真 夢人 日記

心理学、哲学、脳科学、宗教に関心があり、それらについて自分なりにまとめたものをこのブクロで発信していきます。

アメリカの正義はどこから来るのか。

私は、常々、アメリカはどうして、他所の国の内政にそんなにずかずかと土足で入り込み、首を突っ込みたがるのか、そんなお節介をするのかと、いぶがっていた。
しかし、今読んでいる、「中西輝政」氏の「なぜ国家は衰亡するのか」を読んでいて、"フロンティアの意義"〜"アメリカの急速な没落はありえない"を読んでその理由がわかった気がした。
ということで、そのテーマに関して自分なりにわかったことを述べたい。
白人のアメリカは、清教徒による移民がスタートである。1620年、メイフラワー号に乗りアメリカへの移住が、白人のアメリカの始まりである。
その後、フロンティアを求めて、西部へ、西部へと開拓する、つまり、大西洋岸から太平洋岸まで漸進的に未開拓地域を開拓してゆく時代があった。
しかし、1890年にはフロンティアが消滅してしまった。だが、フロンティアを求める気持ちを失いたくないので、新しいフロンティアを模索した。
アメリカにとって、フロンティアとは、まだ自分の土地ではない、自分の経済圏ではない、自分の同盟国ではない、自分の思想圏ではない、地域である。
西部への拡張およびアメリカインディアンとの大規模交戦の終了はアメリカ陸軍の任務を減少させ、軍の指導陣は新しい任務を望んだ。ということで、軍事力で海外進出が始まった。
参考)引用from米西戦争inWikipedia
第一次世界大戦を経験して後、経済力での海外進出が、1929年10月24日の所謂「暗黒の木曜日」を境に、遂に株価が一斉に大暴落し、史上最高の繁栄を誇ったアメリカは、ここに破綻した。
アメリカの破綻は「世界の工場アメリカ」に経済依存していたヨーロッパ諸国や日本に波及し、1930年代を取り巻く世界恐慌となった。
参考)引用fromアメリカ合衆国の歴史inWikipedia
さすがにアメリカである、日本のバブル崩壊は国内問題に過ぎなかったが、アメリカのバブル崩壊は全世界に波及した。
参考)経済(商品のやり取り)でダメになった後、金融(お金のやり取り)に走ったが、リーマン・ショック(2008年9月15日:世界的な金融危機)を境に世界的な経済の冷え込みから消費の落ち込み、金融不安で各種通貨から急速なドル安が進み、米国市場への依存が強い輸出産業から大きなダメージが広がり、結果的に日本経済の大幅な景気後退へも繋がっていった。引用from世界的な金融危機アメリカはよくやってくれるね。アメリカはブレーキのない車みたいだ。
それ(世界恐慌)が間接的な引き金になって勃発した、世界大戦を経験して、アメリカは、海外進出の名目として、民主主義を海外に普及するという旗を掲げた。
民主化を推し進める。もちろん、純粋に民主主義を広めるためだけではない。国益を考えてのことである。
言い方は悪いが、アメリカにとっては、戦争は、盛大なお祭り、フェスティバル、カーニバルでもあった。アメリカの戦争は、自国が攻撃されるという経験のない、出かけていく戦争である。
アメリカの戦争は、以降、民主化を推し進めるという正義のための戦争でなければならなかった。世論を味方につけるためには。
このフロンティアを求める心理を、心理学者カール・ロジャースの理論で考えてみた。彼は、自己実現とは、自己を受容して防衛性から解放され、より大きな自律性や統合性に向けて心理的に成熟していくことである、という。
参考)哲学者西田幾多郎は、「実在するあらゆるものの根底には同一の統一力がある」、と考えた。その統一力の源を、「不変的或者」または「神」と呼んだ。
自己実現有機体の基本的な動因である。ただ、防衛性から解放されているという大きな条件がいる。アメリカは世界で最も強力な国である。つまり、世界の頂点に立つ。よって、防衛性から解放されていると言える。
となれば、統合性に向けて心理的に成熟していく動因が強い。バブル崩壊後、目的を見失った日本と違い、アメリカは、未開拓地を開拓するために、フロンティアを求める気持ちを強く持ち続けている。
世界に民主化が行き渡っていない以上、アメリカにとって、まだまだ"正義"の戦いを続けていけるのである。