真 夢人 日記

心理学、哲学、脳科学、宗教に関心があり、それらについて自分なりにまとめたものをこのブクロで発信していきます。

理想から入るか、現実から入るか

[宗教は理想を描き出す]
◎どんな宗教も理想を描き出す。その理想を、天国(天上の理想郷、楽園)とか、(西方)浄土とか、涅槃とか、極楽という言葉(キャッチフレーズ)で言い表す。
[理想の実現を目指して頑張ることはすばらしい]
◎理想を掲げて、その実現を目指して頑張ることはすばらしいことだ。個人でいえばそれは目標ということになるだろう。しかし、それを他人に要求、強要すると、話は別だ。理想を共有するならばそれはすてきなことだけれども。
[理想を押しつけられると重荷]
◎親が指導者が長が、子どもや部下に自分の描く理想を押しつけて、その実現を迫ると、子どもにも部下にも重荷だ。子どもや部下がその理想を共有している間はうまくゆくけれども。
[途中下車できなければ悲劇が生まれる]
◎子どもがそこから降りたいと思っても、親がそれを許さない場合、悲劇が生まれることも多い。破壊(自殺や親殺しなど)によって終止符が打たれることもままある。その悲劇も次から次へと繰り返されてきた。
[今の時代理想ははやらない]
◎今の時代、理想ははやらないようだ。日本が若かった頃(明治・大正・昭和前期)、理想を掲げて、それに熱き情熱を燃やしていた。その情熱もずっとは続かなかった。あたかも夢から覚めたかのように、熱は徐々に引いていった。
[行き着く先は明るい未来だとの確信を持てない]
社会主義共産主義を理想と捉えて、それの実現に情熱を、命を燃焼し尽くしたものも多い。がそれらの主義の行き着く先は明るい未来だとの確信をもはや持てなくなっている。互いにつぶし合いの自滅も多かった。事実その実現に向けたいくつもの国が挫折に終わっている。次々に倒れていった。
[若い日本と社会党]
◎日本が若かった頃を政党で言えば、社会党が大きな地歩を占めていた時代である。が今や昔の面影すらみじんもない。外国での主義の実現が崩壊したことの影響が致命傷になっているのだろう。さらに実際政権を取ったのに理想実現に邁進する力量はないようにも思えた。夢を語る学者先生と映った。
[今は現実主義の時代]
◎今は現実主義が前面に出る。今の目の前の現実を見据えて、それを良い方向に変えてゆこう、改善しようという方式である。40点を50点に引き上げようという態度である。
[国政も個人も理想よりも現実に重きを置く]
◎日本では国政レベルでも、個人レベルでも理想よりも現実に重きを置く。自民党はその最たる党である。民主党も余り大きな違いはない。違いの無さに苦慮しているくらいである。私からは違いを創り出すためにだけ、反対をしているのかなとも感じるほどに違いが見えてこない。
[僕の前に道はない、僕の後ろに道は出来る]
◎詩人の高村光太郎は、詩集「道程」の中で、僕の前に道はない/僕の後ろに道は出来ると詠っている。
[自分の足で歩くことによってのみ道が生まれる]
◎現実を生きることによってのみ道(事実)が生まれ出でる。それまでは未来には何もない(前に道はない)。まだ踏まれない道は我々には未知である。誰にもわからない。自分が自分の足で歩くことによってのみ道が生まれる。これを実存と呼ぶ。
[主体性、自律性が実存を活きさせる]
◎実存を生きるには主体性、自律性、自己決定、自己責任を引き受けなければならない。それらが生まれ出るのは、前頭連合野である。
[幸せを問い求めて行くかせるのは信仰心]
◎理想主義では引かれたレール(未来へ向かって真っ直ぐに延びる道)の上を走ろうという方式である。まだ文(踏み)も見ぬ未来にある、山のあなたの空遠くにあるという幸せを問い求めて行くかせるのは信仰心である。理想を義とするのは信仰である。
[理想(宗教)が幸いではなく、悲劇をもたらしてきた]
◎しかし今まで数々の理想(宗教)が人々の信仰を裏切ってきた。20世紀の時代ですら人々の面前に掲げられた数多くの理想(宗教)が幸いではなく、悲劇をもたらしてきた。
[あなたはどちらの道を歩みますか]
◎あなたはどちらの道を歩みますか。後ろにしか道がない道を一人一人別々に手探りで分け入るのか、提灯を灯して先頭を行く人の足跡を集団で脇目もふらず突き進むのか。