真 夢人 日記

心理学、哲学、脳科学、宗教に関心があり、それらについて自分なりにまとめたものをこのブクロで発信していきます。

二種類の集中力を使い分けよう

[心理学的話題]
◎今日は、前回に続いて、心理学的話題を取り上げたい。私は瞑想・座禅に興味を持っており、自分の希望としては無念無想の境地を得られるようになりたいと願望している。しかし、ほとんど実践をしないなまくら在家なのだが。
[集中とは]
◎心理学的に、集中とは、雑念(煩悩・執着)を排除して、ある目的・目標に照準を合わせる、合わせ続けることである。勉強中、家族の話し声や笑い声が気になった経験はなかったですか。あるいは、家で仕事中に、テレビから歓声が上がると、ついそちらに気が取られてしまう経験は?。それらはあなたにとって雑念であった。
[集中力の強さ・持続性]
◎また、集中力の強さとは、いったん目的・目標に照準を合わせると、どれほどの魅力的な雑念であろうとも、排除できる防音装置の堅固さである。プロともなると、この高度な集中力の強さ・持続性が要求される。いや、強力な継続する集中力を持つからこそ、プロとなり得たという方が正確だろう。
[二種類の集中]
◎所で、集中には二種類ある。それらは、(粗い浅い広い)右脳的集中と、(細かい深い狭い)左脳的集中である。前回、このブログで右脳と左脳について述べた。それで右脳と左脳についてはそちらを参照していただきたい。
参考記事はこちら→(私のブログ)"脳は右脳と左脳との矛盾的自己同一"
[内向的集中と外向的集中]
◎あるいは、集中を、向きによって、心の内部に向かう内向的集中と、外部に向かう外向的集中とにも分けられる。心の内部は、脳(内)と言い換えてもいいように思う。瞑想・座禅は煩悩・執着を排除して内向的集中することである。
[雑念の排除]
◎雑念を排除するとか、無になるとかというのは、気を取られるような(心の内部にある)心配・悩み事とか、イライラとかのざわつく感情を消し去ることである。あるいは、外部にあるモノや音などに向かう神経を遮断することである。結界を張るといってもいいかもしれない。例えば、けがをしていても夢中の時(他の目標に照準を合わせている時)には、その痛みを感じないような。
[右脳的集中]
◎まず、右脳的集中とは、拡散的集中で、鷲(ワシ)とか鷹(タカ)などが、空高くから広い範囲の地上を見渡す、部分に焦点を合わさずに、全体を漂うような、浮遊するような注意状態である。
[左脳的集中]
◎次ぎに、左脳的集中とは、焦点的一点的集中である。偉大な野球選手がバッターズボックスで、投手の投げる玉が止まって見えるという注意状態である。ある意味、顕微鏡でしか見えないほど小さな細菌を拡大してみる感じである。
参考資料→「ためしてガッテン:過去の放送:脳もビックリ! 集中力アップ大作戦」
[並列処理と直列処理]
◎アニメ(動画)では、1秒間に使われる絵の枚数は8枚であるが、それと同じ動きを倍の16枚の2秒分に拡大したものを1秒で表示すると、スローモーションになる。それと似たような原理なのではないかと思う。並列処理(拡散的集中)を直列処理(左脳的集中)に切り替えたのと同じ原理であろう。
[上空高い鷹]
◎右脳的集中と左脳的集中とをイメージ的に表現すると、鷹が上空高くから地上を右脳的集中で広範囲に漂うように見渡し、動くモノを見つけると、次には左脳的集中で、それを特定した上でまっしぐらに急降下するというイメージである。
[夜道を歩く武士]
◎別のイメージで示すと、武士を想像してほしい。夜道を歩く武士。彼は、右脳的集中で辺りの気配を感じようと、雑念を排して、無になって四方八方に気を配りながら歩く。そこへ後を付けてくる気配を感じる。その瞬間、右脳的集中から左脳的集中へと瞬時に切り替える。
[寄せ集めて明確な人物像の組み立て]
◎彼はそれが一人なのか、複数なのか、大人か子どもか、男か女かを気配・足音から推定する。少しの情報から、過去のデータを寄せ集めて明確な人物像を組み立てる。
[名人の将棋]
◎あるいは、名人が将棋を一手打つ前に、長考に入っているイメージ。その時、頭の中では、まず最初に次に打つべき一手の状況が浮かび上がる。その後に時間をかけて、あれこれとその状況の良し悪しを検証する。
[二種類の集中の使い分け]
◎私たちは仕事においても、この二種類の集中(右脳的集中と左脳的集中)を使い分ける必要がある。例えば、アイディアや新しい企画を探し求める場合、脳内を右脳的集中で探し求めることになる。そして、アイディアや企画がひらめいた瞬間から、左脳的集中で実現可能な立案に向けて取り組む。
[アイディアや企画を求める場合]
◎このようなアイディアや企画を求める場合、内向的集中する場合と、外向的集中する場合とがある。つまり、今までに頭の中へ蓄えた情報・資料を走査する内向的集中と、スクラップブックやパソコン内のデータベースを開く場合とがあるだろう。
[情報・資料分野の広さ]
◎この場合、奇抜な独創的なアイディアや企画を出すためには、脳内や体外に貯めた情報・資料の分野の広さが問われる。今までどれほど拡散的(右脳的に)興味分野を開拓したかが問われる。オタク人間は超強力な左脳的集中力を持つが、拡散的(右脳的に)興味分野が狭い。
[オタク人間とチームを組む]
◎逆に、左脳的立案はその人の今までの経験が問われる。オタク人間が報われるのがこの段階である。右脳的集中力に片寄る人物ならば、オタク人間とチームを組むと良い結果が出る可能性が高い。でも仕事の分担を間違うと悲惨な結果を招来するだろうが。