可能性が強くなる。
[消費税増税は避けられない]
◎本間会長は、高齢化社会への対応には、消費税増税は避けられないという立場を取っている。ただ、"増税問題で参議院選挙を不利にしたくない"安倍内閣の方針から、"来年秋までは消費税率引き上げの論議を行わない"と、言及は御法度である。
[個人消費は弱含み]
◎消費税増税というが、景気は回復しているとはいえ、個人消費はこのところ伸びが鈍化しているか、おおむね横ばいである。戦後最長の好景気"いざなぎ超え"なのに、逆に個人消費はここにきて弱含みだ。
[トリプルパンチ]
◎理由として、サラリーマンの①賃金は8年連続の減少である。他方で、②増税、③社会保険料も上昇している。トリプルパンチの結果、サラリーマンの手取り収入は大幅な減少だ。
[貯蓄ゼロ時代]
◎そんな状況下、ここまで家計消費が拡大を続けてきたのは、貯蓄を取り崩して消費に回していたからで、いまや4世帯中1世帯が"貯蓄ゼロ"時代である。
[個人と企業の格差]
個人消費低迷の原因は、結果として、もはや、これ以上は消費をしたくてもできないという段階にまで至ったからだ。買おうにももはや手元には金がない。それに引き替え、企業は、収益は改善し、設備投資は増加している。企業の中間決算は、12%の利益増加を示す。
[格差の増大]
◎これらを考慮すると、大企業に減税の必要はない、一般国民にこそ減税をすべきである。好景気の成果は一般国民に配分されるどころか、逆に増税が待ち受けている。これでは、日本に、世界でもまれな弱肉強食の格差社会が出現するだろう。
[弱者イジメが日本中に渦巻く]
◎強者による、弱者イジメが、日本国中に渦巻いている。イジメは学校現場だけで起こっているのではないのだ。阿倍内閣の下で、弱肉強食の格差はますます増大してゆくだろう。偽装請負問題など、勤労者は企業に身を切られ骨までしゃぶられようとしている。