真 夢人 日記

心理学、哲学、脳科学、宗教に関心があり、それらについて自分なりにまとめたものをこのブクロで発信していきます。

日本の第三次世界進出

[世界語になった日本語]
◎日本のいくつもの言葉が世界語に成りつつある。例えば、"アニメ"や"マンガ"は完全に世界語といってもいいくらい、外国でも通用する言葉になっている。和食でも、"スシ"や"テンプラ"や"スキヤキ"はほぼ世界語ともいえる地位に着いた。
[世界進出]
◎そういうことで、私は、今日本は、"第三次世界進出"をなしつつあると思っている。ということは、"一次世界進出"や"第二次世界進出"があったということになる。では、第一次や第二次はどんなものだったのだろうか。
[軍事力で世界と対峙]
◎前回の記事で、"江戸幕府の滅亡"を話題にした。日本の海に突如現れた、黒船によって、目を覚まさせられた日本は、軍事力で世界と対峙しようとした。日本の第一次世界進出は、その流れに沿って、軍事力(腕力)で世界へと進出していった。
[軍事力を放棄]
◎しかし、第二次世界大戦での敗戦によって、その進行は完全に失敗に終わった。アメリカの占領政策にもよるが、日本は軍事力を放棄した。憲法に世界に向けて輝かしい文言を掲げた。やがて自衛隊という形での軍事力は保持したが。
[第二次世界進出]
◎日本の第二次世界進出は、敗戦後の復興による立ち直りから始まった。自国内をモノで溢れさせ、その流れは日本による経済力を持ってしての世界進出であった。コップに注がれた水が外へとあふれ出るように。世界中に日本のモノで埋め尽くそうと。
[バブルの崩壊]
◎これによって、一時はアメリカをも凌駕するのではないかと恐れられ、エコノミックアニマルと揶揄された。世界に日本の名前を轟かせた。当然、日本たたきもあちこちで起こった。しかし、日本はそのおごりからバブルを引き起こし、日本全国が金まみれの内に、バブルの崩壊という宴(祭り)の後を体験した。私もそのおこぼれにあずかった一人だが。
[第三次世界進出]
◎この日本による経済的世界進出も挫折に終わった。そして、バブルという宴の後の虚脱の中にあって、日本の文化面での第三次世界進出が、水面下で徐々に徐々にではあるが進行しつつあり、今はかなり水面上で力強く進んでいる、今は現在進行形である。
[日本の世界進出]
◎このように、日本は、江戸から明治の過渡期に始まった、富国強兵から一次世界進出をスタートさせた。敗戦後の復興から経済立国として第二次世界進出へと旅立っていった。挫折を経て文化立国として第三次世界進出へと羽ばたいている。
[文化は心の交流]
◎経済は主にモノのやり取りであったが、文化は心の交流ともいえるものである。それなのに、まだ、軍事力・腕力に依存して世界と渡り合おうというのは愚かしいことではないだろうか。
[21世紀のジャポニズム]
◎ここで、"Wikipedia"からの引用を提示する。フランスの美術評論家"エルベ・シャンデス"は、アニメを中心とする日本のおたく文化を"21世紀のジャポニズム"と評し、これらの文化が欧米の文化に大きな影響を与えていると主張し、おたく文化を擁護した。とある。
[パリに約550軒の和食レストラン]
アメリカでも日本アニメのファンは増加傾向にある。また、パリには現在、約550軒の和食レストランがあるといわれる。日本政府は、海外にある和食レストランに認定書を発行し、和食のレベルを保つことを検討している。何と心の狭い了見なんだろうと呆れる。
[国に合ったアレンジ]
◎"スシ"の発祥も日本ではないのだから。"テンプラ"も元々は日本語ではないのだから。その国に合ったアレンジは当然あってしかるべきであり、日本国内であれば話は別だが、いったん日本を離れて外国へ伝われば、もはや口出しすべきではないと思う。
[伝統的食文化は正しく伝達]
◎ただし、日本式の伝統的な食文化は正しく伝えてゆくべきだと考える。しかしながら、日本も諸外国から食文化をずいぶんと取り入れているが、それらは必ず"日本化"という水をくぐらせているのである。過渡期の混乱は致し方ないのではないか。
[物的豊かさより心の豊かさ]
◎次ぎに、平成7年の"文化政策推進会議"から発表された文章の引用を示す。"広く国民の意識において物的豊かさより心の豊かさを求める気運が高まっている。心の豊かさを満たすものは、まさに文化にほかならない"。
[パンのみに生きるにあらず]
◎"人はパンのみに生きるにあらず"である。パンでおなかが満ち足れば、その後に心を満たすものがほしくなる。日本はそういう時代に到達しているのだ。これは自然な流れである。
[文化の時代]
◎同じく文化政策推進会議からの引用。"社会や経済界においても、既存の価値観の転換が図られ始め、創造力豊かな個性や美的な感性が尊重される"文化の時代"に移りつつある。また、"地方の時代"を迎え、各地域では伝統文化を見直し、独自の活力ある地域づくりを進め、対外的にもその特色ある文化を発信しようとする意欲も見られる"。
[軍事力→経済力→文化力]
◎多くの国が、軍事力→経済力→文化力へと徐々に進歩発展するのではないかと思う。そういう視点で、諸外国を眺めてみるのも面白いかもしれない。イラクは今軍事力が必要な時代なのかもしれない、などとも思う。
[平和と秩序と繁栄]
◎軍事力だけが解決の方法ではない。経済力や文化力も、世界に平和と秩序と繁栄をもたらす大事な手段であることを、政府・自民党はどれほど理解できているのだろうか。軍事力は憎しみの応酬という果てしない泥沼に、両者とも引きずり込んでゆく。アメリカは痛い経験をしたはずなのに、ベトナムで。学習をしない国なのか、それとも忘れっぽい国なのか。