真 夢人 日記

心理学、哲学、脳科学、宗教に関心があり、それらについて自分なりにまとめたものをこのブクロで発信していきます。

技術を盗むことは...

[チェーンがはずれた]
◎先日、買い物帰り、信号が変わりそうだったので、急いで渡ろうと、強くペダルをこぐと、バキッとチェーンがはずれてしまった。仕方なく、自転車を押して信号を渡ってから、自分でチェーンを戻そうと奮闘した。が、数分であきらめて自転車を押しながら修理屋へと向かった。
[子供の頃自分で修理した]
◎そのことがあって、私は子供の頃、自転車がパンクすれば、自分で修理したことを思い出した。チェーンがはずれてもやはり自分で直した。もちろん最初からできたわけではない。当然プロの物まねである。プロ業者が修理する作業を注意深く見つめて頭にたたき込む。
[一石三鳥]
◎ そして、店に必要なものを買いに走り、それらの道具を使って自分でパンク修理する。一時間以上かかっても、自分で修理ができた喜びは本当に大きいものがあった。お金が節約(子供にとっては大金である)できるし、自分でできた喜びが味わえるし、さまざまな技術が身に付く(そのせいか学校の技術家庭や美術の時間はとても好きで楽しかった)しで、一石三鳥である。
[技術を盗むことは]
◎このような広く流布している技術を盗むことは、許されていることだと思う。昔は、もちろん今でも、技術習得期間を見習いと呼ぶ。さまざまな職業世界では、技術習得は必須の事柄である。それは雇う側にも雇われる側にとっても。雇われる側にとっては将来への無形の財産ともなる。多くの若者はそのことに気がつかないようだが。ほとんどの職業、仕事はそのようにして技術が受け継がれてきた。
参考資料→「台湾式マッサージ店で実感「まねる」「盗む」が人を育てる」(from日経BP社/2008年9月12日/齋藤孝の「3分間」アカデミー)
[積極的意欲で盗み取る]
◎しかし、依存からの脱却ができていない者には技術は盗めない。つまり、自分でするのだという意欲、意志を持たない者、それらをはぐくんでいない者には。技術は教えてもらうものではなく、自らの積極的な意欲によって盗み取るものである。受け身の気持ちでは身に付かない。
[神経回路の構築]
◎ 技術は、ある意味、シミュレーションを頭の中に構築して、以降はそれをなぞって、実行することであろう。だからどうしても同じものを自分の頭に構築する必要がある。それ故、単に耳で聞いただけでは技術は身に付かない。身体と五感を使っての模倣(による神経回路の構築)が必須の条件である。
[教えない者ほど多くを教える]
◎そういう意味で、親や上司やリーダーが子供・部下のためにいつまでもしてやり続けることは、その者のためにならない。つまり、いつまでたっても一人前にならない。教えない者ほど多くを教えていることになる。与えてくれない分、積極的に取りに行かねばならないから。
[アップルの挑戦]
◎ 話は変わって、アップルの挑戦(DRM撤廃の呼びかけ)はこの知識や技術に対してとても大きな衝撃がある。その呼びかけに応えたのだと思うが、イギリス EMIグループは,傘下のレコード会社"EMI Music"の楽曲をすべてデジタル著作権管理(DRM)の制限を外してダウンロード提供するという。
[購入者に大きな利便性]
◎その結果、"Apple"社のオンライン・ストア、デジタル・コンテンツ配信サービス"iTunes Store"がDRM無しのEMI楽曲を扱うこととなった。これによって利用者、購入者は大きな利便性を受けることができる。具体的には、ケイタイプレーヤーは、異なる配信サービスであっても、相互に楽曲の受け渡しができるようになる。
[技術は特許で守る権利]
◎新しい技術は特許で守るという権利意識は是非とも必要だ。技術は金を生む資産である。その技術を生み出すまでに多額の投資をしている場合も多い。それが回収できなければ、技術創出への投資がむなしくなる。技術発展、発達、進化のために特許として保護する必要がある。
[社会全体の発展]
◎しかし、同時に社会全体の発展という視点をも組み入れることも望まれる。この点、知識も同様に資産である。しかし、世界中で図書館は普及している。図書館では、社会への知識普及という観点から、ただで知識が提供される。私もずいぶんとお世話になった。感謝、感謝!!!。
[権利と義務とのバランス]
◎ 個人の保護と社会の発展との間に、バランスが要求される。個人の権利と、社会への義務とのバランスである。この個人の言葉は企業や団体、組織に置き換えても同様である。個人の発展は社会の発展なしにはあり得ない。社会全体の発展は個人個人の発展なしにはあり得ない。互恵である。
[保護を過剰は鎖国
◎ 保護を過剰に優先すれば、極端な例を挙げれば、鎖国である。知識や技術が勝手に出て行くことも少ないだろうが、同時に利益として入ってくることも少ない。入ってくることを多くしたいなら、出て行くことが多いのに目をつむらねばならないだろう。その不利益を社会への還元としてとらえてもいいかもしれない。図書館が無料で本の貸し出しをするように。
[開放政策と鎖国政策]
◎パソコン世界では、マイクロソフトはどちらかといえば、開放政策を進め、アップルはかなり鎖国政策を推進した(最近大きく開放へと舵を切ったようにも見えるが)。その結果が、今の両者として表れている。しかしとはいっても、マイクロソフトは実際には裏では鎖国政策をも強引に押しつけていったという経緯があるが。
[グーグルは全世界に向けて開放政策]
◎しかし、それがマイクロソフトの今ある落日につながっているのかもしれない。敵を多く作りすぎたという結果を招くことによって。グーグルは全世界に向けてきわめて強力に開放政策を推し進めている、あたかもマイクロソフトを追い落とすことをもくろんでいるかのように。