真 夢人 日記

心理学、哲学、脳科学、宗教に関心があり、それらについて自分なりにまとめたものをこのブクロで発信していきます。

無欲の欲、無用の用、無知の知

[哲学に挑戦]
◎私は何度も"哲学"に挑戦してみた。西田幾多郎道元にあこがれた。そして、哲学者の書く本を開いてみるが、まず最初のページから、言葉がまるで分からない。これは日本語なのだろうかと驚く。見たこともない文字が並ぶ。書いてあるすべてが分からない。哲学者とはどんな脳みそを持っているのだろうかと不思議でならない。と嘆きながら本を閉じる。それを何度も繰り返した。
[思考の種]
◎そんな哲学とは無縁の私が、今回、"無欲の欲、無用の用、無知の知"という題名を掲げた。それらは、"思考の種"である。脳みその中に蒔く種である。思考の種とは、例えば、生物学者が未知の生物に出会したときに調べる題材である。考える練習の材料である。
[考える習慣づけ]
◎答えを出すことが目的ではない。考える訓練(経過)が大切である。考える習慣づけである。学校でも是非ともしてほしい課題である。考えることによって、理解が深まる。知識が増えてゆく。視野が広がる。
[よく噛む習慣]
◎食べ物で言えば、他人が作った、料理をただ呑み込むだけではなく、よく噛む習慣である。かみ砕くことによって自分の身となり、肉となり、血(知)となる。実際の食事に関して、私はかなりの早食いであるが。子どもの頃に身についてしまった、早く遊びたさに。
[無○の○]
◎だから、私が今からお示しするのは、哲学するのとは無縁の代物である。という言い訳付きで。では、無欲の欲、無用の用、無知の知は、すべて、"無○の○"という形である。だから、無死の死、無生の生、無限の限、などなど、無限に生成できる。また、一語でなく、無思慮の思慮、無報酬の報酬、など二語であってもいくらでも作れる。
[後から見直し]
◎この思考訓練の成果を、手帳や日記帳に書いておけば、何年か後に、あらためて見直してみると、自分がどれだけ成長したかどうかが分かる。あの時はずいぶん未熟な考えしか持っていなかったのだなと自分の成長ぶりが実感できる。書いておけば、後から見直しが出来るので、是非お勧めする。
[無欲の欲]
◎ということ(?)で、私が考えた思考内容を示してみたい。まず、"無欲の欲"。"無欲"だけであれば、"欲が無い"ことである。が、それが"欲"を修飾しているから、無欲といえども、欲が潜在している、表面化されていないだけだということを示している。
[潜在的可能性の欲]
◎だからこの場合、無欲とは、欲が無いことではなく、認識できる段階(表面化)にはない、まだ潜在的可能性の段階の欲である。それ故に、その可能性は無限の方向性を持つ。つまり、無方向である。地下に眠るマグマの段階であって、地上に出て噴火する前の段階だという意味である。あるにはあるがまだ表面に現れていない。
[無方向]
◎ここに"無方向"という言葉が出て来たが、無方向とは、方向がそもそも無いのではなく、まだ方向が定まっていないことを意味する。方向が確定していない、潜在的可能性にあることを意味する。
[未だ開ける前のワクワク]
◎例えてみれば、不意に恋人からプレゼントをもらって、高鳴る胸の内で中身は何だろう、どういう目的、意味でこれをくれたのだろうと想像する段階である。あるいは、乙姫さんから玉手箱をもらった浦島太郎が、玉手箱の中を考えている最中である。未だ開ける前のワクワクの段階。
[原始的エネルギー]
◎心理学的に言えば、心の奥底でエネルギーが、原始的エネルギーが、うごめいている状態である。物語などでは、その雰囲気を出すために、どす黒い巨大な生物が井戸の底で暴れている情景を描く。また、民話などでは、鬼や竜や未知の怪物などでいくぶんか潜在的エネルギーの種類(善悪、大きさ、強さ、怖さなど)を暗示する。
[無用の用]
◎この解釈の仕方を、"無用の用"に当てはめる。と、無用(用=役立ち)は、役に立たないのではなく、具体的な役立ちがまだ確定されていないことを表す。すべてはプラス思考である。ゼロではなく、未知数であるが、解を、誰かに解かれるのを待っている数学の問題のようなものである。あるいは当選が発表される前の宝くじ。
[未定か確定か]
◎だから、無用の用は、役に立つ能力を持つが、まだ役立ち内容が確定されておらず、あるいは役に立つ事態が未だ到来せずに潜在的可能性の状態にとどまっているという意味になる。あらゆるものの用は未定か確定かの違いである。あるかないかの違いではない。教育者には必須の心意気である。
[時間軸が問題]
◎私たちすべては、役に立たない者(無用の長物)は一人もおらず、ただその人にぴったりの場面が到来していないだけである。"帯に長し、タスキに短し"であろうと、その人にぴったりの用がいずれ現れると。即今の今だけを視野に入れると無用であったとしても。要は時間軸をどれくらいの長さにするかが問題である。
[無知の知]
◎次は無知の知。これはソクラテスの言葉である。今までと同じ方式ではうまくいかない(と思う)。それで別の方法をとる。では、知識の多さを誇る知恵者よりも、知らないことが山ほどあると知る者の方が将来性があるといえる。自分のものである、自分の脳に収めている知識量よりも、世界に宇宙に、未だ見出されずに埋もれている知識の方が途方もなく多い。
[知識を集めて活用]
◎いまだに発見されずに潜在している、知識の方に心が向いている知的探求者は、知識の多い知恵者よりも視野の面で勝っている。今たくさん持っているものを誇る人間には将来性がない。特に今のネット世界が出現してからは、自分が持っている知識で勝負するのではなく、世界にある知識を如何に集めて活用するかが勝負の中身である。
[飽くなき知的探求者]
◎今持っている知識がどれほど少なかろうが、それへの飽くなき探求者であり続けるならば、未来は広く開かれれている。いや、持っているものが少ない人間ほど、成功可能性が高いともいえる。無知だと知っている者ほど、おごりが少ない分。