[防衛の問題]
◎アメリカ軍の基地･施設などの移転とか、北朝鮮による核開発や、核保有国の増加などが国際問題になっている。それにつれて当然日本の防衛が問題となろう。今からそれについて考えを述べたい。
[歩行者はほとんど無防備]
◎先ずは身近な例から入る。車の運転手はさまざまな方法(例えばエアーバッグやシートベルト)で事故時の負傷から守られている。が他方、歩行者はほとんど(全くと言っていいほど)無防備である。歩行者が交通事故で死亡する例は枚挙にいとまがないが、歩行者がだからといって"鎧甲で武装して"という話は聞かない。車と並んで同じ道を歩いているというのに。
[友達をたくさん作る]
◎話は飛ぶが、イジメに遭わないための最良(?/私の個人的な考えですが)の方法は、友達をたくさん作る、持つことである。イジメに遭いそうになれば、仲間に助けを求め、先生に連絡を入れ、多くの仲間が駆けつければ、いじめっ子はそうたやすく手を出せない。つまり、強いいじめっ子に対しては、仲間の連帯が大きな力となる。弱い者が強い者に対等に対峙する力が"連帯"である。
[ジメられっ子は集団内で孤立]
◎私の個人的印象なのですが、イジメられっ子の多く(ほとんどすべて)が集団内で孤立している。あるいは友達や集団から孤立させられてゆく(引き離されてゆく)ことによってイジメが常態化してしまう。だから彼ら(いじめられっ子)をイジメから奪取するには、彼らを自分たちの輪の中に取り込んでゆくのが最上の方法である。
[善意でつながった集団の輪]
◎とはいえ、現実問題として、イジメが発生する学級には、善意でつながった集団の輪が生まれていないことが多い。教師は、先ずそのような集団作りから始めなければならない。そのためにはそれにふさわしいリーダーを見つけて育てる必要がある。
[輪の求心力を取り除く]
◎逆の側からいえば、善意でつながった集団の輪を取り壊すには、リーダーを買収するなり、抹殺するなりしてその輪の求心力を取り除く。学級でいえば、輪の存続を維持するには、担任がそのリーダーを支え続けるかが鍵になる。教師は集団を支える援護者でなければならない。
[ガンディー主義]
◎それを歴史から例示するために、ガンジーを取り上げる。ガンディー(が提唱した)主義は、非暴力主義に立脚した不殺生を基調とする大衆的抵抗運動での、行動原理であった。
[カリスマ的素質を持つ指導者が必要]
◎ガンジー主義には、ガンジーのような、教祖的、カリスマ的素質を持つ強力な求心力を内包する指導者が必要ではないかとは感じる。ガンジーは歴史が生み出した偉人である、歴史を大転換させるために。またアメリカの黒人運動指導者、キング牧師もガンジー主義の流れをくむ。
[人を殺すよりは殺される方を選ぶという生き方･思想]
◎何が言いたいかといえば、戦争になれば死ぬ覚悟を持つという選択肢があってもいいのではないかということである。人を殺すよりは殺される方を選ぶという生き方･思想を持ってもいいのではないか。国防の選択肢の一つとして。
[退路を断って前進のみ]
◎その死を覚悟した上(武士道、禅精神)で、先ほど述べたイジメに遭わない方法を徹底実践する。つまり、(腕力[Arms]による防御によって身を守るという)退路を断って(つまり死を覚悟して)、ひたすら(世界に平和の輪を広げるという)前進のみを心がける。全世界に善意でつながった集団の輪を作ることだけを考えて。
[マザー･テレサ]
◎カトリック修道女で、通称マザー･テレサが実践した、病人や孤児、さらには死を待つ老人に対する世話。貧しい人々への奉仕。このような無償の奉仕によって、彼女は高貴な人間愛の象徴としてノーベル平和賞を受けた。
[核被弾国として特別な国]
◎日本は普通の国(通常程度の軍事力を保持国)にならないで、核被弾国として特別な国(マザー･テレサの実践国)になるという選択肢もある。というよりも、特別な国になる方が日本にとってふさわしいのではないかとさえ感じる。被爆経験を語れるのは日本を置いて他にないのだから。
[平和を真剣に追い続けるリーダー]
◎世界中から、日本は平和を真剣に追い続け、善意でつながった集団の輪を広げようとする国として、そのリーダーとして認知されるのはよいことだろう。あの国を攻撃すると、世界中の仲間から非難ごうごうの雨が降るという事態が定着すれば、戦争を仕掛けられる可能性もそれだけ減ってゆく。
[防衛しないことによる防衛]
◎このように、弱い国々をも平和の輪の中へと次々に取り込むことによって、防衛しないことによって協力(強力)に防衛してゆくという逆説的手段もある。そうなれば、アメリカのように、軍事力を背景に外交を進める国との強力(協力)な関係は、大きなマイナスとなるだろう。
