真 夢人 日記

心理学、哲学、脳科学、宗教に関心があり、それらについて自分なりにまとめたものをこのブクロで発信していきます。

もやもやが晴れるのはどんな時?

[ミョウバンの結晶作り]
◎私は小学校の時に、ミョウバンの結晶作りをした経験がある。ミョウバンを溶かした水溶液に、小さな種(何であったかは不明、消しゴムの小片?)を吊して置く。翌日にはその種に小さな結晶が付着しているのを見て驚喜した。それが日を追って徐々に大きくなって行く。毎日観察をするのが楽しみであった。とても興味津々の実験だった。
[雪遊び]
◎最近、大阪には雪が積もるほどには降らなくなったように思う。今年は特に暖冬だとかで雪が降らない。私の子どもの頃には、毎年積もるほどの雪が一回か二回は降ったように思う。翌朝起きて雪が積もっていると、ひもの先に消しゴムをつけて、それを雪の上を引きずって走った。あるいは下駄を履いてあちこち歩き回った。
[雪だるま作り]
◎そうすると、その消しゴムの周りにどんどん雪がくっついて成長してゆく。ある程度大きくなれば、その雪玉を押して転がすとますますでっかくなる。それをふたつ作って、胴体と頭とある雪だるまにして遊んだ。手は猛烈に冷たかったが、寒さを忘れて大はしゃぎしたものだった。
[雲作り]
◎次は雲作り。もちろん私が作るのではないが。"雲を作るひとつひとつの雲粒は、空気中に浮かぶ塵やほこりなどの浮遊粉塵を凝結核としてつくられる"。"Wikipedia"からの引用。微細な塵やほこりが雲作りの結晶の核になる。それらが寄り集まって我々の見上げる雲となる。
[雲の中に氷晶核]
◎その雲は、"氷晶核となるものができると氷晶が急激に成長する。氷晶がある程度の大きさになると、重力に耐え切れなくなって、雨として地上に落下する"。"Wikipedia"から引用後加筆。雲の中に氷晶核が生まれ出ると、それがどんどん大きく成長する。それが大きくなりすぎると、雨として地上に降り注ぐ。
[小泉元首相は結晶化がうまい]
◎話題は自然界から人間界へ。小泉元首相は、結晶化のうまい人であった。もやもやと人々・国民が持っていた不満。不満は、もやもやとしているので、どう表現してよいか分からない、つまり、言語化できない。それは未だ言語以前の感情状態だからだ。ましてやどう行動していいかもわからない。感情→言葉→行動へと進展、展開してゆく。
[中心に言葉を置いた]
◎小泉元首相は、国民の多くが胸の中に抱くもやもやに、結晶の種を投げ入れた。ミョウバン水溶液に種を吊したように。つまり、その中心に言葉を置いた。"構造改革"。"民営化"。"自民党をぶっ壊す"。これは効果てきめんだった。国民の多くが、それ以降、小泉元首相の一言一言に、一挙手一投足に視線を注いだ。結果、支持率はいつも高くに張りついた。
[リーダーに必須の言語化能力]
言語化能力はリーダーに必須の素質である。つまり、バラバラなものをひとつに組織化する能力、もやもやっとしたものに明確な形を与える能力。惜しいかな、阿倍総理の"美しい国"は国民の心を結晶化させづらい抽象語である。明確なイメージを描けない。
[愚痴以上に進まない]
◎今でもそうだが過去に特に多かった。会社内のバラバラな従業員。個々の従業員はそれぞれ不満を持つが、ただ互いに愚痴を言い合うだけ。トイレや食堂や更衣室でグチグチとグチるだけ。口先だけの愚痴。それ以上には進まない。たばこの煙のように空中に漂った後霧散する。
[組合つぶし]
◎会社は労働組合を作らせない。スパイを放って、核となりそうな社員は、解雇する、左遷する。さまざまな形で組合つぶしをする。そのような状況下で、共産党員がオルグ活動をすることが多かった。会社はそれへの対抗手段として、ご用組合を当て馬にすることもある。
[全体を俯瞰できる表題]
◎このように、もやもやっとしたものを結晶化するのは、自然界や社会運動、政治活動だけではない。文学の世界でも、文章全体を的確に言い表す、文章全体を一言で捉えられる表題(標題)は必ずといっていいほど付けられる。これによって全体を俯瞰できることも多い。
[要約の更なる要約]
◎文章全体の場合は、表題(標題・タイトル)だが、段落の場合には、見出しということになる。表題(標題・タイトル)・見出しはその部分の要約の更なる要約といえる。リンゴをすり下ろして、こしたものをさらに沸とうさせて水分をはじき飛ばせたエキス。
[カウンセリング]
◎心理学の世界で、もやもやに結晶の種を投げ入れるには、あなたが言いたいのは、"くやしい"ということですね。と相手に投げかけ、その人自身が自分でもまだ気づいていない気持ちを言語化する。そうすると、"そうです、そうなんですよ、その通りです"と、気持ちが晴れ晴れするというような顔つきになる。これがカウンセリングである。
[フォーカシング]
◎そのようなカウンセリングのひとつである、"フォーカシング(焦点化)は、ユージン・ジェンドリンが発見した、人間の体験過程とその象徴化の過程と、それを促すためにジェンドリンが体系化した技法"である。"Wikipedia"からの引用加筆。
[象徴化]
◎その体験過程とは、"意識と無意識の境界に注意を向けることで直接、身体的に感じられるものであり、体験過程の流れは、言葉などによって表現される、つまり象徴化されることによって、人が成長する方向へ向かって流れていく。
[次ぎに進む足場固め]
◎象徴とは、さまざまな意味合い・性質を持ち簡潔に表現しづらい状態・事態・出来事などを、別のもので表現することである。先ほどから述べていた、"もやもやっとしたものを結晶化する"機能だといえる。それによって次の段階へ進むことが可能となる。次ぎに進むには是非とも足場固めが必要である。
[淀んだ水に方向性]
◎"しかし、人の意識が体験過程に向けられず、象徴化の機会が奪われると、体験過程は滞り、様々な心理的困難が生じてくる"。もやもやとした感情に言葉が投げ入れられることで、淀んでいた水に方向性が与えられ、流れ出す。つまり、チャンネル(水路)作りがなされる。
[本質を見抜く]
◎これは事件や出来事であれば、"本質を見抜く"、と表現されるべきものである。どう評価してよいか分からない、全貌の見えない、事件や出来事では、過去とのつながりや、未知の事柄との関連性など、をひとつにまとめてゆく過程で、"本質"がつかみ取られてゆく。それを的確に表現した言葉が、"本質"を捉えていると見なされる。