真 夢人 日記

心理学、哲学、脳科学、宗教に関心があり、それらについて自分なりにまとめたものをこのブクロで発信していきます。

安倍首相の見る夢と大企業が見る夢

 不死鳥のごとくに蘇った第2次安倍政権は発足から3年を迎えた。デフレ脱却を旗印に掲げたが、今だに達成できていない。私には、もはや不可能ではないかとも思える。
 いろんな人達の話を、私なりにまとめてみた。
1)企業がグローバル化すれば、日本の労働者は途上国の、中国やアジアの労働者と競争を強いられる。つまり、もはや輸出型日本大企業は、日本の労働力を特別視はしていない。
日本の労働者は、世界の中での自分の、労働価格と労働価値(専門的能力)を知らなければならなくなった。
日本の学生達は、自分を高く買ってもらえるように、切磋琢磨して来ただろうか。私には、日本の学生達は、ものすごく甘い、甘やかされて来た、井の中のかわずだと思える。
2)政府が、輸出型日本大企業を優遇しても、それだけでは国民経済に直接跳ね返って来ない。日本を代表する企業(輸出型日本大企業)が儲ければ、国民経済が豊かになる、という構図は20世紀で終わった。グローバル化がそれを終わらせてしまった。
3)輸出中心の大企業は、もはや日本を世界の単なる一国(one-of-them)としか見ていない。
4)だから、日本人従業員だけを賃金的に優遇するわけにはいかない。企業に合う人材は世界中からグローバルに採用できるのだ。採用は、労働価値(専門的能力)と労働価格とのバランスで決まる。
5)輸出型日本大企業の設備投資にしても、世界中が設備投資の候補地として視野内にあるので、当然だが、日本で投資するにはそこには強い必然性が必要である。義理と人情で動くわけにはいかない。
6)国内の有権者の支持が頼りである安倍政権が、円安に誘導して、どれだけ輸出型日本大企業が潤っても、賃金でも設備投資でも、日本へお返しをしてくれないのは当然のことである。
7)と言うことで、円安から輸出型日本大企業の利益増大、それが賃金上昇、設備投資の増加。それによって、国民の購買力アップし、デフレ脱却を生む。というこの好循環は生じなかった。
そのことに気づいた安倍政権は、その旗をこっそり降ろしてしまった。代わりに、訳のわからない、新三本の矢(?)を掲げて、ごまかしてしまった。