真 夢人 日記

心理学、哲学、脳科学、宗教に関心があり、それらについて自分なりにまとめたものをこのブクロで発信していきます。

ルールのない世界はない

[法律を犯してまで行った事業の発展]
◎さんざん取り上げられてきた出来事ではあるが、"ホリエモン"が法律を犯してまで行った経済活動、事業の発展を企てたことについて考えてみた。
[動物は本能という形でその法則]
◎話は飛ぶが、自然界には厳然たる法則が支配している。科学者たちはそれを読み取ろうと日々努力を重ねている。あらゆる動物は、本能という形でその(自然)法則(ルール)を、共通の行動基盤として持ち、それに従って生きている。それ故に、他の動物を殺して食べようとも私たちはそれを悪事とは呼ばない。
[人間はルールを基準に生きる]
◎しかし、人間は、本能(自然法則)による生活から、神によって与えられたルール(宗教規範・その象徴が、モーセ十戒)を基準に生きるようになった、象徴的な言い方をすれば。といっても、まったく捨て去ったわけでは決してないが。
[葛藤に向けて格闘]
◎それが証拠に、ほとんどの人間は、本能に身を心をゆだねて生きるか、法律に従って生きるか、動物的智に基づくか、人間的道徳に向かうかで、常に常に心が揺れている。葛藤に向けて格闘している。
[自然からも神からも自立]
◎さらに、現代人は神からも自立して、人間自身によって作られた法律・道徳(私はどちらかといえばこの言葉が嫌いである)ルールに従って生きるようになった。このように、自然(動物・本能)からも自立し、神からも自立した人間は自分たち自ら作ったルールに従って生きている。ところが、旧オウム真理教の教祖(麻原)は自分が最終解脱者だからルールの出所であるとした。
[ルールという制限内で堂々と闘う]
◎また、話題をずらせるが、内容がもう古いが、トリノ冬季オリンピックで、金メダル一つが日本にもたらされたのは寂しい限りである。話を戻すが、このスポーツ競技にももちろんルールが存在する。ルールという制限内で堂々と闘う、競技することが、当然のここと見なされる。
[ルールがあることによって結果に納得]
◎ルールがあることによって、強い者も弱い者も、うまい者も下手な者も、結果に納得する。自分を磨く方向がはっきりするからだ。とはいえ、どこの世界でもあることだが、薬物などによって不正な手段を選ぶ選手もいる。
[正々堂々と闘うことがスポーツマンシップ]
◎不正がはっきりすれば、その選手の未来は閉ざされよう、正々堂々と闘わない卑怯者として。自分の能力を磨くのではなく、不正手段によって勝利を得ようとする者として。共通の土俵、リング内で正々堂々と闘うことがスポーツマンシップであろう。
[時代や技術につれてルール変更が自然な成り行き]
◎しかし、違反者がいることによって、ルールが改訂されたり、補強されたり、変更されたりもする。ルールといえども、永久普遍のものではない。時代につれて、技術につれて変更されてゆくのが自然な成り行きであろう。ルールも進化する。
[違反者はある意味トリックスター]
◎心理学、民俗学などにトリックスターという言葉がある。トリックスターは悪さをするが、それが良い方に転べば進歩が待ち受け、悪い方に転じれば破壊が待ち受ける。違反者は、ある意味、そのようなトリックスターともいえる。
[出来事は多様な要素を含み持つ]
◎あらゆる出来事はトリックスター的要素をひそみ持つ。出来事は多要素、多様な要素を含み持つ。ホリエモンが行った犯罪で、彼のすべてを打ち消すべきではないだろう。その出来事の中に潜む多様な要素を腑分けして、白日の下にさらけ出す分析がしっかり成されるべきだ。
[失敗もさまざまな検討批判反省から成果が得られる]
◎成功が大きな発展をもたらすのは当然であるが、失敗もさまざまな検討批判反省が成されるならば、成功以上のものを人々にもたらすことも多いだろう。単なる否定非難だけに終わるのは未来を見据えていない証拠でもある。