真 夢人 日記

心理学、哲学、脳科学、宗教に関心があり、それらについて自分なりにまとめたものをこのブクロで発信していきます。

心は自動化する

[心の自動化]
◎今日の話題は"心は自動化する"である。といってもこれは別段特別なことを表現しているわけではない。すみません。この意味は、情報・体験がある一定の量(事柄によってさまざま)に到達すれば、心自体が自律性を獲得して、自己判断して作動するということである。要するに、無意識化するということである。
[自動は自然]
◎このことは、単に"心"だけにとどまらず、あらゆるシステム、組織についても当てはまる。例えば、星の生成についてもいえる。星は自動的に星になり、星としての機能を持ち、星としての人生を全うする。星は最初から最後まで自動的(無意識的)ではあるが。"自動"を"自然"と読み替えればお分かり頂けると思う。
[心の二層構造]
◎ここでは人間に限定して述べる。私たちの心は二層構造になっている。"無意識"(自然)という層の上に"意識"(人工)が乗っかっている。意識が無意識の上位・優位にある。通常、上位が下位を制御(コントロール)する。
[意識が無意識に乗っ取られる]
フロイトは無意識の上位にあるべき意識が、無意識に乗っ取られる(下克上される)という事実を提示して世界中を驚かせた。それまではデカルトやカントが人間の理性や合理性の優位を解き明かして、人間の理性が信奉された時代だったのだから。西欧世界の話ですが。
[意識は手動(人工)]
◎意識は"手動"(人工)で、無意識は"自動"(自然)である。この"手動"(意識)が人間を人間たらしめている。動物の行為はほとんどが自動であるのだから。この"意識""手動""人工"が人間に新しいものを生み出させて来た。悪をも生み出したけれども。
[英語の学習]
◎ここで分かりやすい例、例えば、英語の学習を考えてみる。私たち日本人が、意味の分かる英単語を意識が聞いて覚えてゆくことを繰り返すと、ある瞬間から自然に聞き取れるようになる。
[自動判定、自動処理]
◎"聞き取れる"とは、それまでの、意識が判断しながら、考えながら、聞き取ろうと努力をしなくても、つまり、意識という段階を通過せずに、その段階を飛び越えて、英語が耳から直接無意識に入り、無意識領域が聞き取って自動判定、自動処理してくれる。これを"心が自動化"したという。
[プログラムソフトを脳内に移植]
◎これは、脳内に"自動聞き取り機能"が形成されたという意味である。ある意味、パソコンなどのプログラムソフトを脳内に移植したようなものである。これは種をまき続けてついに花が咲いたとも表現できよう。そのソフトが自動的に働いて機能してくれる。事実、脳内に形成されるのは"プログラムソフト"といってもよいようなものである。
[運動面でも同様]
◎これは英語などの語学面に対してだけに備わっているわけではもちろんない。体を使う、運動面(手や足や目や鼻や心臓などあらゆる身体部分)でも同様のことが可能である。
[指が自動的にそろばんをはじく]
◎例えば、そろばんを熱心に練習すれば、意識的に考えなくても、数字を耳から聞けば、あるいは紙に書かれた数字を見れば、指が自動的にそろばんの珠をはじいてくれる。これも脳内にそろばん機能(指運動と音声あるいは文字との統合)が形成されたからである。
[達せずにあきらめる]
◎子ども達の習い事は、この段階にまで達せずにあきらめてしまうことが多い。面白さを味わう以前にある、苦しさに耐えきれずに逃避する。坂を登る途中での苦しさにめげてしまう。その後に来る素晴らしい光景を体験できずに終わる。
[自動アルゴリズム形成能力]
◎先ほどの"心は自動化する"は、実は脳内に自動操作機能(プログラムソフト)が形成されたということを意味する。脳は自動的にアルゴリズム(なんらかの問題を解くための手順)を形成する能力を持っている。宇宙にはこの自動アルゴリズム形成能力で満ちあふれている。
[動作思考を自動化]
◎私たちが訓練する、練習する意味はここにある。動作あるいは思考を自動化する、無意識化することを目指していたのだ。最初はどんなことも意識がぎこちなく取り扱うが、練習を重ねることによって、無意識的なスムーズな自然な動きとなってくる。
[基本を身につける]
◎パソコンをしている人ならば、キーを叩くことを繰り返しておられるだろう。それによって、ブラインドタッチ(キーを見ないで打つこと)が可能になる。とはいっても、私はもう20年ほど立つがいまだにブラインドタッチの域にまで達していない。それは基本を身につけていないからだ。
[キー打ちを無意識にゆだねる]
◎ブラインドタッチによって、キー打ちが格段に早くなる。そのことによって、意識をキー打ち以外に注ぐことができるようになる。キーを叩きながら、原稿内容を推敲できるようになる。キー打ちを無意識にゆだねることによって、意識と無意識とがそれぞれ異なる仕事ができるようになる。
[同時進行できる行動が広がる]
◎今まで意識的にしていたものが無意識化されることによって、意識は他に心を注ぐことができるようになった。このようにして、同時進行できる行動が広がる。
[情報・体験量の差]
◎プロとアマチュアの違いがここにある。どのようなことに対しても、情報・体験がある一定の量に到達すれば、心自体が自己判断して作動するようになる。プロとアマの差は、情報・体験の量の差である。
[誰でもプロになれる]
◎だから、誰でもプロになれる。今や道具はたくさん揃っている。情報をたくさん獲得すれば。体験をたくさん積めば。ただそれをする情熱、熱心さ、意欲、忍耐心があるかどうかの違いである。心の差である。