真 夢人 日記

心理学、哲学、脳科学、宗教に関心があり、それらについて自分なりにまとめたものをこのブクロで発信していきます。

宮崎知事そのまんま東氏はどんな人物か

[宮崎知事選]
◎宮崎知事選は、官製談合事件で、県幹部7人が逮捕され、前知事安藤忠恕氏の競売入札妨害罪で起訴、辞職に伴う、出直し、政党不信、信頼回復など県政刷新が問われた。その結果、自民党民主党に"No"が突きつけられた。
[高い投票率と投票行動]
◎64.85%(前回59.34%)の高い投票率と投票行動は私たちに何を教えているのか。政治・行政専門家への不信感と、"政官業癒着の既得権益まみれの古い政治"からの完全脱却を望んだ県民による"政治屋拒絶"。行政・政治経験を持たない未知数の東氏に刷新を託し、"官民癒着"や"しがらみ"からの決別。県民の怒り・不信を既成政党は聞き取れなかった。
[幅広く支持]
そのまんま東氏は幅広く支持を集めた。年代別にみると、20〜50代で男女とも64〜43%の支持を集めて第一位。川村氏は、60代の男女で東氏と並び、70代男性では抜きん出た。全般的に自民・民主・公明の各政党支持層にも浸透し、万遍なく支持を得たといえる。
[県内全体の大きなうねり]
出口調査では、支持政党なし者のうち、56%がそのまんま東氏に投票し、他の候補を圧倒、無党派層からの支持が集中した。9市すべてで最高票数を獲得し、町村部でも票を伸し、県内全体の大きなうねりをもたらした。
[締め付け効果なし]
◎自民支持層は東氏に35%、川村秀三郎氏と持永哲志氏にそれぞれ31%が投票した。民主支持層からも東氏が43%を集めた。持永氏推薦した公明党の支持層は、持永氏に49%が投票したと答えたが、東氏にも41%が流れた。政党の締め付けは効果がなかった。
[保守王国]
◎宮崎県は、県選出国会議員5人のうち5人、県議42人のうち32人を自民が占める"保守王国"にもかかわらず、官製談合事件を受けて有権者が既成の政治・行政を拒絶した。宮崎県で与党の推薦候補があっけなく敗れた。旧来の建設業界をはじめとする支持団体を基礎とした利益誘導型の選挙が通用しなくなったことが明白となった。
[何が東氏を当選させたのか]
◎何が東氏を当選させたのか。タレントとしての知名度か。投票の際、最も重視したのは、"人柄や資質"が一番多く41%。続いて"実績や経歴"18%、"政策"15%の順で、"談合解消への姿勢"は12%だった。そのまんま東氏はどんな人物なのか。
[草の根運動]
◎東氏は清新さを強調し、同級生らが"草の根運動"を展開した。出馬表明時に芸能界からの引退("脱タレント")を宣言。芸能人の応援(派手なパフォーマンス)も御法度。観光振興や防災対策などで約80項目のマニフェストを掲げて選挙を戦った。地道にマニフェストを訴え、"タレント候補"からの脱却に成功したと評価された。
[チームそのまんま]
◎その東氏を政策面で支えたのは、自治体や官公庁への政策提言を行っているNPO法人メンバー、会社員や大学院生ら20代中心の"チームそのまんま"。出馬を模索した東氏は早大人脈を頼って、政策面の援助組織を求めた。チームは既存政党に不満を持つ政策提言の専門家で、インターネットを駆使して県の実情を徹底的に調べ、東氏と徹夜でマニフェストを作り上げた。
[政策を練りあげた]
◎そこでの会議で、早大地方自治を猛勉強した東氏が、ひそかにあたためていた"思い"をチームにぶつけた。また、チームの助言を書き留めた。無報酬のチームは徹夜で県の財政状況や産業構造を分析し、財政的な裏付けのある政策を練りあげた。東氏との議論は8枚のマニフェストとして完成した。
[本気で思う]
◎チームのメンバーは、"東さんの一生懸命さをマニフェストという形でアピールできた。最初は正直、タレント候補という色眼鏡で見ていたが、いつのまにか『この人のためにやってあげたい』と、本気で思うようになった"と振り返る。
[東氏に聴衆が驚きの声]
◎東氏は同県都城市出身。選挙運動は高校の同級生や知人らが中心となり展開。マニフェストを前面に、談合を防ぐための入札制度改革や予算を削減する県財政の再建策を主張した。宮崎市で行われた公開討論会で、理路整然とマニフェストを訴える東氏の姿に聴衆が驚きの声を上げた。
[即戦力]
◎前林野庁長官の川村秀三郎氏(57)は、"県民党"を標ぼし、農林業の振興などを主張。県町村会や自民の衆院宮崎1区支部に推され、民主・社民・連合宮崎の支援も受けた。長い行政経験から"即戦力"を強調した。
[産業の振興]
◎元経済産業省課長の持永哲志氏(46)は"景気対策や第2・3次産業の振興"に力点を置き訴えた。自民・公明両党の推薦を受けて組織選挙を展開したが、川村氏の出馬で保守が分裂し、共倒れとなった。
[保守分裂]
自民党はこれに衝撃を受け、"敗因は保守分裂にある。保守が大同団結できないときに何が起こるか教訓として心に刻みたい"と、何が敗因か分かっていないような談話を発表。
[無党派層からそっぽ]
民主党は、宮崎・山梨・愛媛の3知事選に全く独自候補(選択肢)を擁立できない情けない"トリプル不戦敗"。宮崎では県連独自に元官僚を支援したが敗北、無党派層にそっぽを向かれた。自民党と同じ道を歩むと見なされた。
[閉塞感の宮崎を打破]
◎宮崎県の出直し知事選で次点に7万票余の大差をつけた理由を、"旧態依然とした閉塞感のある宮崎を打破しなくてはいけないとの思いを、県民と共有できた"と東氏は語った。
[国民の政治への不信]
◎宮崎知事選は県民だけでなく、国民全体の気持ちでもある。後を絶たぬ談合事件、与野党の不明朗な政治資金、少子高齢化による老後の不安などなどの国民の政治への不信、イライラ。既成政党は、政治不信払拭へ向け新たな一歩を示せるのか。この民意の流れを読み損なうと参院選は大波乱となるだろう。