真 夢人 日記

心理学、哲学、脳科学、宗教に関心があり、それらについて自分なりにまとめたものをこのブクロで発信していきます。

集団回帰、結び直し

[国際的なスポーツ大会が盛ん]
◎最近、国際的なスポーツ大会が盛んである。柔道があり、バレーボールがあり、水泳があり、野球があり、サッカーがあり、陸上がありである。世界野球と世界サッカーは、日本中を、世界中を興奮させたのではないか。これについて思うことを述べたい。
[集団回帰が起こっている]
◎このような現象などから、私は日本国内においても、世界的レベルにおいても、"集団回帰"が起こっているのではないかと感じている。安倍首相は"戦後レジュームからの脱却"というが、政策を見ていると、逆に"戦後への復帰"だとも思える。
[集団と対極するのは個人]
◎集団(組織、マクロ)と対極するのは個人である。戦前日本は集団重視・優先であった。その結果として家(家族・家庭)重視・優先や国家重視・優先が当然視された。それに逆らうことは悪とされてきた。それが戦争へと行き着いたともいえる。
[個人重視の欧米思想]
◎しかし、敗戦によって、欧米思想がなだれ込んできた。東洋の集団重視に対して、西洋は個人重視であった。そのような欧米思想は、民主主義、自由、権利、個性を叫んた。国民はそれに戸惑いながらも歓喜した。
[日本も個人重視の思想が主流]
◎それらが次第に、日本中に浸透し始めた。今では、それらに反対するのは、悪であると感じさせるまでに当然視されている。つまり、日本は欧米と同様に、個人重視の思想が主流になっている。
[個人重視の思想は不幸をも生み出す]
◎しかし、この思想は良いことだけを生み出したわけではなかった。これは思想自体が悪いわけではない。その行き過ぎが不幸を招き寄せた。心が育つには、つながりが不可欠である。幼い子ども達には、特に両親との心の交流がぜひとも必要である。だが、父親も母親も個人重視の思想が幼い頃から当然視された時代に育っているから、幼い子ども達に注ぐべき時間が自分たち(両親)自身に向けられがちである。
[一方に偏らない中道、中庸]
◎仏教は中道(一方に偏らない正道)をいう。あるいは、中国では中庸(考え方や行動などが一つの立場に偏らず中正)思想を持つ。
[中道、中庸は宇宙原理の一要素]
◎中道、中庸は"宇宙原理"の一要素である。個人重視に余りにも傾きすぎると、宇宙原理として対極の方向へと揺り戻しが行われる。西田幾多郎は、それを矛盾的自己同一という。
[切り離された絆を結び直す動き]
◎日本国内で、ずたずたに切り離された絆を結び直す動きが大きなうねりとして、日本国内においても(世界全体においても、といってもあらゆる地域とまではいかないが)おおい始めているような気がする。
[連帯、交流、個人個人のつながりの結び直し]
◎この一つのうねりが、冒頭で話題に出した、世界野球と世界サッカーの盛り上がりである。といっても、これは単にスポーツの世界に限ったことではなく、地域内での連帯、交流、個人個人のつながりの結び直しも意識され始めている。
[子ども達が殺される悲劇が引き金]
◎これは、子ども達が次々に殺されるという悲劇が、みんなの心の中に、連帯、交流、個人個人のつながりの必要性を感じさせてきたことも原因としてある。具体的には安全な街作りの機運が各地で起こっている。その具体策は、子どもへの犯罪を、ケータイへ送信するという形(安まちメールなど)が一般化している。また、子どもの所在確認をケータイで親が行う(親子のつながりの小さな回復)というケータイの使い方もされている。
[つながりの回復は、ケータイやパソコンの普及が後押し]
◎つながりの回復は、ケータイの普及やパソコンの普及によるインターネットの利用が一役買っている。特にパソコンは、具体的には、ブログやSNS(ネット上の社交場)で、未知の相手とも気楽につながり合える。家族のつながりから、地域のつながりへ、そして今や趣味のつながりへと変遷している。
[同種のものを集めて提供するサイト]
◎少し趣旨がずれるかもしれないが、ネット上の無数の情報の海から、同種のものを集めて提供するサイトが急増している。例えば、全国ラーメン店を集めたサイトとか、駅弁を扱ったサイトとか。
[結ぶという無意識的な流れが世界的にある]
◎グーグルはその典型例だろう。今このように集める、まとめる、結ぶという無意識的な流れが世界的にあると感じる。個人個人がバラバラにほぐされたのを、再度結び直す動きである。それを容易にしている、加速しているのがブログであり、SNSであり、その道具としてのケータイやネットがある。
[個性的個人の集団から爆発的な創造]
◎これからは、個性的な個人が自由な雰囲気の中で集まって、大きな目標に向かうときに、新しい爆発的な創造が生まれてゆくのではないだろうか。それは今プログラムの世界で起きているように感じる。巨大なプログラムが無料で、ボランティアで、協同作業で創り出されている。
[単なる集団重視への回帰では成功しない]
◎だから、単なる、過去にそうであったような復古的な集団重視への回帰を目指すだけでは成功しないだろう。いずれは目標を掲げるとそれに賛同する有能者が続々集まってくる社会・組織・集団になるだろう。
[目標を掲げて先頭を走るリーダー]
◎今必要なのは、目標を掲げて先頭を走る、リーダーであり、コーディネーターであり、マネージャーである。その先棒を担いだのが、ホリエモンであった。これが彼を何故あれほど人気者にしたのかの一つの回答であろう。そして主にその先導者はIT関係者から出て来るだろう。